行け! せんべろ探検隊。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

大阪せんべろ探検隊

新世界『のんきや』(大阪)立ち飲み評論家、直次郎。

どて焼きとおでん。IMG_5355

 通天閣から、動物園前方面に僕たちは歩いていた。
「関西弁が飛び交ってて面白いの」と、埼玉から来ているかおりんが云った。
 みんな漫才師みたいなんだもの、とも。

 確かに、ボケとツッコミで話してる人って、お江戸にはあまりいない気がする。新幹線に乗って京都に向かっていた時、僕の後ろのカップルの会話が聞こえてきていて、名古屋を越えた辺りから、関西弁に変わるのが面白かった。
「お腹減ったね。なにか食べる?」と、女の子が云う。
「俺は暖かい珈琲が飲みたいな」と、眼鏡をかけたがっしりとした男の子が云う。
 それがどうだろう。京都が近づいてくると、
「弁当食べたいねんけど」と、男の子が云うと、
「さっき食べたとこやんか、もうろくじじいか!」と、女の子が云い返していた。
 とても、同じカップルとは思えないのである。
IMG_5356
 アーケードに並ぶ商店街は、店じまいが早いのかシャッターを下ろしているところが多かった。埃っぽい昭和の香がする商店街である。
「ここにしない?」と、かおりんが立ち止まって云った。
 見ると『のんきや』という、赤い暖簾がかかっている店がある。ディープ大阪の立ちのみ屋という風情である。なかなかいい。
IMG_5359
 店には、サラリーマン風の客が4、5人ほど。どて焼きとおでんが、湯気を立てていた。いい香が漂っていた。
 僕は、熱燗を頼む。かおりんは赤ワインを。もちろん、どて焼きとおでんもお願いした。
「兄さんたち、旅行かいな?」と、隣でビールを飲んでいるおじさんが話しかけてきた。ジャンパーを着た、ひとの良さそうなおじさんである。
「旅行は、あたしだけ。先輩に大坂を案内してもらってるの」と、かおりんが云った。
「よう、この店を見つけたなぁ。ええ、嗅覚してるで」
「いい香がしたから」と、かおりんが云った。
 熱燗と赤ワインが来た。かおりんが熱燗を注ぎ、
「有名な店なんですか?」と、尋ねた。
「新世界は串揚げと思てる人も多いけど、ここはええねん」
「よく、来られるんですか?」と、僕が訊いた。
「私は立ち飲み屋がすきで、全国を回ってるねん」
 おじさんは、直次郎と名乗り、ここはオススメや。と云った。どこか教師のような雰囲気のある人だと、僕は感じた。
IMG_5362
「千円でべろべろになれる、せんべろ探検してるんです」
「千円でべろべろかいな。ええなぁ、そやけどこの辺りは、女連れやと、冒険はきついねん」
「昼間やったら、おもろいねんけどなぁ」と、店主がどて焼きをトンと、カウンターに置きながら云った。
「どことは、言えんねんけど。明るいときにしとき。ええとこ一杯あんねん」と、直次郎さんが云った。

「教えて!」と、かおりんが云った。
 直次郎さんは、笑いながらメモに店名を書いて渡してくれ、燗酒を注文した。
「これは、秘密やで」と、ウィンクをしながらだ。ちょい、かっこいいではないか。
 で、どて焼きを食べると、これが旨い。
「美味しい!」と、かおりんもたちまち平らげてしまった。
「そやろ」と、直次郎さんも満足げである。
 僕たちは、ディープ新世界の立ち飲み屋について教えて貰う。なんだ深い話しだったように思うけど、僕は酔っていてほとんど覚えていない。どうも、ためである。
 直次郎さんに別れを告げ、僕たちは次の店を探検しに向かうのであった。
<記事 大坂せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター 埼玉せんべろ隊長 かおりん@もつ命>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
のんきや
住所 大阪府大阪市浪速区恵美須東3ー4ー5
交通 大阪市営地下鉄動物園前下車、徒歩3分
   JR大阪環状線新今宮駅東出口から、徒歩5分
営業 9時から20時
定休日 水、第三火曜日
せんべろです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス
軽井沢せんべろ隊長 かなこ@別名ミランダカー
旅人せんべろ隊長 ジョセフィーヌ@サンマーク
※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

新世界『づぼらや』(大阪)気になる巨大提灯。

新世界探検 その2IMG_5338

「山本どうしてる?」と、僕が訊いた。
「山本くんは、徳島で公務員してるよ」と、かおりんが云った。
「じゃぁ、モリトは?」
「出版社で編集長してる」
「リクルートで、みんなが会社回っていたのが昨日のことに思えるよ」
「ススムは?」と、僕が訊いた。
「東大の准教授らしいよ」
「会社やめて大学に入りなおして、ノーベル賞とるとか云ってたなぁ」
「毎日、学校で会ってたよねぇ。あの時は、山のように時間があったから」

 かおりんとも、長く会っていなかった。
 大阪に来たついでに、せんべろ探検をしたいと連絡があったのだ。彼女は、浦和せんべろ隊長なのだった。
 それから、何か事情もあるようだった。

