行け! せんべろ探検隊。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

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2015年11月

難波『グリル南風』(大阪)ランチの女王。

老舗洋食屋でワイン。IMG_4955

 もう、ずいぶん昔だけど、ランチの女王というドラマがあった。確か、フジの月9だったと思う。主演は、竹内結子と江口洋介である。
 ランチが大好きな麦子(竹内)が、ひょんなことから洋食屋『キッチンマカロニ』で、住み込みで働くことになるラブコメディーだ。家族経営の洋食屋で、格好いい男たちに囲まれて物語は進んでいく。
 
 何がいいかって、出てくる下町の洋食屋さんの料理である。もちろん、ストーリーも楽しめるけど、料理が僕には魅力的だった。
 何しろ『ランチの女王』に出てくるキッチンマカロニのレシピが載った本を買ったくらいである。
 ドラマの中で、特にこだわっていたのはデミグラスソースである。親父(若林豪)秘伝のソースだ。
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勇二郎(江口洋介)「普通、普通って言うけど、オマエの言う普通ってのが解らないんだよ」
純三郎(妻夫木聡)「だから、ケチャップのかかったオムライス」
勇二郎「それが普通ねぇ。じゃぁ、オムライスの中に何が入ってる?」
純三郎「そりゃ、チキンライス」
勇二郎「だろ。じゃぁ、そのチキンライスは何色だ?」
純三郎「赤っぽい感じっていうか・・・」
勇二郎「なぜ赤い?」
純三郎「それは、ケチャップを使っているから」
勇二郎「中ですでにケチャップを使っておいて、外側にもケチャップをたらす。それがどうして普通の状態なんだ」
純三郎「そう言われてみれば」
勇二郎「パンツはいてストッキングはいて、その上からパンツはいてるオンナ見たことあるか? 普通はスカートだろう」
純三郎「まぁ・・・」
勇二郎「じゃぁ、ここでスカートに当たるモノは何だ?」
純三郎「デミグラスソースです」
勇二郎「あたり」

 なるほど。と僕も思った。
 でも、僕はケチャップをどばどばかけてしまうなぁ。
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 難波で『グリル南風』という洋食屋を見つけた。
 ランチの女王にでてくる『キッチンマカロニ』を彷彿させる店構えだ。大阪だけどね。店内も、まさに、キッチンマカロニである。
 僕はカウンターに座ってメニューを開いた。
 オムライス、クリームコロッケ、ハンバークなど、僕は少し迷って(迷うのも楽しい)日替わり定食を頼んだ。
 出来るのを待っている間に飲む、赤ワインも。
 常連らしき若い男性が、僕のとなりでビーフサンドを食べていた。ああ、これも食べたいな。とつい思ってしまう。
 カウンターの中では、ご夫婦と思われるふたりが手際よく料理をしていた。奥さんが盛りつける間、旦那さんが揚げ物をしていたり。
 亡くなった母親が、父と初めてデートしたとき、ハムエッグを食べたと言っていたのを思い出した。アルミの皿に乗ったハムエッグを、ナイフとフォークで食べたと言う。
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 ライスが来た。
 使い込まれたアルミ皿に盛られたライスの横に、福新漬けが添えてある。これじゃないと、老舗の洋食屋はいけない。
 日替わり定食も、どん! と大盛りである。
 オムレツにハム、エビフライなどなどが賑やかに並んでいた。
 ワインをひとくち飲んで、まずエビフライにいった。うまく言えないけど昭和の味がする。創業以来変わってないのかもしれない。
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 全部食べたら、きっとお腹いっぱいになるけど、えい! とビーフサンドも頼んでみる。余ったら、包んで貰えばいい。
 せんべろ屋じゃないけど、安くて美味しい洋食でイッパイやるのは、小幸福である。お気に入りの洋食屋を見つけるのもね。
 こんな店が近所にあるといいんだけどなぁ。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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グリル南風
住所 大阪府大阪市中央区西心斎橋2ー7ー4
電話 06ー6211ー2998
交通 地下鉄・近鉄難波駅から徒歩5分
営業 12時から21時(月から土) 12時から14時(日)
千円ちょいでワイン飲みながら楽しめます。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
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【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG もーちゃん@トラベラー
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
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撮影 田原慎一

