行け! せんべろ探検隊。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

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2015年12月

枚方公園『餃子の女王』(大阪)立ち飲み餃子でせんべろ。

クリスマス・ストーリー。IMG_5001

 立ち飲み餃子屋ができたらしい。
 紹興酒で餃子でもと覗いてみることにした。
 
今日は、冬至であたりはすっかり暗かった。僕は枚方公園駅を降り、サラリーマンたちが歩く細い道に入ると、遠くに赤い提灯が見えた。冷たい風が吹いていた。

 中華らしい赤い扉を開けると、中に7人くらいお客さんが飲んでいた。OLがひとり、後は会社帰りのサラリーマンたちだ。たぶん。
 僕は、焼きニラ餃子と生ビールを注文した。
 湯豆腐なら、すぐできると云うので、それも頼む。
 女店主が、餃子を鉄板に並べ、出汁をかける。熱い鉄板から湯気が立ち上ると、彼女はさっと蓋をかぶせた。
「カミモトさんですね」と、隣の男が声をかけてきた。
 仕立てのいいスーツに、ロレックスをしていた。ネクタイの趣味は、いまひとつだが、靴はイタリア製の高価なものだ。
 誰だろう? 僕は人の顔を覚えるのが苦手だから、失礼をすることがよくある。ことによると知り合いかもしれなかった。
「どこかでお会いましたか?」と、僕は云った。
「中学で一緒だった。吉田です」
 覚えがなかった。
「すみません。何組でしたか?」
「E組の吉田俊之ですよ」
 思い出した。中学生の時とは、印象が違っていたけど。
「あ、小学校も一緒だったとっちゃん?」
「あの頃は、太ってましたから」
 ビールと湯豆腐が来た。
 いま、どうしてる? と、僕たちは乾杯をした。
 僕は、相変わらずなんだけどね。
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 とっちゃんは、勉強ができない子どもだった。運動もだ。絵も、音楽も。それで虐められることはなかったが、みんなに出来ない子、と軽んじられていたと思う。
 中学を卒業したとき、就職をした生徒が数人いたけど、とっちゃんもそのひとりだ。
「確か肉屋さんに就職したんじゃなかった?」
「ずっと、そこにいて、いま社長です」と、とっちゃんは誇らしげに云った。
「そいつは、すごい」
 とっちゃんすごいよ。と、本当に思う。
「みんなには会う?」
「いえ、松本くんとか、中学卒業した後に、たまに遊んだりしてましたが」
 話し方が大人びているのに驚いていた。
 とっちゃんが先生に当てられると、教科書がまったく読めないのを覚えている。当時、僕は、どうして読めないのかが分からなかった。何もかもできない子どもだったんだ。
「結婚は?」と、僕は訊いた。
「婿養子なんです。だから、今は今村です」と、とっちゃんは照れくさそうに云い、名刺をくれた。
 子どもが3人いて、二人は大学に通っている。ひとりは今年中学三年らしい。
 立派になっているとっちゃんがまぶしかった(僕なんかよりね)。
 冬至、勉強も運動もなにもかもできないとっちゃんを、僕は小馬鹿にしていたように思う。
 学校という制度が、とっちゃんには向いていなかっただけなのに。
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 そういえば牛乳配達のバイトをしているとっちゃんを、何度か見たことがあった。
 例えば、雨が降る冬の寒い早朝に。
 とっちゃんは、薄汚れた白い牛乳屋のレインコートを来て、自転車の荷台に空になった牛乳瓶を並べていた。事情もあったのかもしれないけど、毎日欠かさず、牛乳配達をしていた。同じ中学生の僕には、とても出来なかっただろう。
 僕たちは、ビールのお代わりをした。
 すまなかったな、と僕は口に出かけたけど黙っていた。

「今日は、どうしてここに?」と、僕は訊いた。
 とっちゃんは、ビールを飲んで、しばらく黙っていた。
「新しい店ができたら、商売の勉強に来るんです」
 興味本位に飲みに来る僕とは大違いである。
「今日は、ゆっくり飲めるの?」
「もう、帰らないと。この後、子どもたちと妻にクリスマス・プレゼントを渡すんですよ」
「早いプレゼントだね」
「明日から、台湾に出張なんです。クリスマスなのにね」
 とっちゃんは照れ笑いをしながら、ビールを飲んだ。
 いい笑顔だった。
 いまの僕は、いい笑顔をしているだろうか。
 メリークリスマス。みんなうまくいくといいね。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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餃子の女王
住所 大阪府枚方市伊加賀東町5ー30
電話 090ー1589ー0141
交通 京阪枚方公園駅から徒歩3分
営業 16時から翌1時
せんべろ屋です。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

