行け! せんべろ探検隊。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

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難波

難波『グリル南風』(大阪)ランチの女王。

老舗洋食屋でワイン。IMG_4955

 もう、ずいぶん昔だけど、ランチの女王というドラマがあった。確か、フジの月9だったと思う。主演は、竹内結子と江口洋介である。
 ランチが大好きな麦子(竹内)が、ひょんなことから洋食屋『キッチンマカロニ』で、住み込みで働くことになるラブコメディーだ。家族経営の洋食屋で、格好いい男たちに囲まれて物語は進んでいく。
 
 何がいいかって、出てくる下町の洋食屋さんの料理である。もちろん、ストーリーも楽しめるけど、料理が僕には魅力的だった。
 何しろ『ランチの女王』に出てくるキッチンマカロニのレシピが載った本を買ったくらいである。
 ドラマの中で、特にこだわっていたのはデミグラスソースである。親父(若林豪)秘伝のソースだ。
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勇二郎(江口洋介)「普通、普通って言うけど、オマエの言う普通ってのが解らないんだよ」
純三郎(妻夫木聡)「だから、ケチャップのかかったオムライス」
勇二郎「それが普通ねぇ。じゃぁ、オムライスの中に何が入ってる?」
純三郎「そりゃ、チキンライス」
勇二郎「だろ。じゃぁ、そのチキンライスは何色だ?」
純三郎「赤っぽい感じっていうか・・・」
勇二郎「なぜ赤い?」
純三郎「それは、ケチャップを使っているから」
勇二郎「中ですでにケチャップを使っておいて、外側にもケチャップをたらす。それがどうして普通の状態なんだ」
純三郎「そう言われてみれば」
勇二郎「パンツはいてストッキングはいて、その上からパンツはいてるオンナ見たことあるか? 普通はスカートだろう」
純三郎「まぁ・・・」
勇二郎「じゃぁ、ここでスカートに当たるモノは何だ?」
純三郎「デミグラスソースです」
勇二郎「あたり」

 なるほど。と僕も思った。
 でも、僕はケチャップをどばどばかけてしまうなぁ。
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 難波で『グリル南風』という洋食屋を見つけた。
 ランチの女王にでてくる『キッチンマカロニ』を彷彿させる店構えだ。大阪だけどね。店内も、まさに、キッチンマカロニである。
 僕はカウンターに座ってメニューを開いた。
 オムライス、クリームコロッケ、ハンバークなど、僕は少し迷って(迷うのも楽しい)日替わり定食を頼んだ。
 出来るのを待っている間に飲む、赤ワインも。
 常連らしき若い男性が、僕のとなりでビーフサンドを食べていた。ああ、これも食べたいな。とつい思ってしまう。
 カウンターの中では、ご夫婦と思われるふたりが手際よく料理をしていた。奥さんが盛りつける間、旦那さんが揚げ物をしていたり。
 亡くなった母親が、父と初めてデートしたとき、ハムエッグを食べたと言っていたのを思い出した。アルミの皿に乗ったハムエッグを、ナイフとフォークで食べたと言う。
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 ライスが来た。
 使い込まれたアルミ皿に盛られたライスの横に、福新漬けが添えてある。これじゃないと、老舗の洋食屋はいけない。
 日替わり定食も、どん! と大盛りである。
 オムレツにハム、エビフライなどなどが賑やかに並んでいた。
 ワインをひとくち飲んで、まずエビフライにいった。うまく言えないけど昭和の味がする。創業以来変わってないのかもしれない。
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 全部食べたら、きっとお腹いっぱいになるけど、えい! とビーフサンドも頼んでみる。余ったら、包んで貰えばいい。
 せんべろ屋じゃないけど、安くて美味しい洋食でイッパイやるのは、小幸福である。お気に入りの洋食屋を見つけるのもね。
 こんな店が近所にあるといいんだけどなぁ。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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グリル南風
住所 大阪府大阪市中央区西心斎橋2ー7ー4
電話 06ー6211ー2998
交通 地下鉄・近鉄難波駅から徒歩5分
営業 12時から21時(月から土) 12時から14時(日)
千円ちょいでワイン飲みながら楽しめます。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

