居ながらにして地方を食す、贅沢?
『鉄鍋餃子』という看板を見つけた。
「なんだろう?」と、サナエが云った。
「タイムサービスで、ビールが200円ってあるで」と、みーやんが云った。
つまり、タイムサービスのせんべろ屋である。鉄板餃子も気になるし、僕たちは『けいちゃん』に入ることに。
店内では、若いサラリーマンがふたりテーブルで瓶ビールを飲んでいた。テーブルに3本の瓶が並んでいた。ピンクのカーラシャツを着た男は、壁にもたれ掛けるようにして飲んでいたし、もうひとりも顔が赤い。ずいぶん、飲んでいるのかもしれなかった。
生ビールが半額なのに、なぜ、瓶ビール。差しつ差されつがいいのかもしれないけどね。
僕は白ワイン。みーやんは、赤。サナエは、ウーロンハイを頼んだ。
鉄鍋餃子と天ぷらも。
「最近、居酒屋ってスーパーみたいちゃう?」と、サナエが云った。
「タイムサービスのこと?」と、僕が云った。
「そうやねん。逆タイムサービスや。スーパーは、閉店間際が安くて、居酒屋は開店間際が安い。たまに、店員がタイムサービスの呼び込みをしているとこなんかスーパーっぽいねん」
確かに、最近、居酒屋のタイムサービスをよく見かける。
逆スーパーかぁ、なるほど。
ワインとウーロンハイが来た。千人の月見の宴に乾杯!! である。
「スーパーといえば。ずいぶん前だけど、お江戸の表参道でコピーライターの事務所やってたことがあるんだ。デザイナーとエディターとライターの友だち4人でね。
朝、電話を当番制にしてたんだよ。そうしないと、事務所に午前中誰もいなかったりするから。僕の当番で、デザイナーの電話を取ると『カンサイスーパー』の何某です。という電話がよくかかってきたんだ。
大阪人にとって、カンサイスーパーって関西スーパーや。なんで東京のデザイナーにチラシを発注しているのか、謎やった」
「せやな」
「山本寛斎っているやろ」と、僕が云った。
「デザイナーやな」と、サナエが云った。
「山本寛斎スーパースタジオを縮めて、カンサイスーパーらしい。半年くらい勘違いしてたんだ。僕は、ずっと、関西スーパーって刺繍の入った服を着て、ボールペンを胸に挿したおじさんが電話してきてるんだと思ってた」
「関西スーパーの山本さんだと思うで」と、みーやんが云った。
鉄板餃子が来た。丸い鉄板にそってグルリと餃子が並んでいた。
これが博多風らしい。
「シューマイもください。それとビール」と、みーやんがメニューを見ながら云った。
「タイムサービス終わりましたが」と、女性の店員が云った。
みーやんは、残念そうな顔をしてそれでも生ビールを頼んだ。生ビールが好きなのだ。ワインから行ったのが敗因である。10分差。タイムサービスは厳しいのだった。
「函館の友だちに会いに行ったとき『旨い店があるんだ』と、案内されたのが鹿児島の焼き鳥屋だったことがあるよ」と、僕が云った。
旨かったけど、函館まで来たんだから北海道のものが食べたい。
「地元の人は、いつもと違うもの食べたいやろ」と、サナエが云った。
「そーなんだ。みんな気を使ってくれるんだけど、地の食べ物にありつけないことがよくある。宮古島で、大阪十三の味というお好み焼き屋さんに案内されたり。大阪から来たというので、気を使ってくれてるんだけどね」
「ネタなの?」と、サナエが云った。
本当である。
盛岡で秋田郷土料理の店に案内されたこともある。同じ東北だけど。そういえば、会津から来た吉川さんと宮崎地鶏の店で飲んだような気もする。
とすると僕もやっているようだった。
さすがに、喜多方ラーメンには行かなかったけどね。
都市に住んでると、地方の食がなんでもある。でも、そこでしか食べられないから、価値があるってもんなんだよなぁ・・・。
贅沢って手間をかけることだ。お金をかけることではなく、手間をかける。最近、僕たちは贅沢ができなくなっているように思う。便利だからね。なんでも。 せんべろだって、やり方次第では、贅沢なのだ。たぶん。
<記事 大阪せんべろ探検隊 紙本櫻士@コピーライター>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
居酒屋 けいちゃん
住所 大阪府大阪市天王寺区生玉町1ー30
電話 050ー5589ー0297(予約)
06ー6772ー2058(お問い合わせ)
交通 大阪市営地下鉄線谷町九丁目から徒歩すぐ
営業 11時から14時30分(月から土)
16時から24時(月から木・日曜日)
16時から翌3時(金・土・祝前日)
定休日 不定休
ひとり、二千円いかないくらい。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
日本全国で巡礼する隊員たち。
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
隊員 サナエ@婚活中 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一