「ここに立つと大阪観光してる、って感じになるよ」と、かおりんが通天閣を見上げながら云った。
 腕時計を見ると、7時を少し過ぎたくらいだ。辺りは、すっかり暗くなっていた。真冬の冷たい風が、かおりんの長い髪を揺らしている。コートに手を突っ込んだサラリーマンが、僕たちと同じように通天閣を見上げていた。
 平日だからか、人はまばらだった。
「寒いから、てっちりで燗酒を飲もうよ」と、僕が云った。
「ふぐ?」
「大阪では、てっちりなんだ。づぼらやってでかいフグの看板の店がある」
 実は、僕は一度も入ったことがない。ここから歩いてすぐの店だった。
IMG_5345
  店に着くと、白髪の太ったおじさんがひとりでビールを飲んでいた。テーブルには、ふぐさしが一皿置いてある。グレーのセーターを着て、黙ってグラスを傾けていた。人の良さそうな顔をしている。
 僕たちは、おじさんの隣のテーブルに座った。
 燗酒とふぐさしを女性店員に注文した。
 はしご酒前提のせんべろ探検だから、さっと一杯飲んで次の店に行く予定だし。

「かおりんの会社って難波だっけ」
「名古屋と、福岡にもあるよ」
「そりゃ、行くとうまいものが食えるな」
「出張はそれが楽しみなんだよ」
「ススムは、ノーベル賞獲れそうなの?」
「知らない。でも、まだ本気らしいのよ。笑っちゃうけど」
「結婚してるの?」
「どうなのかしら?」
IMG_5346
 燗酒が来た。
 僕は、かおりんのお猪口に酒を注ぐ。で、返杯である。
「昭和の香りがするね。客も昭和だ」
「私たちだって、昭和じゃない」
 そりゃそーである。
 女性店員が、ふぐさしをテーブルに置いた。僕は、ふぐの天ぷらを追加した。
「新宿アルタの近くに、ふぐを食わせる店があるんだ」
 彼女は、黙って酒を飲んだ。
「友だちがやってる」
「知ってる人?」
「知らないと思う。ススムと同じ東大だけど、中退してふぐ料理作ってる。今度寄ってみてよ。旨いよ」
 僕は、燗酒のお代わりをした。もう少し、熱くして欲しいと頼む。
「大阪は初めてだけど、面白い わ。テーマパークみたい」
 彼女は、微笑むと残りの酒を注いでくれた。
 確かに、ここはそんな街かもしれない。新世界などは、独特の雰囲気がある。
IMG_5350
「失踪したおばさんの話しだけど」
 一軒目のだるまで、彼女が話しかけたおばさんのことだった。
「おばは、お金持ちなのよ」
「先天的なお金持ち?」
「後天的にね。頑張ったのよ。会社起こして」
「会社は、うまくいってるの」
「たぶんね。失踪と会社は関係なさそうなんだ」
「駆け落ちとか」
「まさか。でも、とても心配なの」
 そう云うと、彼女は遠くを見るような表情になった。
 熱燗のお代わりが来た。
 ふぐの唐揚げを食べてみると、あっさりと旨い。僕は、燗酒をひとくち飲んだ。
 小幸福である。
「今夜は、飲もう。久しぶりなんだし」
 彼女は、僕に熱いお酒を注ぎながら云った。

<記事 大阪せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター 埼玉せんべろ探検隊長 かおりん@もつ命>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
づぼらや 新世界店
住所 大阪府大阪市浪速区恵美須東2ー5ー5
電話 050ー5798ー7550
交通 地下鉄御堂筋線動物前駅5番出口から徒歩5分
   地下鉄堺筋線恵比寿駅から徒歩5分
   JR環状線新今宮駅から徒歩5分
営業 11時から23時(月から日)
定休日 元日
ひとり二千円しないくらいでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス
軽井沢せんべろ隊長 かなこ@別名ミランダカー
※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

新世界『だるま』(大阪)私をディープ大阪に連れてって!!

埼玉せんべろ隊長来阪!!IMG_5315

「さらわれたりしない?」
「たまにはな」
 と、僕が云うとかおりんは不安げな顔をした。
 僕たちは、新世界へ。
 阪神の帽子を被ったおじさんが自転車で何やら歌いながら移動してたり(本当にいる)、賭け将棋をしてたり、派手なパンチパーマのおばさんが笑ってたり、とディープ大坂劇場の俳優たちは、いつもいい仕事をしてくれている。

「いっぱい飲まへん?」と、商店街を歩いていると茶髪の若いねーさんが声をかけてきた。『酒』と白抜きで書かれている前掛けをしているおねーさんだ。
「また、あとでな。観光してるねん」と、僕が答えると、彼女はニッコリ笑って手を振ってくれた。