難波『BBQスモーキー』(大阪)能と湯豆腐。

オペラとは違うんやな。IMG_4894

 と、佐々木が云った。
 先日、能楽師・辰巳満次郎氏の新作能『道頓』を観た帰りである。
「大がかりな舞台や演出はないよ。能は、いたってシンプルなんだ」と、僕が云った。
「東京の能楽堂で観たときは、3人で行って、3人とも寝てしまったんや」
「初めてじゃないんだ」
「能の音楽からアルファー波が出てるから、どうしても眠くなる。どこか遠くに連れて行ってくるような。気持ちよかったで」
「道頓はどうだった?」
「新作能は、実に興味深い」と、佐々木が云った。
 『キャベツ玉150円』と、看板を上げている店があった。道頓堀を見ながら飲めるらしい。僕たちは寄ることにした。
 お腹も減っていたしね。
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「春日大社の宮司さんを取材したことがあるんだ」と、僕が云った。
 僕たちがオープンエアの席に座ると若い男の店員が注文を取りに来た。
 風はなかったけど、寒い。冬は、もう、そこまで来ている。
「暖かいものがええな」と、佐々木が店員に云った。
「湯豆腐があります」
「それを」と、佐々木が云った。
 で、とりあえず生ビール2つと、僕は焼きそばを注文した。
「能も湯豆腐も、シンプルなんがミソや」と、佐々木が云った。
「なんで?」
「シンプルやと、美しいし、なにより伝えやすいやんか」
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「春日大社の宮司さんから訊いたんだけど、古代から引き継いでる儀式があるんだそうだ。それを次の後継者に伝える。真っ暗な部屋で、ひとりだけに。その時、何も加えちゃいけないし、簡略にしてもいけない。アレンジするなんてありえない。奈良時代から続く、奈良時代から続く原型がわからなくなるから」
 僕が、春日大社を取材した時のことだ。
「能も同じってことか?」と、佐々木が云った。
 湯豆腐の鍋が来た。店員がコンロに火をつける。
「今夜は冷えるな」と、佐々木が火を見ながら云った。
 僕たちは、ビールで乾杯をした。寒い。熱燗にすべきだったと思う。
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「自由に演じると、原型が解らなくなるんや。だから、昔、昔の日本語に忠実になろうとする。それが、現代人には鑑賞が難しい。麻婆豆腐は、湯豆腐ちゃうし」
 僕は湯豆腐を器に移し、ひとくち食べた。暖かくて美味しい。
 空を見上げると星は見えなかった。大阪の空は明るすぎるんだろう。冷たい風が頬をなでていった。
「ところがや。新作能は、可能性がいっぱいや。なにしろ、自分が観阿弥・世阿弥なんや」
「でも、寝ちゃったんだろう?」
「アルファー波は、流れてたみたいやな」と、佐々木は笑った。
 焼きそばが来た。暖かい食べ物がありがたかった。
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「道頓の亡霊は、今夜、来てただろうか」
 能の最中に、僕は空いている席をちらちらと見ていた。道頓いるかな、と。
「能は連れてくるゆうからな」
 堀川を見下ろす空席に、誰かがいるような気がしていた。
 ふと、安井道頓はんでっか?
 連れてきたのかもしれない。
 と、ビールを飲みながら誰もいない席を、僕はしばらく眺めていた。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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BBQ SMOKY(スモーキー)
住所 大阪府大阪市浪速区湊町1ー1ー31
電話 06ー6644ー0538
交通 なんば駅より徒歩5分
営業 16時から翌2時(月から木・日) 16時から翌4時(金・土)
定休日 無休
千円ちょっとでした。
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撮影 田原慎一

難波『赤垣屋』(大阪)大正12年創業のせんべろ屋。

初めての立ち飲み。IMG_2665

 立ち飲みという飲み方があるんだ。
 と、知ったのは『赤垣屋』でだった。

「芝居をするから、観に来てくれ」と、佐々木に誘われた時だったと思う。
 芝居小屋がどこだったか忘れたけど、始まるまで小一時間ほどあった。近くの喫茶店で本でも読んでいよう、と難波の街を歩いていると『赤垣屋』を見つけた。
 居酒屋のようだけど、みんな立って飲んでいる。立ち食いうどんみたいだな、と思ったのを覚えている。
 芝居が始まるまで、サクッと飲もう。と、僕は赤垣屋に入ってみた。