祇園四条『水炊き 萬治郎』(京都)危険なまんべろ探検。

せんべろ探検隊のまんべろ忘年会。12342407_759008280871207_4797159054213709058_n

 能楽師・辰巳満次郎氏をお誘いし、忘年会をしてきた。
 秋の中秋の名月『千人の月見の宴』で、舞っていただいたご縁である。
 当初僕は、四条大橋袂にある『東華菜館』などはいかがかと伝え、満次郎さんに「どこかよいところはございますか?」と、尋ねてみた。
「辰巳稲荷の横に、萬治郎という水炊き屋がございます。そこは、なかなか予約がとれない店ですが」と、教えていただいた。
 それはさぞや、と思い。僕は、萬治郎に予約電話をしてみることにした。

「予約を入れたいのですが」
「いつでございますか?」と、女性が云った。
「12月の15日、19時からですが」
「生憎と、その時期は混んでいまして、お店には以前来られたことがございますでしょうか」
「能楽師の辰巳満次郎さんから、ご紹介いただいたのですが」
「女将に代わらせていただきます」
 しばらくして、女将が電話口に出た。
「席をお取りさせていただきます」
 京都らしいのである。
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 そうこうしているうちに、当日を迎えた。
 陽は落ち、あたりはすっかり暗い。ポツリと小雨が降り、道路は濡れ光っていた。僕たちせんべろ探検隊は鴨川沿いから、白川の上流へ歩いていた。みーやんとサナエである。
 ほどなく『辰巳稲荷』が姿を現す。
 若い外国人の男性が三脚を据えて、辰巳稲荷を何枚も写真を撮っていた。僕は、遠慮がちに辰巳稲荷の前に進み、手をあわした。なんでも芸事の神様だそうだ。
 頼み事がいっぱいありそう。

「よう、おこしやした」
 萬治郎に着くと、女将が迎えてくれた。築150年の古い屋敷だ。凜とした空気が漂っている。
 ジリリリンと、黒電話が鳴った。
 店員が電話に出る。現役の黒電話を数十年ぶりに見たように思う。
 磨き上げられた木の廊下を通り、六畳の部屋に案内された。
 ガラスの入った襖から、鯉が泳ぐ池が見える。池の向こうの部屋では、賑やかに宴が開かれていた。

 ほどなく、満次郎さんが到着した。
 部屋に入るなり、
「玄関で、辰巳満次郎です。と名乗っても、誰も驚かないんだよ」と、満次郎さんが云った。
「僕が満次郎さんが到着しますと、伝えましたから」
「そうですか」と、満次郎さんが残念がる。人を楽しませるのが、好きなのだろう。
 僕たちは、ビールで乾杯をした。
「肝の甘辛煮です」と、京言葉で仲居さんがテーブルに小皿を並べながら云う。
 僕は、レバーが苦手なのだが、ここのは旨かった。新鮮で上質の肝なのだ。
 女将が鶏スープを、鍋からすくって分けてくれる。
 僕は、冷酒を注文した。この鍋には日本酒がいい。
「昔、父親に連れられて、よくこの店に来ていました」と、満次郎さんが云った。
「おおきに」と、女将が微笑む。
 どうぞ、と僕もスープを女将からいただく。すこぶる旨い。
「辰巳稲荷の隣で、萬治郎ですから、深いご縁があると思いました」と、女将が云った。
 名前で予約を受けたんだ、と僕はそこで気づいた。
「常連かと思ってました」と、サナエが不思議そうな顔をして云った。
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 水炊きが煮え、宴が始まると能の興味深き話しが続いた。
「靴下は、どちらの足から履きますか」と、満次郎さんが訊いた。
 僕は、右からだと答えた。みーやんも右から、サナエは左。サナエは左利きなのだ。
「能では、左から履きます。歩き出すときも、左。昔の作法が、能に伝わっているのです」
「春日大社の宮司さんに似た話を伺ったことがあります。真っ暗な部屋で、一人だけに伝える儀式があって、それはどんなアレンジも許されない。作法を変えてしまうと、もとのものが分からなくなりますから、と仰っていました」と、僕が云った。
 能にも同じなのかもしれない。
 興が乗り、僕たちは閉店近くまで過ごさせていただいた。
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 店を出ると、雨は上がり、雲の間から星が見えていた。
「もう、一軒行きませんか」と、満次郎さんが云った。
 京の夜は、これからである。
<記事 大阪せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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水炊き 萬治郎
住所 京都府京都市東山区新橋通大和大路東入元吉町58
電話 075ー561ー1654
交通 祇園四条駅から徒歩5分
営業 17時から19時30分
定休日 5月から9月 2月3日・月曜
コースが6千円。まんべろです。けど、大満足のお店でした。
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大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
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掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
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盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

