行け! せんべろ探検隊。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

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東京せんべろ探検隊

両国『ゆきだるま 両郷部屋』(東京)久しぶりのジンギスカン。

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 アライが港署に引っ張られたのは、大晦日の夕方だった。
 ノックの音がして、探偵事務所の扉を開けるとお馴染みの身分証明書をかざし、男たちが部屋に入ってきた。白髪交じりの年長の男が先に入り、アライの顔を凝視した。
 若い刑事は、ドアの前に立っている。まぁ、逃げられないようにということだろう。

「今日もお仕事ですか?」と、年長の男が慇懃無礼な口調で云った。
「警察には、大晦日はないみたいだな」
「悪いやつが多くてね」と、白髪の男が云うと、ドアの前に立っている背の高い刑事が薄ら笑いを浮かべた(ように見えた)。それは自嘲気味の笑いなのかもしれない。
「オクムラカオリが、殺されたのは知っていますね」
「新聞で読んだよ。気の毒なことだ」
「オクムラが、外国で殺されたことは?」
「そいつは、知らない」
 おそらくアルゼンチンで逃げられなかったのだろう。まったく、気の毒な元夫婦だ。
「そういう態度ね」
 白髪の刑事が目配せすると、若い刑事がアライのベルトを後ろから右手で握った。
「任意だろう」と、アライが云うと
「ほう、面白いこと云うじゃないか」と、白髪の刑事がアライのレバーにいっぱつ入れた。どこが急所かを知り抜いた狡猾なパンチだ。
 こういう権力を持ったヤカラには、抵抗はしないほうがいい。経験ということだった。

 港署の取調室にはグレーの事務机がひとつと、安っぽいパイプ椅子が二つ並べてあった。アライは、奥の椅子に座って待つように云われた。座ると、ギシギシと嫌な音がする椅子だ。窓もない息苦しい部屋だった。
 暫くすると刑事がひとり入って来た。二人じゃないところを見ると、任意同行は本当らしい。
 刑事は机に座って、アライの向かいに座った。
「大晦日にご足労だね」と、刑事が云った。
「お仲間に、いっぱつ入れられたよ」
 アライは、お腹をさすりながら云った。
 まだ、レバーが傷んでいた。アライにいっぱつ入れた白髪の男は、昔ながらの古い刑事だろう。人の弱みや、証拠が残らない痛めつけ方に精通している。だけどそんな刑事は絶滅はしない。必要だからだ。
「アライさんですね。張と云います。そんな報告は聞いてませんが、伊東くんは何か勘違いでもしたのかな」
 体格のいい年配の張刑事は、とぼけたことを云った。ネクタイの趣味もいい。腕に機械式のエポスをしていた。課長くらいだろうか。
「話すことはないよ。帰らせてくれ」
「なら、任意を重要参考人としていてもらおう」
 ドアが開いて、先ほどの若い刑事が入って来た。黙って、ドアの近くに立っている。
「訊きたいことが山ほどあるんでね」と、さっきとは違う凄みのある口調で張刑事が云った。
「俺は、何も関わっちゃいないぜ」
「奥さんが殺された日だよ。おまえとオクムラが何をしていたかじっくり訊きたい」
 そう云うと、張刑事は部屋を出て行った。

 そこからは若い刑事と交代だった。
 それから刑事が代わる代わる質問をくりかえした。表情が何もないんじゃないかと、思われる刑事もいた。時には暴力的な刑事も。
 刑事とアライが座っている事務机は、刑事の側には足を入れる事ができるが、アライの側は、スチールの板があって足を入れる事ができないようになっていた。膝があたる二カ所の塗装が剥げているのは、同じように何時間もここで取り締まりを受けたヤツらがいるからだろう。それを見てアライはうんざりした。
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 帰されたのは、年が明けて5日のことだ。
 連日、窓のない部屋での尋問は気が滅入ったが、ある日、鉄格子の窓がある部屋に通された。
 その日は、お茶も出て、若い刑事とほぼ雑談だった。で、突然「帰っていい」と、告げられ港署から追い出された。
 適正な取り調べをした警察のアリバイ作りだろう。よくあることだ。
 帰ると、事務所とマンションに家捜しをした形跡があった。ヤツラは家捜しが重要だったのかもしれない。
 俺は泳がされてる。
 とりあえずシャワーを浴びた。
 警察の飯は、いわゆる臭い飯ではないが(ヨウグルトとかオヤツが付く)、臭い飯というのが似合う。どこか臭いんだ。
 腹ごなしに両国にあるジンギスカンでビールを飲もう。と、馴染みの飲み屋に顔を出すことにした。風が冷たい。夜空に月がひとつでていた。
 
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「よう」と、店主に挨拶をして中に入ると、ジンギスカンが焼ける匂いが漂っていた。お腹がぐぅと反応する。
 アライはビールと肉を注文した。
「ひどい顔だな」と、店主が云う。
「そうか」
 さっき鏡で髭を剃るときは、そんな風には見えなかったが、確かに俺はひどく疲れていたんだと思う。
 店主は、自分のビールを注ぎアライのテーブルに座った。
 とにかく乾杯だ。で、ぐっと、半分以上を飲んだ。旨い。
「精をつけないとな」
 サービスだ、と云うと、つけ麺を店主が追加した。
「明けましておめでとう」
 ああ、正月だったな。とアライは思った。
 店主に携帯電話を借りて、チヅルに連絡を入れた。生憎、留守電になっていた。
 当分、事務所には来るな、と伝言を残した。
 アライは、肉を熱くなった鉄板に載せ、ビールを飲んだ。
<取材 アラピー@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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ゆきだるま 両国部屋
住所 東京都墨田区両国3ー24ー1 尾崎ビル3F
電話 03ー6751ー9929
交通 JR両国駅東口より徒歩1分
営業 17時から23時20分(火曜日から日曜日)
定休日 月曜日
ひとり3000円くらいです。ビールにジンギスカンが旨い。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