難波『BBQスモーキー』(大阪)能と湯豆腐。

オペラとは違うんやな。IMG_4894

 と、佐々木が云った。
 先日、能楽師・辰巳満次郎氏の新作能『道頓』を観た帰りである。
「大がかりな舞台や演出はないよ。能は、いたってシンプルなんだ」と、僕が云った。
「東京の能楽堂で観たときは、3人で行って、3人とも寝てしまったんや」
「初めてじゃないんだ」
「能の音楽からアルファー波が出てるから、どうしても眠くなる。どこか遠くに連れて行ってくるような。気持ちよかったで」
「道頓はどうだった?」
「新作能は、実に興味深い」と、佐々木が云った。
 『キャベツ玉150円』と、看板を上げている店があった。道頓堀を見ながら飲めるらしい。僕たちは寄ることにした。
 お腹も減っていたしね。
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「春日大社の宮司さんを取材したことがあるんだ」と、僕が云った。
 僕たちがオープンエアの席に座ると若い男の店員が注文を取りに来た。
 風はなかったけど、寒い。冬は、もう、そこまで来ている。
「暖かいものがええな」と、佐々木が店員に云った。
「湯豆腐があります」
「それを」と、佐々木が云った。
 で、とりあえず生ビール2つと、僕は焼きそばを注文した。
「能も湯豆腐も、シンプルなんがミソや」と、佐々木が云った。
「なんで?」
「シンプルやと、美しいし、なにより伝えやすいやんか」
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「春日大社の宮司さんから訊いたんだけど、古代から引き継いでる儀式があるんだそうだ。それを次の後継者に伝える。真っ暗な部屋で、ひとりだけに。その時、何も加えちゃいけないし、簡略にしてもいけない。アレンジするなんてありえない。奈良時代から続く、奈良時代から続く原型がわからなくなるから」
 僕が、春日大社を取材した時のことだ。
「能も同じってことか?」と、佐々木が云った。
 湯豆腐の鍋が来た。店員がコンロに火をつける。
「今夜は冷えるな」と、佐々木が火を見ながら云った。
 僕たちは、ビールで乾杯をした。寒い。熱燗にすべきだったと思う。
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「自由に演じると、原型が解らなくなるんや。だから、昔、昔の日本語に忠実になろうとする。それが、現代人には鑑賞が難しい。麻婆豆腐は、湯豆腐ちゃうし」
 僕は湯豆腐を器に移し、ひとくち食べた。暖かくて美味しい。
 空を見上げると星は見えなかった。大阪の空は明るすぎるんだろう。冷たい風が頬をなでていった。
「ところがや。新作能は、可能性がいっぱいや。なにしろ、自分が観阿弥・世阿弥なんや」
「でも、寝ちゃったんだろう?」
「アルファー波は、流れてたみたいやな」と、佐々木は笑った。
 焼きそばが来た。暖かい食べ物がありがたかった。
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「道頓の亡霊は、今夜、来てただろうか」
 能の最中に、僕は空いている席をちらちらと見ていた。道頓いるかな、と。
「能は連れてくるゆうからな」
 堀川を見下ろす空席に、誰かがいるような気がしていた。
 ふと、安井道頓はんでっか?
 連れてきたのかもしれない。
 と、ビールを飲みながら誰もいない席を、僕はしばらく眺めていた。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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BBQ SMOKY(スモーキー)
住所 大阪府大阪市浪速区湊町1ー1ー31
電話 06ー6644ー0538
交通 なんば駅より徒歩5分
営業 16時から翌2時(月から木・日) 16時から翌4時(金・土)
定休日 無休
千円ちょっとでした。
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大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
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会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
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土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

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撮影 田原慎一

梅田『たこ焼き シオヤ』(大阪)たこ焼きタイムスリップ。

酩酊していた。IMG_4592

「焼くのに10分くらいかかるで」
「飲んで待ってる」と、僕が云うと
 おばちゃんは、クルクルとたこ焼きを回し始めた。
 おばちゃんの手元をぼんやりと眺め、僕はビールを飲んでいた。