「どこへ行きたい?」と、かおりんに尋ねると、
「二度漬け禁止ってのに行きたい」
 と云うので、一軒目は『だるま』に行くことにした。
「立ちのみの店多いねぇ」
 かおりんは、商店街を眺めながら云った。
「朝から立ちのみ屋やってるんだ」
「だるまは、立ち飲みなの?」
「あそこは椅子がある」
 通天閣をバックに記念撮影をすると『だるま』へ向かった。通天閣の麓にある店なんだ。
IMG_5336
 店に入ると、3人の若いサラリーマンが順番を待っていた。
 以前来たときは、店外まで行列ができていた。今日は、平日なので客が少ないのだろう。
「なんで、ひとりで大坂に来たの?」
「いろいろあるのよ」と、かおりんは微笑んで云った。
 いろいろってなんだろう? 
 とは、思ったけど、いまは聞かないでおいた。すると、
「なんで、分けを聞かないの?」と、かおりんが云った。
「聞いちゃいけないのかと」
「そうねぇ、お酒飲んで酔ったら話せるかな」
 どうも意味深である。
IMG_5319
 僕たちの順番が来た。
 僕は、ビール。かおりんが芋のお湯割りを頼んだ。それから、串揚げの盛り合わせとどて焼きも。
「なんで大坂にいるんだろう? って思うよ、こうして飲んでると」
「はいよ」と、どて焼きが来た。
 早速、かおりんがひとくち食べた。
「赤羽で食べたドテとは、違う味だわ」と、かおりんが云った。
 東京でせんべろ探検をしたときは、醤油味だったらしい。
「大坂にある人を探しに来たの」
「トラブル?」
「ちょっと、旅行に行くって家を出て行ったんだけど」
 そう云うと、かおりんはお湯割りをひとくち飲んだ。
IMG_5329
 串揚げが来た。
 お腹が空いていた僕たちは、まずは食べることにした。
 かおりんは、二度漬け禁止が面白いらしい。
 僕は、キャベツをつまんでソースにつけた。キャベツは、食べ放題なんだ。
「もしかして男の人?」
「叔母なの」
 子どもの頃から大好きだった叔母だと云う。大学で中国語を教えていて、独身だそうだ。一ヶ月前、突然、失踪したらしい。
「できることがありそう?」
「そうね。頼むことがあるかもしれない」
 かおりんは、黙ってなにか考えているようだった。
「いそうな場所は、大体、想像がつくんだ」
 僕は、それ以上尋ねないことにした。
 いえないことだってあるんだ。訊かない方がいいことだって・・・。
「今夜はせんべろ探検を楽しみましょう」
 そう云うと、かおりんはお湯割りをお代わりした。
IMG_5331
「ビールは?」
「ビール、苦手なんだ」
 かおりんは、串揚げをソースにつけて頬張った。
 僕も続けて食べる。甘めのソースが美味しい。
「上野で会ったよね」と、かおりんが呟くように云った。
「あの時は、すっぽんを食べた」
 あれから、何年経っただろう。
「時が経つのって早いよね。叔母さんも、やりたいことがあったみたい」
 僕たちは、お酒を飲み干し、次のせんべろ探検に行くことにした。
「次は、どこに行きたい?」
「もっと、ディープなせんべろ屋かな」
 新世界のせんべろは続く。
<取材 大坂せんべろ探検隊長 埼玉せんべろ探検隊長 記事 紙本櫻士>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
元祖串かつ だるま 新世界総本店
住所 大阪府大阪市浪速区恵美須東2ー3ー9
電話 06ー6645ー7056
交通 市営地下鉄堺筋線 恵比寿町駅3番出口から徒歩6分
   市営地下鉄御堂筋線 動物園前駅5番出口から徒歩5分
営業 11時から21時
定休日 無休
せんべろでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス
軽井沢せんべろ隊長 かなこ@別名ミランダカー
※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

枚方『そば切り 天笑』(大阪)ミシュランの蕎麦。

酒と蕎麦と幽霊。IMG_5176


 幽霊を連れて、蕎麦を食べに行った。
 チサトという若い女の幽霊だ。やり残したことで、成仏できないと言う。
「やり残したことってなんなの?」
 そば切り『天笑』のテーブル席に着くと、僕は質問をした。
「いろいろあんのよ幽霊にも」と、チサトははぐらかす。
 僕は、お酒を二種類注文した。ひとつは、ちさとの分である。
「ふたつ同時に出してください。飲み比べたいから」と、僕は怪訝そうにしている店員に云った。店員にはチサトが見えないから。
 幽霊が、お酒を飲んだり食べたりすることも、みんなは知らない。
 でも、お供えするってことは、実は、分かっているのかもって思うことがある。

 去年の秋頃、チサトが化けて出だした。
 生前は、知り合い程度だったが、死んでからは毎日のように顔を出す。僕の事務所に来てパソコンでなにやらしてるし、ソファーに寝転がって本を本でたりもする。ことによると、生きているんじゃないかと、錯覚を覚えるほどだった。
「気が散るから、消えてくれない」と僕が言うと、本当に消えるから幽霊なんだろう。たぶんね。
IMG_5168
 お酒が来た。
 僕のアテはメザシ。チサトには漬け物がついていた。
「蕎麦を打ってゆであがるまで、酒を飲んで待ってるのが粋ってもんだ」
「そうなの? でも、お酒を飲んで待つってのはいいわね」
 僕が、チサトのぐい飲みにお酒を注ぐと、彼女は美味しそうに杯を傾けた。
「浅草に、大黒屋って蕎麦屋があるんだ。あそこは、蕎麦がでてくるまで酒を飲みながら鍋を食べて待つ。なかなかでてこない。蕎麦を食べに来たんだけど、蕎麦で〆る勢い」
「蕎麦を食べに来てるのに?」
「そう、それくらいでてこない。で、蕎麦の量ががちょっぴりなんで、お代わりしたくなるけど、もはやできない。お代わりなんかしたら、また、鍋からやり直しだ」
「ここもそう?」
「違うけど、酒を飲みながらって待つのはいいもんだよ。江戸時代は、蕎麦屋は飲み屋だったんだ。時代劇で、蕎麦屋で飲んでたりするだろう」
「くだらないことに詳しいのね」と、チサトは手酌でぐい飲みに酒を注いだ。
IMG_5169
 店員が来て、そろそろお蕎麦をお持ちしましょうか? と、僕に尋ねた。
 鴨汁蕎麦を二つ、僕は注文した。
「大盛りですか?」
 いえ、大盛りではなくて二つね。
「なんか申し訳ないな」と、チサトが言った。
「いいんだよ」と僕が言うと、
「分かりました」と、店員が答えた。
 なんか、話しがつながっているのが僕だけ可笑しい。
IMG_5242
「前から思ってたんだけど、幽霊が飲んだり食べたりした後って、気が抜けたような味がするんだ。食べ物の魂がなくなるからかな」
「そんなの分かんないよ」
 そう言うと、チサトは酒をお代わりした。
 気づかない店員に、僕がお代わりを伝える。仕方なく、チサトが飲んだ酒を、僕も飲む。やっぱり、気が抜けているように思う。
「今年の抱負だけど」
「幽霊に抱負なんてあるの?」
「やり残したことを、ひとつひとつ片づけるんだ」
「幾つもあるのかよ」
 これでは当分、付きまとわれそうだ。やれやれ。
「牡丹灯籠って落語で、幽霊に憑かれて死んじゃう話しがあるだろ」
「そんなの知らないよ」
「そんなこともあるのかなって思ってさ」
 取り憑かれて死にたくはない。
 チサトは、ふーんって言いながら、僕の杯をひょいと奪って飲み干した・
 あ、っと言うと、へへへと笑う。
IMG_5170
「蕎麦屋で飲むのも、やり残したことかな」
 こいつに取り憑かれて死ぬなんてことは、なさそうだな、と笑顔を見ながら思った。
 僕は、旨い鴨汁蕎麦と、気の抜けた鴨汁蕎麦を食べて(とはいえ、美味しい)店を出た。
 チサトに話しかけようと振り向くと、姿がない。
 さっさと、成仏してくれよ。と思ったけど、それはなさそうだ。たぶん。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そば切り 天笑
住所 大阪府枚方市岡南町10ー30
電話 0728ー46ー7166
交通 京阪本線枚方市駅から徒歩5分
営業 11時から14時30分 17時30分から19時
定休日 水曜日・木曜日
ひとり2000円くらいでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