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撮影 田原慎一
 

枚方『適塾牛鍋パン』(大阪)日本酒に合うパン作ってみました。

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 福沢諭吉が適塾の塾頭だった時、よく牛鍋屋に通ったという。
 諭吉が牛鍋を食べる様子を日記で読んで、当時の味を食してみたいな、と思った。
 丁度、枚方マルシェで何かを出さないか、と云われてたしね。
 そこで平安時代の食と江戸時代の食、明治時代の食を再現して、お弁当を作り枚方マルシェで売ってみた。去年の11月のことだ。
 牛鍋だけじゃつまらないと、平安、江戸、明治の三種類を作ってみたのである。 明治時代が『適塾牛鍋弁当』。
 話題になって新聞から取材が来たりもした。
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 で、今年も枚方マルシェでやってくれないか、と声が掛かり、去年と同じじゃ面白くないぞ、と思いパンに挟んで手軽に牛鍋を体験できる『牛鍋パン』を作ってみようと思いついた。
 諭吉さんは、パンと肉が大好きだったし、大酒飲みだったそうだから、酒に合うとなお、いい。せんべろ探検隊が作るパンだしね。
 うーむ、難しそうだ。
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 『千人の月見の宴』で、月見弁当を作ってくれた藤下シェフにお願いしようと、僕は、枚方公園にある『ビストロ・ル・パッサージュ』を訪ねた。作ってくれるだろうか・・・。
 店に入ると、ディナーを食べているお客さんが、二組。僕は、誰も座っていないカウンターに席を取った。ここなら、シャフと話しながら飲むことができる。
 シェフは、忙しそうに鍋を振っている。
 一息ついたところで、僕は適塾牛鍋パンについて、簡単に説明をしてみた。シェフは黙って聞いていた。どうだろう?
「当時、牛鍋は味噌味だったんです。何しろ、猪鍋をイメージした料理でしたから」と、僕は云った。
「レシピは残っているんですか?」と、シェフが訊いた。
「福沢諭吉の日記に、書生たち食べる様子が書かれているけど、レシピというほどじゃありません。味噌味だったこととネギが入っていたことくらい」
 僕は、赤ワインとオムレツを注文した。

 この店は、8時を過ぎると「あるものなら作るよ」という、ドラマ『深夜食堂』と同じスタイルになる。店の名前も、8時からは『深夜食堂』だ。
 例えば、オムレツを頼むと、エスカルゴのオムレツだったり、鹿肉のオムレツだったり、何かしら楽しませてくれる。
 寿司を頼むと、寿司を握ってくれたりね。
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「たぶん、いい肉を使ってなかったでしょう」
「僕もそう思ってます。日記にもそうありました」
 赤ワインが出てきた。南アフリカのKWVだ。
「それをパンに挟んで出すわけですね?」
「福沢諭吉は、お酒が好きだったから、ワインに合うのがいいかも」
「日本酒ですよ。牛鍋なんだし、パンを工夫すればいいんです」
「ライスバーガーみたいなのじゃなくても、パンで日本酒で食べられますか?」
 藤下シェフは、黙って頷いて笑っていた。

 数日後、出来上がったと連絡が入り、店で試作品を食べてみた。
「美味しいと思います」と、僕が云うと、
「ダメですね。まだ日本酒に合いません。当日まで、いろいろと試してみます」
 僕には十分に思えた。当時の、牛鍋を体験できて旨いのだから。
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 マルシェ当日、試食の時とは違うパンになっていた。数段、旨い。日本酒と食べると、酒が進むのが不思議だった。
「これは日本酒に合うね」と、サナエが酒を片手に云った。
「パンに合うわけないと思って食べるから、余計に驚きますね」と、みーやんが云った。
 というわけで、作ってしまいました。せんべろパン。
 『適塾牛鍋パン』を、みんなに食べてもらえたら、と。
 来年、みんなにお酒飲んで味わってもらえるように、いろいろ試してみるね。

 もちろん大阪せんべろ隊で。
 今回は、イベント番外編でした。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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撮影 田原慎一
 