「ビールだけでもええか?」
 ジャージを着た中年のオジサンがふらりと来店した。裸足にサンダルだ。
 するとおばちゃんは、不機嫌そうにビールを注ぐとオジサンに手渡した。常連なのか、通りすがりかは分からない。おじさんは僕の隣で、美味しそうにビールをチビチビ飲んでいた。
 僕のたこ焼きが出来上がり、おばちゃんが僕に手渡してくれる。
 青のりのかかったソースたこ焼きだ。
 僕は、熱々のたこ焼きを爪楊枝で食べた。青のりとソースの香りがぷんとした。 そうだ、高校生の時、近所の神社で食べたたこ焼きだ。
 あの時と、同じ味だった。
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「今から、桜井さんの家に行かへんか」と、原田が云った。
 中間テストが終わった、高2の秋のことだ。
 原田は同じクラスで、帰宅方向が同じだった。テストも終わり、みんなほっとした顔でぞろぞろと下校している。僕と原田は、自転車に乗って校門から伸びる坂をゆっくりと下っていた。
 桜井さんは、クラスで一番可愛い女の子だった。
「行ってどうするねん」
「呼び出して話しするやろ。オマエが」
「なんで俺やねん。原田が好きやって云ってる娘やろ」
「テスト終わって、気がするんでる今がチャンスや」
「なんのチャンスだ。ひとりで行ってこいよ」
「オマエ、そんなこと云うてると友だちなくすで。頼むから、な、な」
 ひとりでは、会いに行けないと、不機嫌になってくる始末だ。
 押しの強い原田に負けて、結局、僕はついて行くことになった。
「桜井の家なんて、知らんで」と僕が云うと、
「調べてあるんねん、ついて来い」と、原田が元気よく云った。
 ならひとりで行けよ。と思う。

 桜井さんの家は、旧街道にある古い家だった。僕が近くの神社に、彼女を呼び出すことになった。もう、ここまで来ればなんでもするよ。
 チャイムを鳴らす。いなければいいのにと思いながらだ。
「どうしたの?」
 いた。制服のスカートにブルーのセーターを着ていた。
「原田と遊びに来たんだ。神社で原田が待ってるから来てくれよ」
 間抜けだなぁ、と思いながらそう云うと「待ってて」と、彼女は云った。
 僕は神社に戻った。
「どうやった? おった?」
「来るって」
 原田は急にそわそわしだし、神社にあった錆びだらけの滑り台に上って、ずるずると降りた。僕は、ブランコに座る。なんで僕がいるんだ。とか、思いながら。
 着替えてきたらしい。
 桜井さんは、白いシャツとミニスカートをはいていた。
「こいつ、桜井のことが好きやねんで」と、突然、原田が滑り台の上から叫んだ。
 ヒューヒューと云いながらだ。原田の顔が赤くなっていた。人前であがると原田は顔が赤くなるのだ。
 馬鹿なのか? と、思ったけど「いや、原田が」とか、僕はもごもごと桜井さんに云っていた。どうすりゃいいんだ。こう云うお馬鹿は。ドン! と云いたい。

 何を話していいのか分からなかった。
 僕が黙っていると、
「たこ焼きを食べよう」と原田が云った。
 神社の境内に小さなたこ焼き屋があった。そこで食べようと云うのだ。
「ここ旨いねん」
「なんで、美味しいって知ってるの?」と、桜井さんが原田に訊いた。
「何度か食べたことあるから」
 何度も来てるんだ・・・。
IMG_4595
「たこ焼きセットください」
 若いカップルの男の子が注文した。お揃いのキャリーバッグを持っている。おそらく旅行者だろう。
「今から焼くから15分くらいかかるで」と、シオヤのおばちゃんが云った。
「ビールもういっぱい」と、サンダルのオジサンがお代わりをした。
 僕は、たこ焼きをひとつ、食べた。やはりあの時と同じ味だった。
 あの後、僕たちはどうしたんだろう。神社にあった狛犬を照らす夕日をなぜかよく覚えていた。
 ずいぶん後になって、あの時の神社に行ったことがあった。たこ焼きを食べようと思ったが、もう、店はなくなっていた。
 僕は、ずいぶん変わったのかもしれない。残りのビールを飲み干し、僕はカウンターを離れた。原田と桜井も、変わっているんだろう。なぜか、同じ味のたこ焼きが梅田にあるのが、不思議に思うよ。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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たこ焼き シオヤ
住所 大阪府大阪市北区角田町9−25 新梅田食堂街1F
電話 06ー6313ー2714
交通 阪急梅田駅、JR大阪駅、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅から徒歩2分
営業 15時から23時
定休日 日曜日
500円くらい。せんべろです。
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撮影 田原慎一