『鉄鍋餃子』という看板を見つけた。
「なんだろう?」と、サナエが云った。
「タイムサービスで、ビールが200円ってあるで」と、みーやんが云った。
つまり、タイムサービスのせんべろ屋である。鉄板餃子も気になるし、僕たちは『けいちゃん』に入ることに。
店内では、若いサラリーマンがふたりテーブルで瓶ビールを飲んでいた。テーブルに3本の瓶が並んでいた。ピンクのカーラシャツを着た男は、壁にもたれ掛けるようにして飲んでいたし、もうひとりも顔が赤い。ずいぶん、飲んでいるのかもしれなかった。
生ビールが半額なのに、なぜ、瓶ビール。差しつ差されつがいいのかもしれないけどね。
僕は白ワイン。みーやんは、赤。サナエは、ウーロンハイを頼んだ。
鉄鍋餃子と天ぷらも。
「最近、居酒屋ってスーパーみたいちゃう?」と、サナエが云った。
「タイムサービスのこと?」と、僕が云った。
「そうやねん。逆タイムサービスや。スーパーは、閉店間際が安くて、居酒屋は開店間際が安い。たまに、店員がタイムサービスの呼び込みをしているとこなんかスーパーっぽいねん」
確かに、最近、居酒屋のタイムサービスをよく見かける。
逆スーパーかぁ、なるほど。
ワインとウーロンハイが来た。千人の月見の宴に乾杯!! である。
「スーパーといえば。ずいぶん前だけど、お江戸の表参道でコピーライターの事務所やってたことがあるんだ。デザイナーとエディターとライターの友だち4人でね。
朝、電話を当番制にしてたんだよ。そうしないと、事務所に午前中誰もいなかったりするから。僕の当番で、デザイナーの電話を取ると『カンサイスーパー』の何某です。という電話がよくかかってきたんだ。
大阪人にとって、カンサイスーパーって関西スーパーや。なんで東京のデザイナーにチラシを発注しているのか、謎やった」
「せやな」
「山本寛斎っているやろ」と、僕が云った。
「デザイナーやな」と、サナエが云った。
「山本寛斎スーパースタジオを縮めて、カンサイスーパーらしい。半年くらい勘違いしてたんだ。僕は、ずっと、関西スーパーって刺繍の入った服を着て、ボールペンを胸に挿したおじさんが電話してきてるんだと思ってた」
「関西スーパーの山本さんだと思うで」と、みーやんが云った。
鉄板餃子が来た。丸い鉄板にそってグルリと餃子が並んでいた。
これが博多風らしい。
「シューマイもください。それとビール」と、みーやんがメニューを見ながら云った。
「タイムサービス終わりましたが」と、女性の店員が云った。
みーやんは、残念そうな顔をしてそれでも生ビールを頼んだ。生ビールが好きなのだ。ワインから行ったのが敗因である。10分差。タイムサービスは厳しいのだった。
「函館の友だちに会いに行ったとき『旨い店があるんだ』と、案内されたのが鹿児島の焼き鳥屋だったことがあるよ」と、僕が云った。
旨かったけど、函館まで来たんだから北海道のものが食べたい。
「地元の人は、いつもと違うもの食べたいやろ」と、サナエが云った。
「そーなんだ。みんな気を使ってくれるんだけど、地の食べ物にありつけないことがよくある。宮古島で、大阪十三の味というお好み焼き屋さんに案内されたり。大阪から来たというので、気を使ってくれてるんだけどね」
「ネタなの?」と、サナエが云った。
本当である。
盛岡で秋田郷土料理の店に案内されたこともある。同じ東北だけど。そういえば、会津から来た吉川さんと宮崎地鶏の店で飲んだような気もする。
とすると僕もやっているようだった。
さすがに、喜多方ラーメンには行かなかったけどね。
都市に住んでると、地方の食がなんでもある。でも、そこでしか食べられないから、価値があるってもんなんだよなぁ・・・。
贅沢って手間をかけることだ。お金をかけることではなく、手間をかける。最近、僕たちは贅沢ができなくなっているように思う。便利だからね。なんでも。 せんべろだって、やり方次第では、贅沢なのだ。たぶん。
<記事 大阪せんべろ探検隊 紙本櫻士@コピーライター>
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居酒屋 けいちゃん
住所 大阪府大阪市天王寺区生玉町1ー30
電話 050ー5589ー0297(予約)
06ー6772ー2058(お問い合わせ)
交通 大阪市営地下鉄線谷町九丁目から徒歩すぐ
営業 11時から14時30分(月から土)
16時から24時(月から木・日曜日)
16時から翌3時(金・土・祝前日)
定休日 不定休
ひとり、二千円いかないくらい。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
日本全国で巡礼する隊員たち。
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
隊員 サナエ@婚活中 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一