秋葉原『金子屋』(東京)ガード下のホッピー。

アルゼンチンからの手紙。12355083_933182590107606_1909888720_n

 君がこの手紙を読んでいると云うことは、俺はこの世にいないのだろう。
 俺はブエイノスアイレスにあるホテルでこれを書いている。ロス・アンデスという名のホテル201号室だ。
 そんなことはどうでもいい。すまん、気が動転している。
 クルマが3台が部屋の下に止まっている。武装した男たちがこの部屋を目指している。窓からも逃げられない。文字が震えているのは、そのせいなんだ。

 ひとつ、いいこともある。ホテルのボーイに、この手紙を渡せたことだ。丁度、ビールを注文してたんでね。
 ひとつくらい、ヤツラの鼻を明かしたい。それが最後の依頼だよ。
 ボーイが、この手紙を地球の裏側まで運んでくれたら、と願う。可能性はきわめて低いかもしれないが。

 奥村恭也 拝
 
 SDカードが同封されていた。
 それと、高額の小切手も。
 アライの事務所のPCで、カードを読み込もうとしたが反応がなかった。
 アライは、チヅルに奥村から預かっている鞄を持って秋葉原の『金子屋』に来るようメールで告げた。
 チヅルから、すぐに行く。と返事が来た。
 鍵はおろらく鞄にあると思うが、事務所に持ってくるのは危険だった。それとなく『ヤツラ』に監視されている。
「ヤツラの鼻を明かしたい」とは、何かは分からない。ヤバイ情報か、金か・・・。 どちらにしても、面倒なことだが・・・。
 アライは、シガレットケースからタバコを出して火をつけた。タバコが燃える微かな音がした。
 やれやれ、どうしたものか。タバコをもみ消し、シガレットケースの裏蓋にSDカードを隠すと、ケースを閉じた。
 秋葉原まで、30分くらいだ。
 とにかく、鞄を開けることにしよう。
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「中を見たくて、うずうずしてたんだ」
 金子屋でビールを飲みながら待っていると、アライの顔を見るなりチヅルが云った。薄いオレンジ色のロングコートにブラックジーンズだ。常連客のサラリーマンが数人いるだけで、店は空いていた。
 チヅルは、預けていた茶革のブリーフケースを右側の席に置いた。
「なんで開ける気になったの?」
 あたしもビール。と、店員にチヅルが云った。
「事情が変わった」
「どんな風に?」
 アライは黙って、ビールを飲んだ。
「腹は空いているかい」
「そうね。だいぶん」
 ビールが来た。煮込み豆腐とつくねを注文する。
「ここは、カレーが旨いんだよ」
 チヅルは鞄をアライに渡した。
「鍵が掛かってるよ」と、チヅルが云った。
 開けようとしたらしい。
「誰かに、開けられないようにね」
 アライはそう云うと、細い針金を取り出し鞄の鍵を解除した。
「なんか、悪いことをいっぱいしてそうね」
 チヅルはアライの顔をまじまじと見て云った。
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 小型のPCが入っていた。
 SDカードをこいつに読み込ませるといい。ということか・・・。
 店員に電源を借りたいと告げ、パワー・スイッチを押した。
「どうなの?」
 アライはシガレットケースからSDカードを取り出し、立ち上がったPCにカードを読み込ませた。

 パスワード:

 画面の中央で、コロンが点滅していた。

「パスがいる」
「入力してよ」
「生憎、分からない」
「意味ないじゃない。間抜けねぇ」
 チヅルはビールを飲み干すと、ホッピーを注文した。
「カレーも食べようかな」と、チヅルが云った。
 奥村は、何かのヒントは残していると思う。それが何かが分からなかった。
 試しに、オクムラカオリと入れてみる。
 反応はない。思いつく文字列を入れてみるが、何も起こらなかった。
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 ツクネが来た。腹を空かせたチヅルが、早速、パクリと食べた。
 美味しい!
「何か言ってなかった?」
「ヤツラの鼻を明かしたいってね」
「何、ソレ」
「奥村からの最後の依頼なんだ。ギャラの小切手が同封されてたからね」
 アライはそう云うと、ビールを飲み干した。
<取材 ジュンイチ@八木商店 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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金子屋
住所 東京都千代田区神田佐久間町2ー11 AOIビルF1
電話 03ー5829ー6653
交通 JR秋葉原駅昭和通り口より徒歩3分
   日比谷線秋葉原駅より徒歩3分
営業 16時から23時30分
定休日 日曜日
ひとり2千円くらいでした。
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撮影 田原慎一
 

