行け! せんべろ探検隊。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

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高槻

高槻『銀次』(大阪)ブルマを履く!? 昭和か!

海の家でビール。
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「舞台にでるんだって?」と僕が云うと
「女優ですけど、なにか」と、サナエはおどけて答えた。
 彼女が芝居に出たがっているのは知っていた。でも、オーディションまで受けて、出演すると。しかも、マクベス!! しかも婚活中。
 大丈夫なのか?
 
 僕たちは、高槻の街を歩いていた。
 程よく日が暮れかけ、せんべろ屋が出現する夕時になっていた。気がつけば街灯がつき、赤提灯にも灯がついていた。今夜も、せんべろ日和である。
 まぁ、せんべろながら(サナエの自慢)話でも聞こうと、僕たちは『銀次』に吸い込まれていった。初めての店だった。

「芝居経験、あったっけ?」と僕が尋ねると、
「気持ちは、女優や」と、サナエが云った。
 ないんだ・・・。
「ユニット美人って、ブルマ履いて走り回る劇団やで」
「履いてもええで、とは、いわれてる」
 昭和か!
「どんなマクベスやねん」
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 ご注文は? と、若い男子店員が聞きに来た。
「スーチカって、何ですのん?」と、サナエが壁に貼ってあるメニューを見て訊いた。
「沖縄の伝統料理で、豚肉を塩に漬けたお酒がススム系です」
「じゅーしーは?」
「おばぁの炊き込みご飯です。美味しいですよ」と、店員が云った。
 僕たちは、その二品とビール、麦ロックを注文する。
 ジューシーは、雑炊が訛ったらしい。普通の炊き込みご飯にも使うそうだ。
 銀次は、沖縄料理の店なのだった。

「スタインベックの『怒りの葡萄』読んだことある?」と、僕はサナエに訊いた。
「読んでへんな」
「家族でオクラホマからカリフォルニアまでトラックで移動する物語なんだけど、豚肉の塩漬けが出てくるんだ」
「で?」
「大切な食料が次第になくなってくる。読んでると、実に腹が減る小説なんだ」
 シチュウが出てくるシーンなんて、とくに腹が減る。秀逸な描写なんだよ。スタインベックやるね。
「豚の塩漬けと聞くと、小説に登場する腹を空かせた子どもたちを思い出して、しんみりするんだ」
「スーチカと関係あんの?」
「沖縄もアメリカやなぁ、と思って」と、僕は云った。
 冷蔵庫のない時代、沖縄では豚肉の切り身をそのまま塩に漬けて保存したそうだから、怒りの葡萄に出てくる保存食とルーツが似てるのかもしれない。
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 『銀次』の店内は、どこか海の家のように思えた。
 店を出たら、砂浜が広がっていそうだ。ビキニの女の子がビールを飲んでても、おかしくない。いや、飲んでいただきたい。
 運ばれてきたスーチカは、思ったより上品だった。食べると確かにお酒がススムくんである。じゅーしーも旨い。そこは、さすが沖縄料理である。どちらも酒がススム系なのだ。

「練習は?」と、訊いてみた。
「実は、まだやねん。ちょい不安やな」と云い、サナエは麦ロックをひとくち飲んだ。
「台詞がない、とか」
「あるやろ。たぶん。マクベスやで」
「みんなで観に行くよ」
「来んでいい」
「京都せんべろの、ついでだから」
「ついでかよ」
 京都せんべろ探検隊たちと、探検ついでに観に行こう。と、高槻で誓うのであった。僕たちのせんべろ探検は、続く。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>

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高槻 銀次
住所 大阪府高槻市城北町2ー2ー12 1F
電話 050ー5570ー2965(予約専用)
   072ー671−0600(お問い合わせ)
交通 阪急高槻市駅より徒歩1分
   JR高槻市駅より徒歩5分
営業 16時から24時(月から金)
   12時から24時(土曜日)
   12時から23時(日・祝)
定休日 無休
ひとり2千円くらいでした。
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女優、サナエ誕生。
せんべろ隊員、8月29日にマクベス出演決定だ。

ユニット美人は8月に結成10年を迎えます。そして劇団衛星はこの6月に結成20年!そんなわけで記念公演をいたします。劇団衛星×ユニット美人の競演です。乞うご期待!


『となりのヒロインたちと敵討ち』
UNder ITself, Beat It, Joy In Neighbors


日程
 2015年
  8月 27日(木)20:00衛星☆
    28日(金)20:00美人☆
    29日(土)11:00美人/14:00衛星/17:00衛星/20:00美人
    30日(日)11:00衛星/14:00美人/17:00衛星/20:00美人
    31日(月)休演
  9月 1日(火)14:00美人★/20:00衛星
    2日(水)14:00衛星★
 ※時間をクリックするとPeatixの販売サイトに飛びます(☆は初回割引、★は平日マチネ割引あり!)