両国『花の舞』(東京)土俵のある飲み屋。

ハンバーガーはやめてくれ。12212274_922577534501445_652357656_n

 アメリカのポートランドに20年以上出張しているトシと、マレーシアの10年以上出張しているマサユキと、上海にもう何年いるか分からなくなったユウジが、同時に日本に帰ってきた。
 四半世紀会っていない友人たちだ。学生の頃は、毎日のように会っていたのにね。
 どこに行こう? とトシにメールで訊くと、
 日本らしい場所に行こう。となり、両国で飲むことになった。
 両国駅で懐かしいトシの顔を見つけ「よう」と云うと、
「ハロハロ」と、手を差し伸べ握手をした。ぐっとくる力強い握手は、海外生活の長さを感じさせる。チノパンにグレーのセーターを着ている。見かけは25年前と変わらないように思えた。でも、どこか異国の香りを漂わせていた。
「ハンバーガーとかステーキは、やめてくれ」と、トシが云う。
「あえて、日本のを食べてみるとか?」
「よせよ」

「Hai!」と、マサユキが合流し(今度はハイタッチだった。僕のハイタッチは、どこかぎこちないのだ)、ユウジもほどなくやって来た。
「ずいぶん会ってないけど、久しぶりって感じでもないな」と、ユウジが云った。
 さっきまで、出社していたユウジはスーツを着ていた。ネクタイは落ち着いたブルーだ。マサユキは、ジーンズにチェックのエンジっぽいシャツ。工学部の学生だった頃と、ほぼ、同じ格好である。
「水泳は続けてるのか」と、僕がユウジに訊くと
「平泳ぎを続けてるよ」と、ユウジが答えた。
 平泳ぎの選手で、結構、いい線いってたんだ。平泳ぎは、足の形と足首の柔らかさで決まる。早いヤツは、平泳ぎ用のカラダを持って生まれくるんだよ。と、ユウジが云っていたのを、いまもで覚えている。
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「国技館みたいな店だな」と、マサユキが云った。
 予約していた居酒屋『花の舞』に入ると、中央に土俵が据えつけてあった。僕たちは枡席に座る。
「子どもは、いくつになった?」と、僕はトシに訊いた。
「高校生と大学生だ。アメリカは入試もないし、授業料も無料なんだ。のびのびやってるよ。問題は、下の子が、日本語を忘れてきていることだな」
「家では日本語?」
「そうだけど、子どもたちは英語の方が話しやすい」
 母親が寂しがっていると云う。そりゃそうだろう。と、思う。

 ビールが来て乾杯をした。
「土俵の前で飲むと、日本に来たって思うよ。日本人だって、土俵の前で飲まないだろうけどね」と、ユウジが云った。
 トシが刺し身の盛り合わせを頼んだ。と、ちゃんこ鍋。
「ハンバーガーは?」
「よしてくれ」
「中華もなしだ」と、上海帰りのユウジが云った。
「カレーも」と、マレーシアのマサユキも続けた。
「ワシントンに寿司を食べさせる店があるけど、ネタが違うんだ。どこまでもアメリカ風」と、トシが云った。
「マレーシアも似たようなもんだよ」と、マサユキが云った。
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 するとテーブルの前に、お相撲さんがやってきて、
「楽しんでますか?」と、笑顔で云った。
 いっぱいいかがですか? と僕たちがすすめると、これから一番取りますから、後でごっちゃんになります。とお相撲さんの田代が云った。
「タッシーと読んでください」
 トシと握手をして、タッシーは戻っていった。

「女の子たちは、どうしてるかな」と、ユウジが云った。
「おばさんになってるよ」と、トシが云った。
「俺たちだっておじさんだ」と、僕が云った。
 相撲が始まった。ぴしゃっとカラダがぶつかる大きな音がした。本格的なので驚く。だけど応援していたタッシーは、寄り切られて負けてしまった。
「タッシーずいぶん悔しそうだね」と、トシが不思議そうに云った。
「ショーなのになぁ」と、ユウジがビールをひとくち飲んで云った。
 案外、本気なんじゃないか。と、僕は思った。元関取らしいし。
 不思議な空気と、不思議な時間が流れていた。
 僕たちは中見は変わっていないし、声もあの頃と同じだけど、みんな歳を取ってる。肩書きも、学生ではなく部長だったり。ここは国技館に似せているだけど、居酒屋だ。お相撲さんも元関取だ。
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 トリックアートの中にいるような気がしていた。ぜんぶ、幻なのかもしれない。 酔っていた。
「次は、いつ会える?」とは、誰も訊かない。
 次は、何年後か分からないからだ。
「アメリカに、いつ戻る?」と、僕はトシに訊いた。
「来週の火曜日だよ」
 25年前と同じ声が、テーブルを飛び交っていた。
「いつみんなで飲める?」
 そう云いかけ、僕はビールのお代わりをした。
<取材 アライ@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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大江戸八百八町 花の舞
住所 東京都墨田区横綱1ー3ー20
電話 03ー5619ー4488
交通 JR総武線両国駅西口すぐ
   都営大江戸線両国駅よろ徒歩6分
営業 11時30分から14時 16時から24時
定休日 無休
ひとり3千円くらいでした。飲んだー。
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撮影 田原慎一