枚方『四万十 寺田屋』(大阪)龍馬の鯖寿司を食べる。

しばてん踊りの夜。IMG_4621

 川漁師のえっちゃんが大阪に遊びに来た。
 というより、飲みに来た。飲んだのは『寺田屋』である。
 何年か前、僕が四万十に取材に行ったとき、
「大阪に店を出すんよ」と、えっちゃんが云った店である。
 どの辺りに出すんだろう? と、思っていたら枚方である。僕の家から10分くらいの場所で、驚きだった。四万十までクルマで7時間くらいかかるのに・・・。

 淀川の宿場街で『寺田屋』と云えば、京都伏見にある龍馬の船宿である。お登世さんがやってた宿で、寺田屋事件とか幕末の歴史にしばしば登場する。
 えっちゃんの寺田屋って龍馬に関係あるの? と訊いたら、
「うちの苗字は、寺田やけん」と、えっちゃんが云った。
 なるほどね。ややこしや。
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「献杯」と、えっちゃんが云った。
 土佐流に、彼女がお銚子を斜めに注いでくれる。お銚子は、お酒が注ぎやすいように尖った口があるが、そこからは注がない。縁が切れないように、切れの悪い場所から注ぐ。
 献杯、返杯が始まると大変である。
「酒は、倒れるまで飲むもんやけん」は、えっちゃんの口癖である。
 返杯!! と、彼女がお猪口を差し出した。
 真似してお銚子を斜めにして注ぐ。
 じゃぁ、献杯。と、続く。果てしない。
IMG_4608
「ここの鯖寿司って、土佐の清水鯖?」
「そうやけど」
「酢は、橙酢かな」
「柑橘系の酢を使うちょるよ」
 坂本龍馬の好物の記録が残っている。
 龍馬が、友人の家に遊びに行ったときのことだ。
『坂本が好きであるから、鯖の刺身へ橙の酢をかけたものを出した』とある。
 えっちゃんの店では、その龍馬が食べた鯖寿司を食べることができるらしい。寺田屋では、特に何も云ってないけどね。
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 僕は、龍馬の鯖寿司と、カツオの藁焼きを頼んだ。カツオは、塩とニンニクで食べる。
 龍馬の鯖寿司食べてみたいしね。
「藁焼きやったら煙たくなるって、えっちゃんが嫌がるんや」と、厨房でカツオを藁でいぶしながら板長が云った。板長の手元から、炎が上がっている。
 厨房から藁が焼ける匂いが漂ってきた。田舎の民家で、囲炉裏を囲んでいるような気分だ。
「うち、そんなこと云うちょらんで」
 そうかな。云いそうである。
 僕は、日本酒が並んでいる瓶の中から、岡田以蔵を選んで頼んだ。龍馬の鯖寿司と、酒は人斬り以蔵だ。一口飲むと、旨い。
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 今日は、ええもん持っちょるんよ。と、えっちゃんが鞄から風呂敷のようなものを出した。
 何かの顔が描いてある手ぬぐいだった。ハサミを出して、目の部分を開ける。
「負けた方が、踊るんよ」と、えっちゃんは頭に被って云った。
 しばてん踊りだと云う。えっちゃんが手をヒラヒラさせて、ユーモラスに踊って見せた。
「何に負けたら?」
 なんでも、ええで。
「これを被ると、誰でも踊りたくなる魔法の手ぬぐいや」
 ことによると、龍馬も踊ったのかもしれない。ふと、そんな風に思った。
 献杯!!
 えっちゃんが踊っていた。飲みたいだけじゃないのか。ひらひらひらひら。
 返杯!!
 僕も被ってみる。すると、なんだか踊りたくなる。
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「ええやろう。土佐に来たら、いっぱい踊らせてあげるけん」
 何杯飲んだのか、分からない。
 献杯と返杯が続く。
 しばてんがひらひらと踊っている。えっちゃんの笑い声が聞こえていた。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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寺田屋
住所 大阪府枚方市岡東町11ー14 菊本ビル1F
電話 072ー845ー2001
交通 枚方市駅から徒歩2分
営業 17時から24時
定休日 月曜日
5千円くらいでした。飲み過ぎです。
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撮影 田原慎一