枚方公園『餃子の女王』(大阪)立ち飲み餃子でせんべろ。

クリスマス・ストーリー。IMG_5001

 立ち飲み餃子屋ができたらしい。
 紹興酒で餃子でもと覗いてみることにした。
 
今日は、冬至であたりはすっかり暗かった。僕は枚方公園駅を降り、サラリーマンたちが歩く細い道に入ると、遠くに赤い提灯が見えた。冷たい風が吹いていた。

 中華らしい赤い扉を開けると、中に7人くらいお客さんが飲んでいた。OLがひとり、後は会社帰りのサラリーマンたちだ。たぶん。
 僕は、焼きニラ餃子と生ビールを注文した。
 湯豆腐なら、すぐできると云うので、それも頼む。
 女店主が、餃子を鉄板に並べ、出汁をかける。熱い鉄板から湯気が立ち上ると、彼女はさっと蓋をかぶせた。
「カミモトさんですね」と、隣の男が声をかけてきた。
 仕立てのいいスーツに、ロレックスをしていた。ネクタイの趣味は、いまひとつだが、靴はイタリア製の高価なものだ。
 誰だろう? 僕は人の顔を覚えるのが苦手だから、失礼をすることがよくある。ことによると知り合いかもしれなかった。
「どこかでお会いましたか?」と、僕は云った。
「中学で一緒だった。吉田です」
 覚えがなかった。
「すみません。何組でしたか?」
「E組の吉田俊之ですよ」
 思い出した。中学生の時とは、印象が違っていたけど。
「あ、小学校も一緒だったとっちゃん?」
「あの頃は、太ってましたから」
 ビールと湯豆腐が来た。
 いま、どうしてる? と、僕たちは乾杯をした。
 僕は、相変わらずなんだけどね。
IMG_4982
 とっちゃんは、勉強ができない子どもだった。運動もだ。絵も、音楽も。それで虐められることはなかったが、みんなに出来ない子、と軽んじられていたと思う。
 中学を卒業したとき、就職をした生徒が数人いたけど、とっちゃんもそのひとりだ。
「確か肉屋さんに就職したんじゃなかった?」
「ずっと、そこにいて、いま社長です」と、とっちゃんは誇らしげに云った。
「そいつは、すごい」
 とっちゃんすごいよ。と、本当に思う。
「みんなには会う?」
「いえ、松本くんとか、中学卒業した後に、たまに遊んだりしてましたが」
 話し方が大人びているのに驚いていた。
 とっちゃんが先生に当てられると、教科書がまったく読めないのを覚えている。当時、僕は、どうして読めないのかが分からなかった。何もかもできない子どもだったんだ。
「結婚は?」と、僕は訊いた。
「婿養子なんです。だから、今は今村です」と、とっちゃんは照れくさそうに云い、名刺をくれた。
 子どもが3人いて、二人は大学に通っている。ひとりは今年中学三年らしい。
 立派になっているとっちゃんがまぶしかった(僕なんかよりね)。
 冬至、勉強も運動もなにもかもできないとっちゃんを、僕は小馬鹿にしていたように思う。
 学校という制度が、とっちゃんには向いていなかっただけなのに。
IMG_5010
 そういえば牛乳配達のバイトをしているとっちゃんを、何度か見たことがあった。
 例えば、雨が降る冬の寒い早朝に。
 とっちゃんは、薄汚れた白い牛乳屋のレインコートを来て、自転車の荷台に空になった牛乳瓶を並べていた。事情もあったのかもしれないけど、毎日欠かさず、牛乳配達をしていた。同じ中学生の僕には、とても出来なかっただろう。
 僕たちは、ビールのお代わりをした。
 すまなかったな、と僕は口に出かけたけど黙っていた。