 中はおじさんでいっぱいだ(僕は20代だったからね)。
 今なら若い女性がひとりで飲んでいたりするけど、当時は、いやしない。
 僕は、ビールと、どて焼きか何かを注文した(と思う)。
 立ち飲みというスタイルが新鮮だった。
 僕は、しばらく飲んで、佐々木の芝居を観に行った。
 芝居中は、ウトウトと寝てしまい、佐々木には悪いことをした。ただ、面白い芝居だったと記憶している。内容は忘れたけど・・・。面白いところでは、目がはっと覚める。つまらなくなると、ウトウト。悪い、佐々木。
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 懐かしの『赤垣屋』に行ってみた。
 入ってみるとおっさんばかり。相変わらずである。女性はいない。ただ、店がキレイになっているように感じた。
「内装を変えました?」と、店員に訊いてみた。
「変えたのは、ずいぶん昔ですよ」
「いつ頃から、やっているんですか?」
「うちは大正12年創業だから、90年以上やってます」
 そんな老舗だったのか、と驚く。
 僕はあの時と同じ、ビールとどて焼きを注文した。
 素早く「どて焼き」と店員がカウンターに皿をトンと置いた。こんなどて焼きだったかな、とおぼろげな記憶を辿ってみた。七味をぱらっとかけひとくち。おでんのすじ肉のような感じである。そうそう、こんな感じだった。

 立ち飲み屋の起源を探ると、東京の神田にあった酒屋『豊島屋』が最初らしい。店先で田楽をツマミに樽酒を売ったのが始まりだという。
 江戸・元文年間の話しである。
 つまり居酒屋は、立ち飲み屋から始まったのである。実は、立ち飲みが由緒正しかったりする。
 ただ、関東は酒は座って飲む文化である。立ち飲みはそぐわない。一方、イラチがいる大阪は、さっと安く立ち飲みするのが好まれた。大阪に立ち飲み屋が多いのはこのためだと思う。
「はよ、出してんか」と、大阪人なら云いそうだし。

 立ち飲み屋じゃないけど、赤垣屋の近くにある洋食屋の自由軒は、創業明治43年である。この辺りは、古い店が多いようだった。おそらく洋食屋の自由軒は高級だったろうから、赤垣屋と棲み分けがされていたんだと思う。
 作家の織田作之助は自由軒。よっぱらいのおっさんたちは、赤垣屋である。
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 僕の隣に、若い学生がふらりと店に入ってきた。
 「ビールとどて焼きをください」と、彼は云った。
 あの時の、僕である。彼は、周りはおじさんばかりだと思っているだろう。
 たぶんね。
 僕は、串カツとビールのお代わりを注文した。
 ああ、僕も佐々木もおっさんになってしまったなぁ。人生は、どうやら思ったより短いらしい。えー、最近、気づいたんだ。遅すぎかな?
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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赤垣屋 本店
住所 大阪府大阪市中央区難波3−1−16
電話 06−6641−5111
交通 地下鉄なんば駅より徒歩5分
   南海難波駅から徒歩3分
営業 17時から23時(月から金)
   12時から23時(祝日の金・土)
   12時から22時(日・それ以外の祝日)
定休日 無休
千円ちょっとでした。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
日本全国で巡礼する隊員たち。

大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@婚活中 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
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撮影 田原慎一

難波『自由軒』(大阪)生卵とカレーとビール。

難波は、外国人でいっぱい。IMG_2688

 久しぶりに自由軒を訪ねようと思った。
 そんなに旨いか? と云われると、そうでもないけど自由軒の名物カレーは後を引くように思う。しばらくすると、食べたくなるもの。