北千住『すし谷』(東京)ラブホでお寿司。

100パーセント勇気!12188592_919511751474690_96659963_n

「ひとりじゃイケないから、お願い」と、モーちゃんが云った。
「でも、ラブホはないよぉ!」
 フリーラーターのモーちゃんの取材のお手伝いだ。聞いてみるとラブホの取材だと云う。
「なにするわけじゃないしさ」
「当たり前じゃない」
 結局、カオリはバイトすることに。面白そーだしね。

「へぇ、こんな風になってるんだ」
 モーちゃんは、コートを脱ぎ派手な赤いソファーに座って云った。細身のブラックジーンズに、ストーンズのTシャツを着ている。
 モーちゃんが雑誌社に持ち込んだ『ラブホのグルメ』という企画だった。最近、ラブホテルはちょっとした居酒屋になっているらしいのだ。
「テーブルの上に、メニューがあるよ」と、カオリが云った。
 チューハイ、ワイン、ビール、ほっけ、ピザ、唐揚げにおでん。ちょっとした居酒屋メニューだ。

 モーちゃんが、電話でビールとピザとおでんを注文した。
「カラオケ屋みたいだね。ほら、マイクもふたつあるよ」と、カオリが云った。
「歌っていいよ」
「歌わない」
 カオリはそう云うと、ベッドに大の字になった。なかなか気持ちいい。
「フロントでカップルとすれ違ったでしょう。ふたりに変な顔されて、顔から火がでそうだったよ。絶対、レズカップルだと思われてる」
「ちゃんと、オーナーに取材許可取ってるんだからヘーキよ」
「男の友だちと来れば自然だったんじゃない?」とカオリが訊くと、
「変な気分になられても困るからねぇ」
 モーちゃんがしなを作ってウィンクをした。色っぽいじゃないか。
 チャイムが鳴った。玄関に行くと、小さな窓がありそこからビールとピザを受け取るようだ。ホテルの従業員と顔を合わさないようになっているらしい。
「もーちゃん、服があるよ」
 ビールとピザの他に、服が2着置いてあった。
「ミニスカポリスと、アニメのコスプレ頼んだんだよ」
「どーすんのこれ?」
 カオリがビニール袋から出して、広げながら云った。ピンク色のアニメのコスプレだった。
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「着るのよ。もちろん」
「もーちゃんが?」
「かおりんが」
 それはちょっと。と、断ったけど、顔は撮さないからと押し切られ、結局、着ることに・・・。非日常で面白そーだったし。
 結経、ホテルを3つ、コスプレも3つ(着て)取材をした。どこもきちんと美味しかったし、非日常を楽しむ工夫をこらしている。いけてるホテルばかり選んだんだろうけど、知らない間に、恋人たちの楽しみ方も変わってきてるのだぁ。と、カオリは思った。

 最後は『すし谷』である。
「ここ入るのに勇気がいるでしょう?」と、もーちゃんが云った。
「もう、慣れたよ」
 さて、4軒目のラブホである。
「ここラブホを居抜きで寿司屋にしたお店なんだよ」
 なんて入りずらい寿司屋なんだ。大丈夫なの? と思う。
 入り口はラブホだけど入ると寿司屋だった。店内に、提灯が飾ってあるけど、内装はやはりラブホだ。うーん、そこがいいのかなぁ・・・。
 カウンターに座り、とりあえず、今日の取材にビールで乾杯!!
「ここも、取材するの?」と、カオリが訊くと、
「もちの、ロンよ」と、モーちゃんが答えた。
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 盛り合わせが来た。トロにたまご、数の子なんかだ。
「まだ、ラブホで食べてる気分ね」
「やめてくれないカオリ。そのレズっぽい会話」
 たまごをつまんで食べると、旨い。ちゃんとお寿司屋のたまごの味がした。
 カップルの客がふた組、これからラブホに行くのかも。とか、考えてしまう。ここは、一緒に来る人を選ぶ店だと思う。
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 トイレに行くと、やっぱいラブホだよなぁ。絶対、寿司屋にブラックライトで照らされたトイレはないよ。居抜きかぁ。
 とはいえ、なかなか奥が深いぞ、北千住!
 カオリは、そう思いながらビールをお代わりした。
<取材 アライ@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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すし谷
住所 東京都足立区千住1ー32ー2 SSビル1F
電話 03ー6806ー1370
交通 北千住駅から徒歩2分
営業 17時から翌4時
定休日 日・祝・年末年始
ひとり2千円くらいでした。
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撮影 田原慎一

赤羽『丸健水産』(東京)23区唯一の地酒でせんべろ!