梅田『たこ梅』(大阪)日本一古い関東煮屋。

ガード下にある老舗?IMG_4554

 新梅田食道街に『たこ梅』はある。
 1844(弘化元)年創業だから、こいつは古い。もちろん、江戸時代に電車は走ってないから、大阪日本橋は道頓堀に本店があるけどね。
「かんとうだっきゃ、やで、かんとうにとちゃうねん」と、酒飲みのチエが云った。

 白い手編みのセーターを着て、ジーンズに赤いリーボックだ。今日は、飲む気まんまんで来てるようだった。
 そう、子どもの頃、確かに「かんとうだっきゃ」と、発音していたと思う。
「おでんって、いつごろからやろう?」
「コンビニで売り出してからちゃうか?」と、チエが云った。
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 『たこ梅』に入ると、中は客でいっぱいだった。
 これは待たないといけないな、と思っていると、丁度、若いカップルがふたり席を立ち、僕たちはそこに座ることができた。見回すとほどよく酔ったひとたちの顔がずらりと並んでいる。いい感じである。
 何にしようか? と、メニューを見てみる。
 まずは、名物の上燗酒だ。チロリから錫のコップに燗酒を注いで飲むのが旨い。それから、やはり名物のたこ甘露煮も。
「晩秋やから、土瓶蒸しも頼んでや」と、チエが云った。
「タコの甘露煮が名物やから、たこ梅なのかな」と、僕は呟いた。
「素人さんやな、ちゃうちゃう、カウンターがコの字になってるやろ、お客さんにたこ足配線のようにサービスができるから、江戸時代からタコって呼ばれてる形式なんや」
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 エマが、なんか物知り佐々木みたいである。
「お店の人なの?」
「へへ、ネットで調べてきてん」と、チエが舌を出して白状した。
 なるほど。そうだろう。チエは、ただの酒飲なんだ。
「じゃぁ、なんで『梅』なん?」
「初代が、梅さんやったからやな」
 う、詳しい。
「ど根性ガエルかよ」
「あれは、お江戸の下町や。こっちは道頓堀の梅次郎さんや。いま、五代目らしいで」
 燗酒で満たされたチロリが来た。
 僕は、もの欲しそうな顔をしたエマのコップに注いであげる。
「ええ、香りやなぁ」とチエは云うと、ひょいとひとくち飲んだ。
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「うちが子どもの頃、家の近くのお風呂屋さんにおとんと行っててん。帰りによく関東煮を買って食べたわ。真っ黒になったチクワとか、すじ肉、美味しかったなぁ」
「昔、住んでたとこ?」
「だんじりのある和泉市や。関東煮は、駄菓子屋の店先で食べたで」
「だんじり文化圏にいたんだ」
「太鼓の音に、今でも胸が躍るねん。隣町のだんじりが来たら、ぶっつけてた時代や。喧嘩だんじりは、今、あかんやろ」
「危ねぇなぁ。けが人とかでそうや」
「いや、それが意外と大丈夫なんや。ぶつかるの分かってるから、屋根の上で赤い団扇を持って踊ってる若衆がヒラリと降りてくるねん。それがかっこええねん。芸術的やったなぁ。ぶつけてだんじりの屋根がふっ飛ぶねんで」
「それを子どもも引いた?」
「危なくない先頭で引かせてもらえるんや。そうそう、男の子たちが下品な歌を意味も分からずうたいながら・・・。子どもだんじりじゃなくて、本物のやった」
 いい時代だったのだなぁ、と思う。
 チエがさえずりを注文した。名物らしい。
「鯨で、関東煮の味を出してるねん」
「なんの味かな、と思ってたんだ。鯨かぁ」
 日本の伝統、江戸の味なんだなぁ、とおでんを食べながら思った。おっと、関東煮である。
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 チエが酒のお代わりをした。
「梅さんの関東煮は、どんなんやったんかなぁ」
 チエはさえずりを食べながら云った。
「だんじりが喧嘩しなくなったように、関東煮も美味しく上品にアレンジされてるハズや(証明は難しいけどね)。初代梅さんの頃は、もっと、豪快な『かんとうたっきゃ』だったと思う」
「昔のだんじりおもろかったわ」
 チエはちろりから自分で酒を注いで、ぐいっと飲んだ。子どもの頃の、だんじりと思い出しているのかもしれない。ああ、昭和も遠くなってきたなぁ。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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たこ梅
住所 大阪府大阪市北区角田町9−25 新梅田食堂街1F
電話 06ー6311ー3309
交通 阪急梅田駅、JR大阪駅、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅から徒歩2分
営業 16時から22時50分(平日) 15時から22時50分(日・祝)
定休日 無休
ひとり三千円くらいでした。
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盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