 僕は御堂筋線難波駅を降り、人がごった返す商店街を歩いて自由軒に向かっていると、
「うわー! 映画みたい!」と、女の子が叫んだ。
 みんな下を見て立ち止まっている。
 見ると、小さなネズミが人の合間を縫って走っていた。
 ねずみが主人公のアメリカ映画『スチュアートリトル』とか『アメリカ物語』あたりのシーンにありそうだ。子ネズミは慌てて、路地の隙間に逃げ込んで見えなくなった。確かに映画っぽいと思う。
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 中国語が飛び交っているのに気づいた。難波の雰囲気が数年前とは、変わっているように思えた。アジア系外国人でいっぱいなんだ。
 自由軒には、並ばずに入ることが出来た。
 奥の相席である。
 僕は、名物カレーと生ビールを注文した。
 ここはいつきても変わらない。新宿の洋食屋『アカシア』に行くのと似ていると思った。アカシアは、ロールキャベツのシチューだけどね。
 と思っていたら、僕の周りは外国人だらけである。
 ベトナム系中国人と思われる6人家族と、白人の男性ふたり。
 中国語と英語が飛び交っていた。
 中国人たちは、ステーキやら海老フライやらを大量に注文していた。白人の青年もサーロイン・ステーキを食べている。
 いや、ここは名物カレーでしょう。と思ったけど、たぶん彼らは生卵が乗っているカレーが苦手なのだと思う。
 僕だって、お! っと初めは思ったからね。
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 子どもの頃、カレーは今とはずいぶん違う食べ物だったように思う。
 カレーというより、カレーっぽい。黄色いスープをかけた食べ物だ。
 自由軒の食べ方と同じように、よく混ぜて食べていたように思う。ウスター・ソースなんかかけてね。
 自由軒のカレーも
「どうせ混ぜるのなら最初から混ぜて出そう」と云うことだったらしいし。
 やはり、ソースをかけるのが作法だったりする。

 実家がキロという名前の紀州犬を飼っていて、当時の犬たちは残り物がご飯である。晩ご飯がカレーの時は、キロも混ぜたカレーを食べていたのを覚えている。
 カレーに味噌汁をかけさらに混ぜると(汁がないと食べづらかった)、大喜びで食べていたのを覚えている。おそらく、カレーの肉汁が旨かったのかもしれない。辛くもないし。
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 名物カレーが来た。
 スプーンで生卵をつぶし、混ぜる。混ぜ具合にコツがあって、ぐちゃぐちゃになってもいけない。ユッケを食べるときも同じ。
 向かいに座っている中国人の若い男が僕のカレーを写真に撮っていた。珍しいのだろう。僕だって珍しいのだから仕方がない。
 彼と目が合うと、笑って会釈をした。がたいのいい体に、ぴったりとした黒いTシャツを来てロレックスを腕に巻いていた。短く刈った髪をピンと尖らせている。
 でも、どこか垢抜けない。隣に座っている夫婦は、ご両親なのだと思う。お父さんそっくりだ。
 隣の白人の男性は、僕のカレーをちらっと見て小さく頭を横に振ったように見えた。写真は、撮らなかったけどね。
 やはり、カレーに生卵は「ない」のかもしれない。

 店は、入れ替わり立ち替わり客が出入りしていた。外国人の客も多い。
 自由軒を小説に登場させた織田作之助が、名物カレーを食べながら小説の構想を練ったらしいけど、今のこの混雑、混沌ぶりじゃぁ無理だと思う。
 彼が通っていた頃は、ずっと落ち着いた店だったかもね。

 名物カレーは、子どもの頃食べた、カレーを思い出させる。
 混ぜているのがそう思わせるのかもしれない。
 いつしか、僕はカレーを混ぜて食べなくなっていた。
 キロにもう一度会いたいな。と思い、僕はビールを飲む。
 スプーンでカレーをすくって食べると、キロがしっぽを振りながら、ガツガツ食べている姿を思い出していた。
 やはり、ここのカレーは後をひく。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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自由軒 難波本店
住所 大阪府大阪市中央区難波3−1−34
電話 06−6631−5564
交通 大阪市営地下鉄難波駅から徒歩3分
営業 11時20分から21時20分
定休日 月曜日
千円ちょいでした。お腹いっぱいです。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
日本全国で巡礼する隊員たち。

大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@婚活中 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
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