出し割りで、通のイッパイ!12204923_919094351516430_1168723883_n

「雑誌に出ない?」
 フリーライターをやっているモーちゃんから連絡があった。
「どんななの」
「エプロンつけてニッコリ笑ってればいいやつ。助っ人にお願い」

 なんだ、頭数をそろえたいだけか、と思ったけど面白そうだから、出るよ。いつ? と、バタバタと出演が決まった。『美STORY』という雑誌だという。
「わたしでいいの?」
「カオリって、マシュマロみたいなイメージでしょう。ピンクのエプロンが似合うって云うか」
「なんだか分からないけど、やる」
「サンキュー。美味しくて、暖かいモノをご馳走するよ」
 そういえば昔、雑誌に出たことがあったな。と、カオリは思い出していた。あの時は、付き合っていた彼氏の紹介だった。でもあれ? 誰だっけ? 
 月曜の午後、撮影現場に着くと、モーちゃんが迎えてくれた。
「本日は、ありがとうございます」
 なんて、仕事モードの話しぶりだ。
 てきぱきとエディターや、スタイリストを紹介してくれ、早速、ヘアメイクである。
「村上さんにマシュマロみたいにお願いって、頼まれてるのよ」と、スタイリストが微笑みながら云った。モデルみたいな格好いい女性だ。細身のブラックジーンズに、白シャツを着ていた。ショートカットがよく似合っている。
「よろしくお願いします」
「今日は、オシャレを楽しみましょう」
 モデルになった気分だった。鏡の中で、いつもと違う自分になっていくのが面白かった。
「可愛いわ。自信を持ってマシュマロできあがり」
 カタくならないでね。と、ポンと肩を叩いて彼女に送り出された。
 モーちゃんが、撮影現場で手を振っていた。
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「今日は、ありがとう。疲れた?」
 電車に揺られながらモーちゃんが云った。
「あっという間に終わった感じ。どこ行く」
「赤羽に、前、取材した店があるんだ」
 店は、赤羽駅から3分くらい歩いたところにあった。

「ここ」
「立ち飲みおでん屋じゃん」
「美味しくて、暖かくて、安い。ホント旨いんだよココ」
 おでんセット2つと、お酒をモーちゃんが頼んだ。
「はんぺんと牛すじも美味しいの。おじさんある?」と、モーちゃんが云った。
「あるよ。お姉さんたち、初めてかい?」と、店員のおじさんが訊いた。
「この娘は初めて」
「じゃぁ、出汁割飲まないと」と、おじさんが云った。
「これ東京23区唯一の蔵元の酒なんだよ。赤羽の地酒、丸眞正宗」
「モーちゃん酒飲みだからねぇ」
 お酒とおでんが来た。確かに暖かくて美味しい。で、安い。
「カップ酒、おでんにばっちりだね」
 絶対、せんべろだと思う。
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「酒が50CCくらいになったら、おでんのだし汁を足して七味をたっぷり掛けて飲むの。美味しいの」と、もーちゃんが教えてくれた。
 やってみると、体が暖まるし、カップ酒が魔法のように美味しく変わった。ふぐのひれ酒とは違うけど、同じく美味しいスープを飲む感じだ。
「わたし、おでん屋でカップ酒の立ち飲みが合ってるみたい」
「立ち飲みおでんな感じって『美STORY』では、ないから」
「じゃぁ、次はせんべろモデルで」
「オーケー」
 モーちゃんとわたしは2杯目を注文し、乾杯をした。
<取材 カオリン@もつ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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丸健水産
住所 東京都北区赤羽1ー22ー8
電話 03ー3901ー6676
交通 JR赤羽駅から徒歩3分
営業 10時から21時
定休日 第3水曜日
せんべろ屋です。
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撮影 田原慎一

浅草『大成苑』(東京)浅草下町純情焼き肉屋。

学生の頃から通ってる
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 高校生の時、初めて女の子とデートした時にさ、ふたりで映画を観たんだよ。ハルカって云う娘。僕はクラスで一番可愛いと思っていたんだ。で、勇気を出して電話をかけて映画に誘ったんだ。『スターウォーズ 帝国の逆襲』ってやつ。

 僕は、1時間も前に約束の場所に着いて、文庫本を読んで待ってたんだ。たぶん小林秀雄とかそんなのだったと思うよ。
 ハルカは30分くらい遅れてきたんだ。
「ごめん、待った?」
「ぜんぜん、僕は本があればいくらでも待てるんだよ」
 さすがに、1時間半待つのは大変だったんだけどね。ハルカの顔を見ると、そんなことはもうどうでもよくなってたんだよ。
 
 映画館では、ドキドキだった。
 何かの拍子に手が当たると『手くらい握った方がいいんじゃないか』とか思うわけだよ。結局、そんなことはできやしないんだけどね。たまに彼女の横顔が綺麗だな、と眺めたりしてたから映画の内容は良く覚えていないんだ。
 何年か後、テレビで放映された時に、こんな話だったんだ。と、気づいたくらい。
「あ、ビールと、ロースとヒレください」
 携帯電話がなかったから、誘うのも大変だったよ。電話したら親が出るからさ。お母さんや姉さんならまだいいんだ。お父さんが出てこられると、何云っていいか分からなくなるし切りたくなるね。実際、一度、切ったことがあるかな。
 あーあるね。
 なぜ、こんな話をするかって? 
 映画が終わったら、ここにハルカとご飯を食べに来たからさ。マクドナルドにしようか、迷ったんだけど『大成苑』に、さ。
 友だちとたまに来てたから、ちょっとした馴染みだったんだよ。焼肉屋じゃなくて、マクドナルドにしとけば良かったって、今なら思うよ。
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 よくさ、深い仲になった男女が焼肉屋で食べるって云うでしょう。
 僕は、最初のデートで来ちゃった。何を食べたかは覚えてないよ。お金もなかったし、きっと、安い肉とクッパ・・・。基本、高校生はご飯と安い肉だよ。
 ハルカは焼肉屋に来たのは、初めてだって云ってたなぁ。本当かどうかは知らないけど、たぶん、喜んでたと思う。クラスメートの話とか、先生の話しとか、部活の話しとか延々話してた。その時の、ハルカは素晴らしく可愛かったんだ。
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 僕は、ビールをひちくち飲んだ。
 その時はビールなんか飲まないよ。水? コーラかな?
「クッパください」
 ハルカと食べた懐かしいクッパだ。
 ハルカはどうしてるかって?
 高校を卒業してからは、一度しか会ってないな。すれ違っただけ。で、挨拶程度だったな。なんか、ハルカ変わってたし。
 ここは、変わらないなぁ。今でも、浅草に来ると足がむくんだ。こうしてさ。オマエとも会えるし。
 アライはどうしてる? ずいぶん会ってないな。ハルカとアライつき合ってたのかな。え、オマエ、アライの携帯知ってる?
 ハルカとアライも呼ぼうって、悪い冗談だ。
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「ビールお代わりください」と、僕が云った。
 会いたいとは思うよ。正直言って。
 おいおい、電話するのはやめろって。馬鹿だな。僕は出ないよ。
 アライが来る? ハルカも?
 もう、どうでもいいや。ビールお代わり!!
<取材 アラピー@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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大成苑
住所 東京都台東区浅草2ー13ー13
電話 03ー3841ー5544
交通 つくばエクスプレス浅草駅A2口から徒歩3分
営業 12時から翌2時(月曜から日曜)
ひとり3千円くらいでした。せんべろじゃないけど旨い懐かしい焼肉屋さん。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