「今日は、どうしてここに?」と、僕は訊いた。
 とっちゃんは、ビールを飲んで、しばらく黙っていた。
「新しい店ができたら、商売の勉強に来るんです」
 興味本位に飲みに来る僕とは大違いである。
「今日は、ゆっくり飲めるの?」
「もう、帰らないと。この後、子どもたちと妻にクリスマス・プレゼントを渡すんですよ」
「早いプレゼントだね」
「明日から、台湾に出張なんです。クリスマスなのにね」
 とっちゃんは照れ笑いをしながら、ビールを飲んだ。
 いい笑顔だった。
 いまの僕は、いい笑顔をしているだろうか。
 メリークリスマス。みんなうまくいくといいね。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
餃子の女王
住所 大阪府枚方市伊加賀東町5ー30
電話 090ー1589ー0141
交通 京阪枚方公園駅から徒歩3分
営業 16時から翌1時
せんべろ屋です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

祇園四条『水炊き 萬治郎』(京都)危険なまんべろ探検。

せんべろ探検隊のまんべろ忘年会。12342407_759008280871207_4797159054213709058_n

 能楽師・辰巳満次郎氏をお誘いし、忘年会をしてきた。
 秋の中秋の名月『千人の月見の宴』で、舞っていただいたご縁である。
 当初僕は、四条大橋袂にある『東華菜館』などはいかがかと伝え、満次郎さんに「どこかよいところはございますか?」と、尋ねてみた。
「辰巳稲荷の横に、萬治郎という水炊き屋がございます。そこは、なかなか予約がとれない店ですが」と、教えていただいた。
 それはさぞや、と思い。僕は、萬治郎に予約電話をしてみることにした。

「予約を入れたいのですが」
「いつでございますか?」と、女性が云った。
「12月の15日、19時からですが」
「生憎と、その時期は混んでいまして、お店には以前来られたことがございますでしょうか」
「能楽師の辰巳満次郎さんから、ご紹介いただいたのですが」
「女将に代わらせていただきます」
 しばらくして、女将が電話口に出た。
「席をお取りさせていただきます」
 京都らしいのである。
12388255_986811771377033_986992116_n
 そうこうしているうちに、当日を迎えた。
 陽は落ち、あたりはすっかり暗い。ポツリと小雨が降り、道路は濡れ光っていた。僕たちせんべろ探検隊は鴨川沿いから、白川の上流へ歩いていた。みーやんとサナエである。
 ほどなく『辰巳稲荷』が姿を現す。
 若い外国人の男性が三脚を据えて、辰巳稲荷を何枚も写真を撮っていた。僕は、遠慮がちに辰巳稲荷の前に進み、手をあわした。なんでも芸事の神様だそうだ。
 頼み事がいっぱいありそう。

「よう、おこしやした」
 萬治郎に着くと、女将が迎えてくれた。築150年の古い屋敷だ。凜とした空気が漂っている。
 ジリリリンと、黒電話が鳴った。
 店員が電話に出る。現役の黒電話を数十年ぶりに見たように思う。
 磨き上げられた木の廊下を通り、六畳の部屋に案内された。
 ガラスの入った襖から、鯉が泳ぐ池が見える。池の向こうの部屋では、賑やかに宴が開かれていた。

 ほどなく、満次郎さんが到着した。
 部屋に入るなり、
「玄関で、辰巳満次郎です。と名乗っても、誰も驚かないんだよ」と、満次郎さんが云った。
「僕が満次郎さんが到着しますと、伝えましたから」
「そうですか」と、満次郎さんが残念がる。人を楽しませるのが、好きなのだろう。
 僕たちは、ビールで乾杯をした。
「肝の甘辛煮です」と、京言葉で仲居さんがテーブルに小皿を並べながら云う。
 僕は、レバーが苦手なのだが、ここのは旨かった。新鮮で上質の肝なのだ。
 女将が鶏スープを、鍋からすくって分けてくれる。
 僕は、冷酒を注文した。この鍋には日本酒がいい。
「昔、父親に連れられて、よくこの店に来ていました」と、満次郎さんが云った。
「おおきに」と、女将が微笑む。
 どうぞ、と僕もスープを女将からいただく。すこぶる旨い。
「辰巳稲荷の隣で、萬治郎ですから、深いご縁があると思いました」と、女将が云った。
 名前で予約を受けたんだ、と僕はそこで気づいた。
「常連かと思ってました」と、サナエが不思議そうな顔をして云った。
12399096_986811981377012_1553368364_n
 水炊きが煮え、宴が始まると能の興味深き話しが続いた。
「靴下は、どちらの足から履きますか」と、満次郎さんが訊いた。
 僕は、右からだと答えた。みーやんも右から、サナエは左。サナエは左利きなのだ。
「能では、左から履きます。歩き出すときも、左。昔の作法が、能に伝わっているのです」
「春日大社の宮司さんに似た話を伺ったことがあります。真っ暗な部屋で、一人だけに伝える儀式があって、それはどんなアレンジも許されない。作法を変えてしまうと、もとのものが分からなくなりますから、と仰っていました」と、僕が云った。
 能にも同じなのかもしれない。
 興が乗り、僕たちは閉店近くまで過ごさせていただいた。
12376246_759008250871210_5414685820638296450_n
 店を出ると、雨は上がり、雲の間から星が見えていた。
「もう、一軒行きませんか」と、満次郎さんが云った。
 京の夜は、これからである。
<記事 大阪せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
水炊き 萬治郎
住所 京都府京都市東山区新橋通大和大路東入元吉町58
電話 075ー561ー1654
交通 祇園四条駅から徒歩5分
営業 17時から19時30分
定休日 5月から9月 2月3日・月曜
コースが6千円。まんべろです。けど、大満足のお店でした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一
 