会場
 KAIKA

出演
黒木陽子 紙本明子
是常祐美(シバイシマイ) 村井春奈(何色何番)

友情出演

8月28日20:00 丹下真寿美
8月29日&30日  小林まゆみ(KAIKA劇団 会華*開可)
9月1日14:00 朝平陽子

日替わりマクベス

8月28日20:00 はなみ
8月29日11:00 岸浩子(劇団にのいち)
8月29日20:00 広瀬早苗
8月30日14:00 西木達夫(大人の演劇部)
8月30日20:00 えみりー(劇団月光斜)
9月 1日14:00 ままれ

料金
 1プログラム  一般¥2300 学生¥2000
 衛星+美人セット 一般¥3600  学生¥3000
 (その他ペア割・トリオ割実施予定!)

http://www.eisei.info/20th/src/index2.html

お問い合わせ

劇団衛星
Tel:075-353-1660(平日10~18時/公演期間中は毎日10~21時)
E-Mail:eisei★eisei.info(★を@に変えてください)
http://www.eisei.info/20th/

主催:劇団衛星 ユニット美人 NPO法人フリンジシアタープロジェクト made in KAIKA

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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
日本全国で巡礼する隊員たち。

大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@婚活中 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ
         かおりん@シャンボール
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

高槻『豊丸(とよまる)』(大阪)AV女優を思い出しました。

ずっと、ユタカマルだと思ってた。11736980_916808721710672_71912601_n

「ゆたかまるって、AV女優がいたんだ」と、僕が豊丸の看板を見上げながら云うと、
「とよまるや」と、エマが云った。
 なんで知ってるんだ、エマ。確か、80年代後半に活躍したAV女優である。

「じゃぁ、この店も、とよまる?」
「そうや。それ以外の読み方あんの?」
 エマは、ブルージーンズにスニーカーをはいていた。真っ白なTシャツに淡いオレンジのシャツを羽織っている。今夜のエマは、飲む気満々の服装に見えた。

 豊丸の中に入ると、サラリーマンやOLで一杯だった。魚の匂いと、酒の香りが入り交じっていた。
 地魚屋台『豊丸』と書かれた提灯がぶら下がっている。昭和の屋台をイメージした映画セットのようだった。
 中なのに外で飲んでいるような気分になる。昭和の町を再現した新横浜ラーメン博物館のような感じかな。ラーメン屋じゃないけどね。
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「見たことあるの?」と、僕はエマに訊いてみた。
「大学の部室に、古いビデオがいっぱいあって、みんなで見ててん。こう、ガシャって入れる大きなビデオデッキや。忌野清志郎ライブ見たり、ポールマッカトニー見たり、バタアシ金魚とか、耳をすませばとか、タヌキのやつとか、ジブリもあったなぁ」と、エマが云った。
「AVもあったんや」
「そうそう、あれって、部屋に置いとくと気まずかったりするから、飽きたらみんな部室に持ってくるねん。豊丸は、笑えたな」
「実は、ちゃんと見たことないんだ。豊丸って女優」
 なんで笑えるのだろう?
 若い女性の店員が注文を取りに来た。麦のロックふたつと、オススメの刺身を頼む。
「80年代のAVなら、まかせろってくらい見たな。女子ばっかりで、ケラケラ笑いながら鑑賞会もしてん」と、エマが云った。
 エマ、声おっきい。
 麦ロックで乾杯をした。隣のOL二人が気になる。話しが話しである。エマの声はよく通るのだ。
「淫乱系ってのが流行ってる時代のビデオで、豊丸とか沙也加とかが、売れっ子やってん。豊丸って白目むいて『いぐーいぐー』とか叫ぶねんで。ありえへん」
「そりゃ、わび、さびってモンがないねんで」と、僕が云った。
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「医者の猥談って、ついて行けへん」と、エマが云った。
 エマは医学系の大学を卒業していた。現在、再生医学の研究員をしている。
「なんか血が見えるんだよね。ヤツらの猥談って」と、エマは麦ロックを飲んで云った。そーいえば、エマの猥談もそんなところがあるように思えた。
「それと、豊丸と関係あるの?」
「わび、さびってもんが、どっちもないねん。大事やで」
 隣のOLの耳がダンボになっているのが、分かった。チラチラとこっちを伺っている。エマ、頼むわ。