北千住『千両』(東京)昭和50年より同じ値段。

探偵物語。12071838_908313112594554_125222485_n

 北千住の『千両』に着くと、
「ねこちゃん元気?」と、チヅルが云った。
 チヅルが造った招き猫のドアストッパーである。ドアストッパーには大きすぎ、扱いにくい。どこか顔がチヅルに似ていた。

「鍵は、なくしてないだろうな」と、アライが云った。
「当たり前じゃない。持ってると、メシ奢ってもらえるもん」
「いま、持ってる?」
「隠してある」
「なんで」
「わけありの鍵なんでしょう?」
 アライは、黙って、ジッポウでハイライトに火をつけた。

「中落ち、葱とろが、昭和50年から同じ値段って書いてるよ。これって、昔から安いってこと?」
 店の壁に大きく『目玉商品』と張り紙があり、中落ち、葱とろ、350円と書いてった。
「たぶんだけど、いまの時代なら倍の700円ってとこかな。昭和50年頃だと山手線の初乗りが30円だった」
 チヅルは、生ビールをお代わりした。それと、中落ちと葱とろも。
「ずいぶん、詳しいのね」
 もちろんチヅルは生まれていない。遠い、昭和のおとぎ話くらいに思っているのかもしれない。
「国鉄に乗って、学習塾に通ってたからな。俺、中学受験したんだ。落ちたけど」
「ふーん」
 チヅルは、興味がないらしい。ずいぶん昔のことだし、おじさんの昔話にはつきあえないってことだろう。
 中落ちが来た。ひとくち食べるとちゃんと倍の値段の味がした。やるじゃないか、千両。
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「鍵のことなんだけさ」
 チヅルが言いかけたのを遮って、アライが話し始めた。
「感謝してる。黙って、隠し持っといてくれると嬉しい。ギャラも払うよ。わけありの友人が困ってて、預かっているんだ。で、面倒なやつらが欲しがってる。事務所を家捜ししそうな馬鹿どもだ」
「ふーん。面白そうだからいいけど、代わりに私の絵を高く買ってくれると嬉しいな」
「オーケー、事務所の壁に飾ろう」
 取引成立である。
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 三日前、刑事だと名乗る男が事務所を訪ねてきた。身分証明書を見せたから偽刑事じゃない。張という刑事だった。
「こいつを知っているか?」と、張は写真を見せて云った。
 オクムラの写真だった。
「知り合いだが、なにかあったのか?」
「まだ、なにも、元奥さんが亡くなって、姿を消してる。ただ、それだけだ。あんたは、オクムラに雇われた探偵だろう?」
「保険の調査員だ。探偵はやってない」
「どうでも、いい。今日は、俺ひとりできてる。ややこしいことにはしたくないんだ。やつの居所が知りたい。何か言ってなかったか?」
 アライは、いつものようにコーヒーを立てた。
「飲むかい?」
「ありがたいね」
 そう云うと、張はタバコの火をつけた。
「コーヒーには、タバコが必要なんだ」と、張が云った。
 マグカップにたっぷりコーヒーを入れ、アライは張に渡した。
「奥さん、他殺なのか?」
「さぁな、でも、オクムラが姿を消してる。親父さんが激怒しているらしい」
「とにかく、俺は知らない」
「たれ込みがあったんだ」
 鍵のことだった。ギャングたちも必死なんだろう。刑事を使って探りをいれているらしい。
「コーヒー旨かったよ。また来る。面倒を俺たちにかけるな」
 そう云うと、張は部屋を出て行った。
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「オトナの居酒屋って感じ」と、チヅルが云った。
 サカナが旨かった。20代のチヅルには、客層がオトナに見えるのだろう。おじさんばかりなのだ。
「アライのところで雇ってよ」
 チヅルはマールボロメンソールを吸いながら云った。バイト先の居酒屋で配っている派手なライターが、タバコの上に乗っていた。最近、昼のバイトも探していると云っていたのを思い出していた。俺のところは、ごめんである。とても、役立つようにも思えないし・・・。
「そんな余裕はない」
「鍵、捨てるよ」
 やりかねなかった。ここにも面倒なやつがひとり。
 結局、事務所の電話番に雇うことになった。壁の絵が出来上がるまでの限定でだ。
「契約成立!!」
 仕方なく、アライはチヅルと乾杯をした。やれやれ。
<取材 アラピー@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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千両
住所 東京都足立区千住2ー52
電話 03ー3870ー2415
交通 北千住駅北口から徒歩5分
営業 17時から24時
定休日 日・祝
ひとり二千円ちょい。
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撮影 田原慎一