浦和『金太郎』(埼玉)カマンベールもんじゃがすごい。

北の国から。12270413_925251044234094_1176460071_n

「埼玉でごめん」
「なんも。東京も埼玉も内地だから」
「内地って・・・」
 根室から、従姉妹のはるぴょんが来ていた。東京のもんじゃ焼きが食べたいと云うからじゃぁ『金太郎』だな、と連れてきたのだ。
 だって美味しいんだもん。近いしね。
「かおりんに、前に会ったのはいつだっけ?」
 はるぴょんのアニメ声を久しぶりに聴くと懐かしい。長い髪をショートカットにしていたけど、変わってないなぁ、と声を聞きながら思った。
 子どもの頃と、同じ声なんだよ。
「忘れちゃった。一昨年、おじさんの法事だっけ。お寺がむちゃくちゃ寒かった二月の」
「そんなに経ってたっけ」
 ここ? と、もんじゃと書いてある暖簾を見てはるぴょんが云った。
「初めて食べるから、わくわくするよ」
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「いらっしゃい」
 店員の大久保さんが元気よく云った。赤いTシャツを着てタオルで鉢巻きをしている。俳優にこんな人いたな、と会う度に思っているけど、思い出せないでいる。誰だっけ?
「従姉妹のはるちゃん」
「美人が来ると、店が華やぐなぁ」

 同じTシャツを着たおじさんが云った。眼鏡をかけた人なつこそうな人だ。笑顔がいい。
「うちの専務なんです」と、大久保さんが云った。

「東京の人は、口がうまいから」と訛ながら、はるぴょんがぺこりとお辞儀をした。
「ここ埼玉だから」
「おんなじ内地っしょ」
 子どもの頃、根室に遊びに行ったわたしのことを内地の友だちって紹介してたのを思い出していた。内地かい。と、みんな驚いたように反応するのが不思議だった。
「彼女、根室から遊びに来てるんです」
「もんじゃ焼きは根室にはないの?」と、大久保さんが訊いた。
「なんにもないです」と、はるぴょんが云った。
 なんにもないことないだろう。
 いつものやつ焼いてください。と、注文した。それと、ビールもふたつ。
「カマンベールまるごと焼くもんじゃが美味しいの」
「ケンタッキーがないのよ」
 なんのこと? と、はるぴょんの顔を見た。
「根室にないの。中標津とか、釧路に行く人がいたら、お土産に頼んだりするんだよ」
 そうなのか。ケンタを特別なお土産にと思ったことなかった。
 まぁ、まずはビールで乾杯だ。
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 カマンベールもんじゃがやってきた。
 ごろんとカマンベールがのっかっている。すごいのだ。
「これこれ」と、わたしは頬を緩ませながら云った。
 早速、大久保さんがじゃじゃっと混ぜて、熱い鉄板に乗せてくれる。もんじゃの焼ける香りが漂う。なんだか嬉しい。
「焦げたとこが美味しいの」と、わたしが云った。
「街中が暖かいねぇ。根室じゃ、8月にストーブ焚くときがあるんだよ」
「プーチンは元気?」と、訊いた。
 はるぴょんが飼っている白い犬だ。ムツゴロウの動物大国から、貰ってきた由緒正しい雑種らしい。
「カラスからかわれて可愛そうなの」
 どういうこと?
 カオリは首を傾げて、はるぴょんを見た。ビールをひとくち飲む。喉が渇いているから旨い。泡まで美味しい。
 カマンベールが溶けて、いい具合。食べられそうかな?
 心の声が聞こえたのか、
「もう、食べられるよ」と、大久保さんが云った。
 楽しみ、とはるぴょんが小さなヘラでもんじゃをすくう。美味しい! と、アニメ声が響いた。で
 しょう? と、わたしも焦げたところをすくって一口食べた。おお、美味。
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「カラスが二匹やってきて、片方がプーチンの注意を引くの。それで、片方がえさ入れを咥えて逃げるんだよ。最後に、えさ入れがプーチンの小屋の上に置いたりもするんだよ。やつらは、毎日プーチンをからかいに来るの」
 犬がカラスにからかわれてるんだ・・・。
「でも、仲のいい友だちもいるんだよ」
「友だち?」
「マリーってお隣さんの柴犬。プーチンと散歩に行くと、マリーもついてくるんだ」
「マリーの飼い主と一緒に?」
「マリーは、勝手に来るから飼い主はいないわ」
「放し飼いなの?」
「そういうわけじゃないけど、毎日、家を抜け出してくるみたい」
「変なの」