「地魚屋台の豊丸も、わびさびとは、ちゃうな」と僕が云うと、
「美味しく酔えれば、ええってことや。AVも猥談も豊丸でも」
 エマは、そう云うと、麦ロックを飲み干して微笑んだ。
 エマは、昔から上手に微笑む。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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高槻豊丸(とよまる)
住所 大阪府高槻市高槻町11-16 第一領家ビル1F
電話 072-682-1040
交通 阪急高槻駅より徒歩2分
   JR高槻駅より徒歩2分
営業 16時から24時
定休日 年末・年始
ひとり2千円いかないくらいでした。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
日本全国で巡礼する隊員たち。

大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 さなえ@婚活中 みーやん@ギタリスト えま@野菜ソムリエ
         かおりん@シャンボール
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

高槻『炭火焼きバル Roen(ロエン)』ムショ帰りと、ケーシー高峯。

今夜も、バル。11739488_916808675044010_675631171_n

 スペインでは、晩ご飯を9時か10時くらいに食べるそうだ。
 そーなると、仕事を終えて6時くらいにはお腹が空く。晩飯まで、小腹が空いているからちょいと酒でも飲んで待っていよう。が、バルらしい。
 せんべろ探検隊的に、ゴキゲンな習慣だと思う。
 最近の僕たちは、ほぼ、スペイン人である。

「漫画みたいなスナックがあるんねん」と、さなえが云った。
 僕たちは、高槻のロエンに来ていた。こじゃれたスペイン風せんべろ屋である。
 僕たちは、カウンターに座ると白ワインと、マテ貝を注文した。それからイチジクの白ワイン煮も。
「次は、そこだな」と僕が云うと、
「それが、そうもいかへんねん」と、さなえは困った顔をして云った。
「なんでや」
「紹介したいねんけど、無理や」
「どんな店なん?」
「ビックコミックみたいな世界の、スナックや。カウンターだけで、大阪のおばちゃんがやってる。ヒョウ柄のオバハンや」
 そう云うと、さなえはワインを一口飲んだ。
「客層がおもろいねん。5人おったら、3人ムショ帰りだったり」
「そりゃ濃いな」
「『俺、来月から刑務所に行くねん』って、モリさんというおっさんが云うから、なんで来月なん? って訊いたら『いまな刑務所、満員やから順番を待ってるねん』って云って、ムショに行くまでその店で毎日飲んでた、いまは、ムショに入ってる」
「戻るのは?」
「再来年らしいで。65歳くらいの双子のおっさん常連がいて、二人とも不倫してんねん。カラオケ唄ったら、声まで同じやし、同じ眼鏡、似たようなシャツ着てるねん。いつも四人で飲んでる。同じ顔したふたりが並んで不倫や。漫画の世界や」
「ナニワ金融道が連載されてる週刊誌やな」
「たっちゃんっておっちゃんがいて、最近、ムショから出てきて飲んでるねん、みんな、たっちゃんは夏休みの帰省で、すぐ、ムショに戻るって云ってる。どうやらヤツは塀の中におる方が、長いねん。たぶん、童貞や。この間も、店で暴れて、パトカーに連れて行かれたのを見たで」
「その店、通ってて大丈夫なの?」
「次は、どんなことが起こるんかと思うと、つい、行っちゃうねん。連載漫画を読んでるみたいに」
「行きたいな」
「あかんナイショや。あまりにも個性的な連中ばっかりやから。初心者には無理や」
 さなえはそう云うと、ワインをお代わりした。どうやら、さなえの近所のスナックらしい。初心者とかあるのか? え?
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 僕にもそんな店があった。
 新宿のゴールデン街にある店である。ケーシー高峯が、着物を着たようなオカマがやってるんだ。