浅草『ぽんぽこ』(東京)駄菓子屋のもんじゃ。

「もんじゃはシンプルじゃねぇと、いけねぇ」12083734_908313855927813_1146495214_n

 と、風楽さんが云った。
 風楽さんは、三代続く江戸っ子で浅草に住んでいる。話し方が落語家風で、なんとも面白い人物である。風楽さんと会うのは、久しぶりだった。
 うまいもんじゃで飲みたい、と僕が云うと、じゃぁ浅草の『ぽんぽこ』で飲もうや、となったのである。

 僕が、物書きやってると云うと、
「そりゃすげぇや、おいらなんか、文章からっきしダメで、もう、何年も書いてねぇからよ。ところで、なんで浅草にいるんだい? いまさら、観光ってのもねぇだろうし、そうだ、オンナかい。オンナだろ。そうか、いいねぇ〜。おいら野暮は云わねぇよ。ちょいと、電話でもしてここに呼べばいいんだよ。しみったれた店も華やぐってもんだ。電話しなよ。電話」
 そう云うと、風楽さんは扇子を出して、パタパタと扇いだ。どうも、忙しない。自分が連れてきて、しみったれた店もないだろう。
 どうしたら、こんな人物ができあがるんだろうと、不思議に思う。さすがに、着物に羽織りじゃないけど、今着てるジーンズにシャツより、ずっと似合いそうだった。
 久しぶりに風楽さんと飲みたかったから来た、と僕が云うと
「嬉しいこといってくれるねぇ。ちょいと、店員さん、もんじゃとビールふたつ。もんじゃはベビースターラーメンの入ったやつで、卵ぬきで」
 オススメの『下町もんじゃ』である。ベビースターと卵と書いてあるけど、卵ぬきが風楽さん流らしい。
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 店員が、もんじゃをさっと鉄板に広げた。焼けた鉄板から湯気がふわっと上がる。風楽さんがもんじゃ奉行だ。
「こうやって、ほら、端がパリッと焼けたとこが旨いんだよ。出汁は、ベビースターラーメンでさ。子どもの頃、駄菓子屋の店先で食ってたんだけど、あれもなくなったねぇ。目白の鬼子母神あたりの駄菓子屋にも、残っているのかい? 今はどうだろうねぇ。ありゃ古いらしいよ。日本最古の駄菓子屋だってぇじゃねぇか。お上が、店先で、もんじゃ焼いちゃいけねぇってんで、寂しくなっちまったねぇ。おっと、ビールが来ちゃったよ、先に乾杯だ。乾杯」
 鉄板で、もんじゃが泡立っていた。具が何もないもんじゃに、ベビースターラーメンを乗せて焼くのも、子どもたちの工夫だったのだろう。東京の子どもたちが駄菓子屋で食べた、チープな食べ物だけど、それぞれのこだわりもあるようだ。
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「これはこれでいいだけど、ドンっと腹にたまるやつもいきたいね。おいらたちは、オトナなんだしさ。しみったれた食い方してたら、笑われるよ。肉はあるかい? 何、鶏がある。アスパラもついてる? いいねぇ。じゃぁ、それを大盛りでお願いしようかね。あんたも、沢山食うだろう? そうか、食うかい。よしきた、そいつをドンとお願いして、チューハイもいただこうか」と、風楽さんは云った。
 もはや、僕には落語にしか聞こえない。
「風楽さんは、ずっと、そんな風なんですか?」
「落研時代から、ずっとこれさ。みんなも面白がってくれるし、おいらも話しやすいんだよ。直せねぇ方言みたいなもんさ。普通に喋れねぇのかい、って、今さらいわれても、だいたい、気持ち悪いじゃねぇか。おや、そこ、焦げたところが旨いんだ。ぐっといってくれ。店員さん、ビール、こちらお代わりだよ」
 風楽さんの仕事は、行政書士だった。書類さえきちんと作れば、話し方なんか落語風でいいんだろう。たまに、講師で呼ばれたりして、業界では人気者らしい。そりゃそーだろう。
「えー、いっぱいのお運び、まことに、ありがたいことでございます。士業ってぇと」とか、講師で話しているのが目に浮かぶようだった。
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「箱根の山は越えたことねぇけど、今度、大阪にも寄させてもらうよ。あっちは、てっちり、鯖の押し寿司、コナモン、祇園で、小股の切れ上がったいいおねーちゃんと飲みたいねぇ」
 もはや普通に話せない風楽さんが、可笑しい。
 大学時代の友人の消息を話したりと、あっという間に時間が過ぎていった。
 このまま別れるのも名残惜しく、もう一軒行こうや、となり、風楽さんとの浅草探検は続くのだった。
<取材 アラピー@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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もんじゃ・お好み焼き ぽんぽこ
住所 東京都台東区浅草1ー16ー7 YUビル2F
電話 03ー5603ー4454
交通 地下鉄銀座線浅草駅より徒歩5分
   東部伊勢佐木線浅草駅よろ徒歩5分
   つくばエクスプレス浅草駅よろ徒歩3分
営業 12時から21時
定休日 火曜日
ひとり二千円いかないくらい。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
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         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
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      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
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会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
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撮影 田原慎一

赤羽『串かつ でんがな』(東京)赤羽でんがな、まんがな。

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「大阪の人って、でんがな、とかいうのかしら」と、カオリが云った。
「いわないよー。従姉妹が大阪に住んでるけど、そんな話し方しないもん」と、ショウコが云った。