枚方『適塾牛鍋パン』(大阪)日本酒に合うパン作ってみました。

せんべろなパン。IMG_5100

 福沢諭吉が適塾の塾頭だった時、よく牛鍋屋に通ったという。
 諭吉が牛鍋を食べる様子を日記で読んで、当時の味を食してみたいな、と思った。
 丁度、枚方マルシェで何かを出さないか、と云われてたしね。
 そこで平安時代の食と江戸時代の食、明治時代の食を再現して、お弁当を作り枚方マルシェで売ってみた。去年の11月のことだ。
 牛鍋だけじゃつまらないと、平安、江戸、明治の三種類を作ってみたのである。 明治時代が『適塾牛鍋弁当』。
 話題になって新聞から取材が来たりもした。
IMG_3666
 で、今年も枚方マルシェでやってくれないか、と声が掛かり、去年と同じじゃ面白くないぞ、と思いパンに挟んで手軽に牛鍋を体験できる『牛鍋パン』を作ってみようと思いついた。
 諭吉さんは、パンと肉が大好きだったし、大酒飲みだったそうだから、酒に合うとなお、いい。せんべろ探検隊が作るパンだしね。
 うーむ、難しそうだ。
IMG_5063
 『千人の月見の宴』で、月見弁当を作ってくれた藤下シェフにお願いしようと、僕は、枚方公園にある『ビストロ・ル・パッサージュ』を訪ねた。作ってくれるだろうか・・・。
 店に入ると、ディナーを食べているお客さんが、二組。僕は、誰も座っていないカウンターに席を取った。ここなら、シャフと話しながら飲むことができる。
 シェフは、忙しそうに鍋を振っている。
 一息ついたところで、僕は適塾牛鍋パンについて、簡単に説明をしてみた。シェフは黙って聞いていた。どうだろう?
「当時、牛鍋は味噌味だったんです。何しろ、猪鍋をイメージした料理でしたから」と、僕は云った。
「レシピは残っているんですか?」と、シェフが訊いた。
「福沢諭吉の日記に、書生たち食べる様子が書かれているけど、レシピというほどじゃありません。味噌味だったこととネギが入っていたことくらい」
 僕は、赤ワインとオムレツを注文した。

 この店は、8時を過ぎると「あるものなら作るよ」という、ドラマ『深夜食堂』と同じスタイルになる。店の名前も、8時からは『深夜食堂』だ。
 例えば、オムレツを頼むと、エスカルゴのオムレツだったり、鹿肉のオムレツだったり、何かしら楽しませてくれる。
 寿司を頼むと、寿司を握ってくれたりね。
IMG_5093
「たぶん、いい肉を使ってなかったでしょう」
「僕もそう思ってます。日記にもそうありました」
 赤ワインが出てきた。南アフリカのKWVだ。
「それをパンに挟んで出すわけですね?」
「福沢諭吉は、お酒が好きだったから、ワインに合うのがいいかも」
「日本酒ですよ。牛鍋なんだし、パンを工夫すればいいんです」
「ライスバーガーみたいなのじゃなくても、パンで日本酒で食べられますか?」
 藤下シェフは、黙って頷いて笑っていた。

 数日後、出来上がったと連絡が入り、店で試作品を食べてみた。
「美味しいと思います」と、僕が云うと、
「ダメですね。まだ日本酒に合いません。当日まで、いろいろと試してみます」
 僕には十分に思えた。当時の、牛鍋を体験できて旨いのだから。
IMG_5035
 マルシェ当日、試食の時とは違うパンになっていた。数段、旨い。日本酒と食べると、酒が進むのが不思議だった。
「これは日本酒に合うね」と、サナエが酒を片手に云った。
「パンに合うわけないと思って食べるから、余計に驚きますね」と、みーやんが云った。
 というわけで、作ってしまいました。せんべろパン。
 『適塾牛鍋パン』を、みんなに食べてもらえたら、と。
 来年、みんなにお酒飲んで味わってもらえるように、いろいろ試してみるね。

 もちろん大阪せんべろ隊で。
 今回は、イベント番外編でした。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一
 

梅田『百百(もも)』(大阪)怖い話し。

老舗の串揚げを食べながら。IMG_4588

「麻雀やったことある?」と、僕は佐々木に訊いた。
「モノポリーならやるけど、麻雀はないな。ルールは少しだけ」
 僕たちは、梅田にある老舗の串揚げ屋にふらっと入って、瓶ビールを頼んだ。ウズラとキス、ウィンナーも。
「秘伝のソースらしいで」と、佐々木が云った。
 シェリー酒や月桂樹やら入っているという。カウンターには、旅行客や女性客も飲んでいた。立ち飲みでさくっと飲むには、こんな店がいい。
 僕は、佐々木のグラスにビールを注いだ。

「麻雀は、所詮、ボーズめくりだよ。ボーズがでたら負け」と、僕が云った。
「あれは、ツキの奪い合いのゲームやな」
 確かにそうだと思う。長くやっていると、強いヤツが勝つけど、ツキだけでもかてる不思議なゲームだ。もともと、中国の占いだったとも云う。
 日本に初めて紹介したのは、夏目漱石である。中国を旅した紀行文に登場する。
 僕たちは、グラスを合わせた。
IMG_4575
「モノポリーもツキといえば、ツキやな。ニューヨークのあるオレンジをサイコロの目だけでそろえたら勝ちや。ツイてないやつは、どうしうようもなくなる。人生においても・・・。最後まで、ツイてないやつっておるで。なんでついているヤツがいて、なぜ、ついてないヤツがいるのか。数学者のジョン・ナッシュは、ゲーム理論で、ナッシュ均衡を導いたんや。おもろいテーマやと思う。数学のフィールズ賞やなくて、ノーベル経済学賞やったけど」
 ウズラが来た。秘伝のソースにつけて食べてみる。ソースは、すっきりとした味で好みだった。