 一度、ギターを持った男が入って来て、
「感動させたら、一杯飲ませてくれ」と、ドアを開けるなりケーシーに云ったことがある。
「いいわよ」と、一瞬、ケーシーは考えてから男に云ったんだよ。
 それが、素晴らしい演奏なんだ。声もいい。
「好きなだけ飲んでいいわ」と、ケーシーは云った。
 男らしいオカマだと思ったよ。ケーシーエライ。
 若者に静かな曲を、とケーシーがリクエストしたんだ。で、僕にケーシーが踊ってと云うんだよ。
 断るのもなんなんで、僕がケーシーとぎこちなく踊ってると、耳元で「キスして」とか、云われて大変だったよ。頑張って、ちゃんと逃げたけどね。
 僕はなぜかケーシーに気に入られてたから、格安でいつも飲むことができたんだ。
 坂本九が通っていた店らしい。ケーシーの若かった頃の写真が飾ってあって、それが美人なんだ。昔は、よかったのである。
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「ケーシーさんは、いま、どうしてるの?」
「分からないけど、いまもそこにあるような気はする。時間が止まっているみたいに。そうあって欲しいというか」
「あたしのスナックもそんな感じ。ずっと、漫画の世界が続いてて欲しいな」
 さなえはそう云うと、白ワインを飲み干した。
 もうすぐ7時だというのに、外はまだ明るかった。開け放たれたドアから、高槻の雑踏が見えた。
 イチジクの白ワイン煮が旨い。
 ケーシーの店に、久しぶりに顔を出そうかな、と思った。僕の頭の中で、時間が止まっていた。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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炭火焼きバル Roen(ロエン)
住所 大阪府高槻市高槻町14−8
電話 050−5869−1214(予約用)
   072−686−2940(問い合わせ)
交通 阪急高槻市駅から徒歩すぐ
営業 17時から翌2時
定休日 無休
ひとり千円ちょっとでした。
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年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
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         かおりん@シャンボール
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撮影 田原慎一

高槻『にくまる』(大阪)夏ダカラ、幽霊の話。

おいしい水。11717254_916808445044033_1321047513_n

「錦川のこと覚えてますか?」と、あやしい料理研究家の周さんが尋ねた。
 仕事で周さんと訪ねた川である。最上流に旨いお粥を出す店があると聞いて、編集者と3人で取材に行ったのだった。

 僕たちは、まず、下流の錦帯橋に行った。
 美しいアーチ橋だ。橋の上から川を覗くと、下流なのに水が上流の輝きだった。上流に行くと、さらに水が輝きだす。
 車に乗って移動をしていると、
 酒瓶とビールケースを玄関脇に積んでる家があった。そこが酒屋なんだ。看板が出てないから、旅行者にはそこが酒屋だと分からない。地元の人しか買わないから、看板は必要ないのだと思う。コンビニも自販機もないから、ゴミがでない。人だって見かけなかった。
 クマに注意という看板なら、いくつか見かけたけどね。
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「このハイボールを飲むと、錦川を思い出します。大阪にもおいしい水があるんですね」と、周さんが云った。
「千利休が愛した水、が店のコンセプトなんです」と、店員が嬉しそうに云った。
 細身の男だった。黒いTシャツにワインレッドの前掛けを腰に巻いている。
 店は阪急高槻駅近くの交差点に面していた。信号が変わる度に、大勢の人たちが行き来する。
「高槻ジャズストリートの会場が目の前なんです」と、店員が調理の手を休めて云った。
 焼き上がったサービス・ステーキが運ばれてきた。ハイボールがついて1000円である。僕はハイボールを一口飲んで、フォークでいただく。
 ハイカラ(ハイボールと唐揚げ)というメニューが気になったが、店員が井川遥ではないので、まぁ、いいか。それにしても、ハイボールが旨い。
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 錦川上流のホテルで、僕たちは目的のお粥を食べていた。
 なんの変哲もないお粥だったけど、すっごく旨いのだ。レンゲで口に運ぶと、スルスルっと溶けるように喉を通り過ぎていく。僕は、何杯かお代わりをしたのを覚えてる。
 水がおいしいのだ。水が、お粥を輝かせていた。特別な調理法なんてなかった。
 泊まり客は僕たちだけらしく、食堂には誰もいなかった。テレビもなく、僕たちの話し声だけが響いていた。
「部屋に戻ります」と、突然、周さんが云った。
 顔色が悪いように見えた。
 まだ、食事も途中だし、取材だって途中だ。でも、僕が声を掛ける間もなく、周さんは席を立ってしまった。

 次の朝。
 急用ができたので、先に横浜に帰ります。
 と、メッセージをフロントで告げられた。
 まったく、どうしたんだろう? 
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「あの時、急用って何だったんですか?」と、僕はずっと聞きそびれていた質問をした。
 周さんは、遠くを見るような目をしてしばらく黙った。ハイボールを飲み干すと、お代わりを注文した。
「幽霊がね。ホテルの食堂に大勢いたんですよ」と、周さんは云った。
 辺りの雑踏の音が消えていた。そんな気がしたのかもしれない。
「どんな?」
「派手な着物の女の幽霊です。何もしなさそうでしたが、私は彼女らに耐えられなくて逃げてしまいました。すみません」と、周さんは申し訳なさそうに云った。
「見えるの?」と僕が訊くと、
 周さんが頷く。
 ここにもいますか? と、云いそうになったけど、やめてハイボールを飲み、質問も飲み込む。
 もうすぐ日暮れそうだった。空を見上げると、青空に月が出ていた。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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立ち呑み亭 にくまる
住所 大阪府高槻市北園町19−17 サンコービル1F
電話 072-655-6890
交通 阪急高槻市駅から徒歩1分
営業 17時〜
定休日 無休
ひとり千円ちょいでした。
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      隊員 ひろみ@デザイナー
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会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命