 いつもは浦和せんべろ探検隊なんだけど、赤羽に野暮用があって、ついでにせんべろ探検をしようと、カオリとショウコは彷徨っていた。
「行ったことないから分からないけど、大阪ってかなりディープな印象」と、カオリが云った。
「赤羽だって、ディープだよー」
 そう云うと、ショウコは立ち止まって、電信柱に掛けて宙づりになっている自転車を指さした。
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「ほら、こんなの赤羽にしかないよー」と、ショウコが云った。
「いや、赤羽にだって、そうはないと思うよ」
「日本にない?」と、ショウコが云った。
「ここは、特別なのかも・・・」

『ブラジャーで乾杯 Aカップ650円 Bカップ700円 Cカップ750円』と、書いてある張り紙があった。
 どういう意味なんだろう? とカオリは思った。
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「この店、怖くない?」と、カオリが云った。
「わたしは、バリバリのBカップだな」と、ショウコが笑いながら云った。
「わたしも700円。でも、へんなオッサンに絡まれそー」と、カオリが心配そうに云った。
 どうやら焼き鳥屋のようだったが、入る勇気はなかった。客層が怖いじゃないか・・・。探検隊だから、危険な場所も避けられないけど、今回は、やめておく。やっぱ、怖いよー。
 却下である。
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「大阪名物、串かつどて焼き、串かつでんがなってのが、あるよ」と、ショウコが濃そうな店を見つけた。

「やっぱり、でんがな、云ってるじゃん」と、カオリが云った。
「いや、たんなる看板だし」
 昼間から飲めるらしい。二度づけ禁止のソースもある。話しには、聞いていたけど、大阪はかくや、と思われる店である。
「店員に儲かりまっか? って云いたくない?」と、カオリが小さな声で云った。
「恥ずかしいからやめてよ」
「儲かりまっか」と、カオリが店員に云った。
「ぼちぼちでんなぁ」と、店員がおどけて云う。
「いや、云わないって」と、ショウコが笑った。
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 とりあえず、生ビール。で、乾杯!!
「だいたい、てやんでぃ、べらぼうめ、って人いる?」と、ショウコが云った。
「そりゃいないよ。江戸時代だそりゃ」
「大阪も同じだよ。儲かりまっかは、江戸時代やで」
「なんで、ショウコ大阪弁なんや」
 いつの間にか、ふたりの会話がインチキ大阪弁になっていた。
「ショウコ大阪弁上手やね」
「吉本好きやからな」
「そーやったん。福山くんが好きや云うてたやん」
「結婚してしまったなぁ」
 そう云うと、ショウコは残念そうにビールをひとくち飲んだ。
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「どて焼きもええで」と、ショウコが云った。
 で、どて焼きも頼む。と、同時に、串かつがドンっと山盛りで目の前に来た。ディープ大阪を旅しているようで、得した気分。と、カオリは思った。
 ソースをつけて、大口を開けてカオリがパクッといった。
「美味しい。ビールがすすむやん」と、ショウコが云った。
「ビールがすすみまんがな」と、カオリが云った。
「そんな人いないよー」
「明石家さんまが云ってたよ」
「あれは、漫才師や」

 『串かつでんがな』で、食べると大阪弁になるのかもしれない。と、カオリは思いながら、大阪気分をディープ赤羽で楽しんでいた。大阪なのか赤羽なのか・・・。
 ああ、ややこしや。
<取材 かおりん@モツ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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串かつ でんがな
住所 東京都北区赤羽1ー15ー1 新仲ビル1F
電話 050ー5868ー1561(予約専用)
   03ー5249ー4011(お問い合わせ専用)
交通 赤羽駅北口から徒歩3分
営業 12時から23時30分
定休日 無休
せんべろでした。
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北千住『徳多和良(とくだわら)』割烹くずれ。

みんな割烹くずれって、呼んでるよ。12077199_906994599393072_561509058_n

「地元、最強の立ち飲み屋に連れて行ってよ」と、チヅルが云った。
 チヅルは、北千住のバーでバイトしているアライのガールフレンドだ。画家になりたいらしく、絵やイラストを描いている。
 突然、アライの事務所に現れて、コーヒーを勝手に入れ長椅子に寝転んで雑誌を読んでいたり、チヅルは外猫のような感じで、アライの事務所に出入りしていた。
「絵は売れた?」とアライが訊くと、
「ゴッホだって、死ぬまで一枚も売れてないよ」と、チヅルが云った。
 売れてないらしい。
 今日は、午後から彼女が電話番をしてくれていた。晩ご飯をイッパイ奢る約束でだ。
「ちょっと待って、電話一本かけたら、店じまいするから」と、アライが云った。
 腕時計を見ると、4時過ぎだ。飲むには早かったが『徳多和良』なら、この時間でもやっている。それに、何より、安くて旨い。
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 すでに、店には行列ができていた。
「どうする?」と、アライが訊くと
「折角だし」と、チヅルがスマホをのぞき込みながら云った。
 しびれを切らしたのか、4人連れが行列を離れてどこかに消え、二人は割とすんなり店に入ることができた。中では、20人くらいが立って飲んでいた。若い女性客も数人いる。
「なんで割烹くずれ? 看板にはくずしってあったよ」と、チヅルが云った。
「割烹屋で働いてたんですよ」と、店主が云った。
「だからネタが旨いんだ」と、アライが云った。
 生ビールを店主に2つ頼む。鯛の刺し身とアスパラも。
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「バリ島に行ってたんだ」と、チヅルが云った。
 まずは乾杯!! 喉が乾いていたから、ビールが旨かった。たちまち、お代わりを頼む。
「軟らかい石があってさ」
「軟らかい石? バリに?」
「簡単に削れる石。暇だったから、その石で招き猫を作ってみたの。その招き猫がいい感じで、ホテルの庭に飾って置いてたのよ。するとさぁ、招き猫の前にお供え物がしてあるんだ。二、三日で、もう、いっぱい」
「そいつ神様になったの?」
「そうね」と、云うとチヅルは二杯目のビールを飲み干しお代わりした。
「あたし招きの猫作るの天才かも、って思って日本で売れないかなと、実は、もう二体作ったんだ。アライ、一番の客になってよ」
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「飾る場所なんかねぇよ」
「ドアストッパーにすればいいじゃん」
 結局、チヅルに押し切られ、仕方なく買うことになった。
「値段は?」と訊くと、
「お布施でいい」と、訳の分からないことを云われる。
「立ち飲みは初めて?」と、アライは訊いた。
「初めてだよ。お嬢だからね」と、チヅルが云った。
 親が何をやっているのか興味はないけど、実家は白金にあるらしい。本当にお嬢なのかもしれない。
「実は、頼みたいことがあるんだ」と、アライが云った。
「いいよ」
「鍵をひとつ預かって欲しい」
「オッケー、次の飲み代にしとく」
 アライは、オクムラから預かった鍵をチヅルに渡した。