「九連宝燈って、役があるんだ」と、僕が云った。
「役って?」と、佐々木が訊いた。
「麻雀を上がったときの形だ。ロイヤルストレートフラッシュみたいなやつ」
 佐々木は、ビールを飲みながら聞いていた。
 麻雀は、13個の牌を使ってやるゲームだ。最後の一枚をそろえると、上がることができる。自分で持って来てもいいし、他人が出してもいい。
 九連宝燈は、1112345678999とあって、1から9どれを持って来ても上がることが出来る。ただ、その形ができるのが、天文学的な確率なんだ。
 最終的な形だけで上がっても成立するけど、純正九連宝燈は、まず、できないとされている。宝くじに当たったような状態だよ。
IMG_4581
「九連宝燈を上がると、死ぬって云われているだ。ツキがなくなってしまうってことかもしれない」と、僕は云った。
「バカつきの後は、気をつけろってことやな」
「僕は、二度上がったことがあるんだ」
 ウィンナーが来た。ソースにつけて、僕はひとくちで食べた。佐々木は、黙ってビールを飲んだ。
 佐々木の顔が、どうなった? と、訊いていた。
「不思議なんだ。勝手に出来上がるんだよ。最後の一枚が、4だったんだけど、僕の順番が来て引く前に4が来るのが分かった。あ、4が来るって」
「何もなかったのか?」
「その晩、祖母が亡くなった。次の日は、お葬式だよ」
「たまたま、だろう。お年寄りだし」
 僕もそう思った。たまたまだと。
 とはいえ九連宝燈が、僕に何かをしたような嫌な気もしていた。
IMG_4582
「ところが数年後、また、できたんだ。今度も、勝手にできあがった。あの時と、同じだった。僕は、みんなに九連宝燈ができたから、僕の順番がきたら、牌を倒して(チョンボする)やめると3人に云ったんだ。ゲームで、命をはることないからね。でその時、大島くんが上がる寸前だと教えてくれた。そこで、当たり牌を岡村くんがわざと、大島くんに振ったんだ」
「大島が上がった? よかったやんか」
「その晩、大島くんの祖父が急性肺炎で亡くなった」

 本当である。
 友だちから聞いた話しじゃなくて、僕の実体験だ。
 幽霊やUFO、超能力とかがあるのかは分からないけど、九連宝燈の『上がるとよくないことが起こる』を、信じている。
 どちらも、お年寄りだったけど、偶然とは思えないじゃないか。
 もし、もう一度できたら・・・

「なんとも云えないな」と、佐々木が云った。
 何かあるのかもしれなかった。
 僕は、それからすすんで麻雀をやらなくなったように思う。
 何とも云えないけどね。
<記事 大阪せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
串かつ 百百(もも)
住所 大阪府大阪市北区角田町9−26 新梅田食堂街1F
電話 06ー6313ー2714
交通 阪急梅田駅、JR大阪駅、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅から徒歩2分
営業 9時から22時
定休日 日・祝
せんべろです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

難波『グリル南風』(大阪)ランチの女王。

老舗洋食屋でワイン。IMG_4955

 もう、ずいぶん昔だけど、ランチの女王というドラマがあった。確か、フジの月9だったと思う。主演は、竹内結子と江口洋介である。
 ランチが大好きな麦子(竹内)が、ひょんなことから洋食屋『キッチンマカロニ』で、住み込みで働くことになるラブコメディーだ。家族経営の洋食屋で、格好いい男たちに囲まれて物語は進んでいく。
 
 何がいいかって、出てくる下町の洋食屋さんの料理である。もちろん、ストーリーも楽しめるけど、料理が僕には魅力的だった。
 何しろ『ランチの女王』に出てくるキッチンマカロニのレシピが載った本を買ったくらいである。
 ドラマの中で、特にこだわっていたのはデミグラスソースである。親父(若林豪)秘伝のソースだ。
IMG_4961
勇二郎(江口洋介)「普通、普通って言うけど、オマエの言う普通ってのが解らないんだよ」
純三郎(妻夫木聡)「だから、ケチャップのかかったオムライス」
勇二郎「それが普通ねぇ。じゃぁ、オムライスの中に何が入ってる?」
純三郎「そりゃ、チキンライス」
勇二郎「だろ。じゃぁ、そのチキンライスは何色だ?」
純三郎「赤っぽい感じっていうか・・・」
勇二郎「なぜ赤い?」
純三郎「それは、ケチャップを使っているから」
勇二郎「中ですでにケチャップを使っておいて、外側にもケチャップをたらす。それがどうして普通の状態なんだ」
純三郎「そう言われてみれば」
勇二郎「パンツはいてストッキングはいて、その上からパンツはいてるオンナ見たことあるか? 普通はスカートだろう」
純三郎「まぁ・・・」
勇二郎「じゃぁ、ここでスカートに当たるモノは何だ?」
純三郎「デミグラスソースです」
勇二郎「あたり」