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撮影 田原慎一

高槻『はるぴん』(大阪)水餃子が食べたい。

「焼き餃子は、中国人は食べないよ。あれは残り物だからね」11739677_916808595044018_1974237916_n

 周さんが、そう云ったのを覚えている。残り物とは、どういうことだろう?
 周さんは横浜中華街の華僑で、僕の古い友だちである。
 肩書きは、怪しい料理研究家だ。久しぶりに横浜から来阪したので、高槻で会うことになった。ならばと、周さんと高槻せんべろ探検となった。

 どこかに、いいせんべろ屋はないかえ。

 僕たちは、せんべろ屋を探しに細い路地に入った。いいせんべろ屋は、うらぶれた路地に、ひっそりと営業していることが多いのだ。

「周さん、この店、せんべろ屋じゃないかな」
「中華街から来た私に、わざわざ大阪で中国居酒屋に、一番に案内するかい」と、周さんは笑顔で云った。周さんも楽しんでいるのである。
 店名はひらがなで、はるぴん。

 店に入ると、お客さんでいっぱいだった。
 僕たちは店のカウンターに並んで座ると、紹興酒を注文した。対面に労働者風の男たちが5人座っている。ずいぶん酔ってるようだった。
 女主人(たぶん)が、壺から紹興酒を注ぐ。小さな柄杓を使って、慎重にグラスに注いでいた。
 なんだか、本格的じゃないか、はるぴん。

 周さんと、まずは乾杯。水餃子とチャーシューをお願いする。目の前に盛ってあるナッツが美味しそうだったので、それもね。
「焼き餃子食べないって云ってたよね」と、僕は周さんに訊いた。
「餃子は、新年を祝う縁起のいい食べ物なんですよ。正月にみんなで餃子鍋でお祝いをした後、残った餃子を家に持ち帰るんです。それを正月休みに焼いて食べたから、残り物なんですよ。わざわざ、最初から残り物にして食べたりしません。例えば、日本にはお茶漬けがあります。残して冷えた飯をお湯で温めて食べるでしょう。似ているかもしれません」
 周さんは、ナッツをつまんで食べ、紹興酒を飲んだ。
「タバコやめたの?」と僕が訊くと、
「そういうわけじゃないですけど、近頃、吸う気がしなくてね」と周さんが答えた。
 老けたなぁ。と、周さんの横顔を見て思った。僕が20代の時、周さんとよく横浜で飲み歩いた。みんな若かったのだ。
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 水餃子が来た。
「そのまま食べてくださいね」と、女店主が云った。
 まずは、ひとついただく。旨い。
 はるぴんは、女主人と寡黙なおじさんのコックさんふたりで切り盛りしているようだった。カウンターにずらっと並んでいる客は、常連のようだった。おそらく地元の人気店なのだと思う。

「私のお爺さんが、中国で腹を空かせて旅してたことがあるんですよ。もう、お金があまりなくて、それでも何か食べようと料理屋に入ったんです。そこでね、餃子にするか麺にするか、さんざん迷って、餃子をお爺さんは選んだんです。すると、小さな餃子が少しだけ運ばれてきて、ガッカリしたそうです。だから、私の店の餃子は、でかいんです」
 周さんの店は上野にある中華料理屋の老舗だ。日本で餃子を出した草分けらしい。確かに、周さんの餃子はでかくて美味しい。
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 チャーシューがやってきた。ここのチャーシューは、小さく切られて円形に盛ってある。はるぴん風なのだろうか? ほどよくアブラが乗った柔らかい肉だった。
 紹興酒をと、僕たちはお代わりをした。
「周さん、次のせんべろ屋は、どんな店がいいですか?」
「オーシさんにお任せします。なんだか楽しいです。せんべろ探検って」と、周さんが云った。
 周さんと僕は、紹興酒を飲み干すと、次の探検に向かった。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>

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はるぴん
住所 大阪府高槻市城北町2−14−6
電話 0726−75−0401
交通 阪急高槻市駅より徒歩2分
営業 17時から23時
定休日 日曜・祝日
ひとり二千円いかないくらいでした。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
日本全国で巡礼する隊員たち。
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 さなえ@婚活中 みーやん@ギタリスト えま@野菜ソムリエ
         かおりん@シャンボール
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命

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撮影 田原慎一

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