 数日後、チヅルからドアストッパーが届いた。
 大きな招き猫だ。
「ろくでもないことは、招かないでくれよ」
 アライはコーヒーを入れながら、その招き猫に云った。
<取材 アライ@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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徳多和良(とくだわら)
住所 東京都足立区千住2ー12
電話 03ー3870ー7824
交通 北千住駅から徒歩7分
営業 16時から21時
定休日 日・月・祝
せんべろ屋です。
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浅草『浅草ちゃんこ場』(東京)お相撲さんとちゃんこ。

「お相撲さんが料理すると、なんでもちゃんこなんです」12047519_902815579810974_2041892429_n

 と、セッキーが云った。セッキーはもと力士で、いまは、いろいろあって親方をやっている。
 久しぶりに浅草で会って、飲もうとなった。
「なんでもいいっす」とセッキーが云うから、
「じゃぁちゃんこ場へ」と僕が誘ったのである。
「え、ちゃんこ屋ですか」
 セッキーは、そんな顔を一瞬したけど、すぐに納得してついてきた。身長が185センチもあり、体もでかい。赤いジャージにセッタをはいてる姿は、見るからにお相撲さんだ。髷はもはや結っていないけど。
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 店に着くと、もと力士のタッシーが迎えてくれた。ちゃんこ場はタッシーが料理長なのである。タッシーとかセッキーとか、ややこしやだけど・・・。
 畳の座敷に座り、まずは、ビールで乾杯!! セッキーと会うのは数年ぶりだった。
「お相撲さんって何が大変?」と、僕が訊いた。
「股割ですね。あれができなくて、やめちゃう人がいます」と、セッキーが云った。
「やってみせましょうか」
 セッキーはそう云うと、股を180度広げて座り、ビールを飲んだ。体が軟らかい女の子がやるのは見たことがあるけど、おじさんは珍しい。セッキーはなんてことないらしく、そのままの格好で座っていた。
「横綱と相撲とるのってどんな感じなの?」
「動きません」
「動かない?」
「そうです。でも、弱い力士と相撲をとるのもダメなんです。ちゃんとした相撲がとれなくなります」
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 ちゃんこ鍋をタッシーが持ってきた。
「ここで相撲とりましょうか?」と、タッシーが冗談ぽく云った。
 大男が狭い部屋で相撲なんか取られたら大変である。しかも、ふたりとも元力士である。
「大阪で食べた当たりつきのたこ焼き覚えてる?」と、僕はセッキーに訊いた。
「ひとつだけ辛いのが入ってるやつですね。覚えてます」
 難波の居酒屋でセッキーと飲んだ時のことだ。メニューにたこ焼きがあって、ひとつだけカラシがいっぱい詰まっている。それを食べたら負け、というゲームをふたりでしたのだ。
 4回やって、僕が4回とも負けた。
「勝負事なら、負けません」と、セッキーが胸を張って云ったのを覚えている。
 僕とは違う世界で生きているんだな、とその時、僕は思った。でも、現役じゃなくなったから、今なら勝てるかも知れない。どうだろう?
 そんなことを考えていたら、
「今でも負けませんよ」と、セッキーが云った。
 なんだか可笑しくなって、僕は笑った。
「僕が考えてること分かったんだ」
「なんとなくです」
 そういうと、セッキーはビールをお代わりした。

「大阪場所で、また、勝負しましょう」と、セッキーが云った。
 たこ焼き勝負である。
「確率で云うと、今度こそ勝てると思うよ」
「勝負は確率じゃないんですよ」
 そう云うと、セッキーは笑った。不適な笑いだった。
 どれくらい飲んだだろうか? もう、食べられないと思ったくらいに、
「次の店に行きましょう」と、セッキーが云った。
 もはやくるしいけど、浅草せんべろ探検は続く。
<取材 ジュンイチ@八木商店 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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トンテキ元気×浅草ちゃんこ場
住所 東京都台東区西浅草2ー27ー10
交通 つくばエクスプレス浅草駅より徒歩3分
   銀座線田原町駅よろ徒歩8分
定休日 無休
ひとり三千円くらいでした。飲み過ぎ。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@元女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
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掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一
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