 なるほど。と僕も思った。
 でも、僕はケチャップをどばどばかけてしまうなぁ。
IMG_4958
 難波で『グリル南風』という洋食屋を見つけた。
 ランチの女王にでてくる『キッチンマカロニ』を彷彿させる店構えだ。大阪だけどね。店内も、まさに、キッチンマカロニである。
 僕はカウンターに座ってメニューを開いた。
 オムライス、クリームコロッケ、ハンバークなど、僕は少し迷って(迷うのも楽しい)日替わり定食を頼んだ。
 出来るのを待っている間に飲む、赤ワインも。
 常連らしき若い男性が、僕のとなりでビーフサンドを食べていた。ああ、これも食べたいな。とつい思ってしまう。
 カウンターの中では、ご夫婦と思われるふたりが手際よく料理をしていた。奥さんが盛りつける間、旦那さんが揚げ物をしていたり。
 亡くなった母親が、父と初めてデートしたとき、ハムエッグを食べたと言っていたのを思い出した。アルミの皿に乗ったハムエッグを、ナイフとフォークで食べたと言う。
IMG_4964
 ライスが来た。
 使い込まれたアルミ皿に盛られたライスの横に、福新漬けが添えてある。これじゃないと、老舗の洋食屋はいけない。
 日替わり定食も、どん! と大盛りである。
 オムレツにハム、エビフライなどなどが賑やかに並んでいた。
 ワインをひとくち飲んで、まずエビフライにいった。うまく言えないけど昭和の味がする。創業以来変わってないのかもしれない。
IMG_4971
 全部食べたら、きっとお腹いっぱいになるけど、えい! とビーフサンドも頼んでみる。余ったら、包んで貰えばいい。
 せんべろ屋じゃないけど、安くて美味しい洋食でイッパイやるのは、小幸福である。お気に入りの洋食屋を見つけるのもね。
 こんな店が近所にあるといいんだけどなぁ。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
グリル南風
住所 大阪府大阪市中央区西心斎橋2ー7ー4
電話 06ー6211ー2998
交通 地下鉄・近鉄難波駅から徒歩5分
営業 12時から21時(月から土) 12時から14時(日)
千円ちょいでワイン飲みながら楽しめます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

難波『BBQスモーキー』(大阪)能と湯豆腐。

オペラとは違うんやな。IMG_4894

 と、佐々木が云った。
 先日、能楽師・辰巳満次郎氏の新作能『道頓』を観た帰りである。
「大がかりな舞台や演出はないよ。能は、いたってシンプルなんだ」と、僕が云った。
「東京の能楽堂で観たときは、3人で行って、3人とも寝てしまったんや」
「初めてじゃないんだ」
「能の音楽からアルファー波が出てるから、どうしても眠くなる。どこか遠くに連れて行ってくるような。気持ちよかったで」
「道頓はどうだった?」
「新作能は、実に興味深い」と、佐々木が云った。
 『キャベツ玉150円』と、看板を上げている店があった。道頓堀を見ながら飲めるらしい。僕たちは寄ることにした。
 お腹も減っていたしね。
IMG_4910
「春日大社の宮司さんを取材したことがあるんだ」と、僕が云った。
 僕たちがオープンエアの席に座ると若い男の店員が注文を取りに来た。
 風はなかったけど、寒い。冬は、もう、そこまで来ている。
「暖かいものがええな」と、佐々木が店員に云った。
「湯豆腐があります」
「それを」と、佐々木が云った。
 で、とりあえず生ビール2つと、僕は焼きそばを注文した。
「能も湯豆腐も、シンプルなんがミソや」と、佐々木が云った。
「なんで?」
「シンプルやと、美しいし、なにより伝えやすいやんか」
IMG_4921
「春日大社の宮司さんから訊いたんだけど、古代から引き継いでる儀式があるんだそうだ。それを次の後継者に伝える。真っ暗な部屋で、ひとりだけに。その時、何も加えちゃいけないし、簡略にしてもいけない。アレンジするなんてありえない。奈良時代から続く、奈良時代から続く原型がわからなくなるから」
 僕が、春日大社を取材した時のことだ。
「能も同じってことか?」と、佐々木が云った。
 湯豆腐の鍋が来た。店員がコンロに火をつける。
「今夜は冷えるな」と、佐々木が火を見ながら云った。
 僕たちは、ビールで乾杯をした。寒い。熱燗にすべきだったと思う。
IMG_4902
「自由に演じると、原型が解らなくなるんや。だから、昔、昔の日本語に忠実になろうとする。それが、現代人には鑑賞が難しい。麻婆豆腐は、湯豆腐ちゃうし」
 僕は湯豆腐を器に移し、ひとくち食べた。暖かくて美味しい。
 空を見上げると星は見えなかった。大阪の空は明るすぎるんだろう。冷たい風が頬をなでていった。
「ところがや。新作能は、可能性がいっぱいや。なにしろ、自分が観阿弥・世阿弥なんや」
「でも、寝ちゃったんだろう?」
「アルファー波は、流れてたみたいやな」と、佐々木は笑った。
 焼きそばが来た。暖かい食べ物がありがたかった。
IMG_4905
「道頓の亡霊は、今夜、来てただろうか」
 能の最中に、僕は空いている席をちらちらと見ていた。道頓いるかな、と。
「能は連れてくるゆうからな」
 堀川を見下ろす空席に、誰かがいるような気がしていた。
 ふと、安井道頓はんでっか?
 連れてきたのかもしれない。
 と、ビールを飲みながら誰もいない席を、僕はしばらく眺めていた。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
BBQ SMOKY(スモーキー)
住所 大阪府大阪市浪速区湊町1ー1ー31
電話 06ー6644ー0538
交通 なんば駅より徒歩5分
営業 16時から翌2時(月から木・日) 16時から翌4時(金・土)
定休日 無休
千円ちょっとでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10413293_655198737955660_7817742585429908209_n
「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

ブログ村ランク
日本ぶろぐ村でもせんべろ
ライブドアランキングに参加しています。
ライブドアでも、せんべろ
僕のプロフィール