梅田『百百(もも)』(大阪)怖い話し。

老舗の串揚げを食べながら。IMG_4588

「麻雀やったことある?」と、僕は佐々木に訊いた。
「モノポリーならやるけど、麻雀はないな。ルールは少しだけ」
 僕たちは、梅田にある老舗の串揚げ屋にふらっと入って、瓶ビールを頼んだ。ウズラとキス、ウィンナーも。
「秘伝のソースらしいで」と、佐々木が云った。
 シェリー酒や月桂樹やら入っているという。カウンターには、旅行客や女性客も飲んでいた。立ち飲みでさくっと飲むには、こんな店がいい。
 僕は、佐々木のグラスにビールを注いだ。

「麻雀は、所詮、ボーズめくりだよ。ボーズがでたら負け」と、僕が云った。
「あれは、ツキの奪い合いのゲームやな」
 確かにそうだと思う。長くやっていると、強いヤツが勝つけど、ツキだけでもかてる不思議なゲームだ。もともと、中国の占いだったとも云う。
 日本に初めて紹介したのは、夏目漱石である。中国を旅した紀行文に登場する。
 僕たちは、グラスを合わせた。
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「モノポリーもツキといえば、ツキやな。ニューヨークのあるオレンジをサイコロの目だけでそろえたら勝ちや。ツイてないやつは、どうしうようもなくなる。人生においても・・・。最後まで、ツイてないやつっておるで。なんでついているヤツがいて、なぜ、ついてないヤツがいるのか。数学者のジョン・ナッシュは、ゲーム理論で、ナッシュ均衡を導いたんや。おもろいテーマやと思う。数学のフィールズ賞やなくて、ノーベル経済学賞やったけど」
 ウズラが来た。秘伝のソースにつけて食べてみる。ソースは、すっきりとした味で好みだった。

「九連宝燈って、役があるんだ」と、僕が云った。
「役って?」と、佐々木が訊いた。
「麻雀を上がったときの形だ。ロイヤルストレートフラッシュみたいなやつ」
 佐々木は、ビールを飲みながら聞いていた。
 麻雀は、13個の牌を使ってやるゲームだ。最後の一枚をそろえると、上がることができる。自分で持って来てもいいし、他人が出してもいい。
 九連宝燈は、1112345678999とあって、1から9どれを持って来ても上がることが出来る。ただ、その形ができるのが、天文学的な確率なんだ。
 最終的な形だけで上がっても成立するけど、純正九連宝燈は、まず、できないとされている。宝くじに当たったような状態だよ。
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「九連宝燈を上がると、死ぬって云われているだ。ツキがなくなってしまうってことかもしれない」と、僕は云った。
「バカつきの後は、気をつけろってことやな」
「僕は、二度上がったことがあるんだ」
 ウィンナーが来た。ソースにつけて、僕はひとくちで食べた。佐々木は、黙ってビールを飲んだ。
 佐々木の顔が、どうなった? と、訊いていた。
「不思議なんだ。勝手に出来上がるんだよ。最後の一枚が、4だったんだけど、僕の順番が来て引く前に4が来るのが分かった。あ、4が来るって」
「何もなかったのか?」
「その晩、祖母が亡くなった。次の日は、お葬式だよ」
「たまたま、だろう。お年寄りだし」
 僕もそう思った。たまたまだと。
 とはいえ九連宝燈が、僕に何かをしたような嫌な気もしていた。
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「ところが数年後、また、できたんだ。今度も、勝手にできあがった。あの時と、同じだった。僕は、みんなに九連宝燈ができたから、僕の順番がきたら、牌を倒して(チョンボする)やめると3人に云ったんだ。ゲームで、命をはることないからね。でその時、大島くんが上がる寸前だと教えてくれた。そこで、当たり牌を岡村くんがわざと、大島くんに振ったんだ」
「大島が上がった? よかったやんか」
「その晩、大島くんの祖父が急性肺炎で亡くなった」

 本当である。
 友だちから聞いた話しじゃなくて、僕の実体験だ。
 幽霊やUFO、超能力とかがあるのかは分からないけど、九連宝燈の『上がるとよくないことが起こる』を、信じている。
 どちらも、お年寄りだったけど、偶然とは思えないじゃないか。
 もし、もう一度できたら・・・

「なんとも云えないな」と、佐々木が云った。
 何かあるのかもしれなかった。
 僕は、それからすすんで麻雀をやらなくなったように思う。
 何とも云えないけどね。
<記事 大阪せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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串かつ 百百(もも)
住所 大阪府大阪市北区角田町9−26 新梅田食堂街1F
電話 06ー6313ー2714
交通 阪急梅田駅、JR大阪駅、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅から徒歩2分
営業 9時から22時
定休日 日・祝
せんべろです。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
         オーシタ@スリランカ アサミ@セレブ
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

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