 何年か前、はるぴょんの家に遊びに云ったことがあった。
 真冬の根室で流氷を見に行った時のことだ。プーチンは氷のように堅い雪の上で寝ていたのを覚えている。プーチンが寝る場所だけ、氷が溶けて地面がうっすらと見えていた。
 浦和の室内犬だったら、たちまち死んでしまいそうだ。服を着て散歩している犬を見かけると、いつも氷の上で寝ているプーチンを思い出す。
「これからどこに行く予定?」
「ディズニーランドと、そうねぇ大阪にも寄りたいな」
「大阪遠いよ」
「そうかな。たこ焼き食べたいし」
 普通、東京のついでに大阪に寄ったりはしない。はるぴょんの距離感は、わたしとは違うらしい。
「来年は、根室に来なよ」
「じゃぁ、ケンタッキー持って」
「ミスタードーナツもね」
 わたしたちは、笑いながらビールのお代わりをした。
<取材 かおりん@もつ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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金太郎
住所 埼玉県さいたま市浦和区仲町2ー3ー4
電話 048ー822ー8833
交通 浦和駅西口より徒歩6分
営業 11時30分から14時 17時から23時30分(月から金)
   11時30から23時30分(土・日・祝)
定休日 無休
ひとり2千円くらい。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

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撮影 田原慎一

梅田『奴』(大阪)せんべろ巡礼。

「ひとり?」IMG_4528

 立ち飲み屋のカウンターで瓶ビールを飲んでる男に、声をかけられた。どこか馴れ馴れしい男だった。
 そうです。と、僕が答えた。
 男はデザインが昭和な白シャツと、グレーのズボンに茶色いサンダルをはいており、年齢は僕と同じくらいだ。
「どこかでお会いしましたか?」と訊くと、
「そうか」と、男は云った。

 そうか、は答えになっていなかったけど、男が残念そうな顔をしたので、たぶん、顔見知りなのだろう。ことによると名刺交換くらいしているかもしれない。僕は、顔と名前を覚えるのが苦手で、失礼することが多い。
 なので僕は、男に会釈をした。男は、ビールの入ったコップをかざし、乾杯とばかりに会釈を返した。思い出せない。というか、覚えがなかった。
 立ち飲み屋でよくいる酔っ払いだろう。

 僕は気にせず樽酒を注文した。さえずりと、カニ酢も。
 さえずりは亡くなった父の好物で、あるとなんとなく頼んでいる。独特の食感がいい。
「さえずりは、私も好物です」と、男が云った。
 男もさえずりをツマミにビールを飲んでいた。
 店主が樽酒を受け皿の枡に溢れんばかりに、というか溢れさせて注ぎ僕の前に置いた。
 僕が、溢れている酒の写真を撮ると、
「写真は手元にあるものだけにしてください」と、店主が云った。
 はぁ、と僕が生返事をする。
 樽酒を飲むと、檜の香りが口に広がった。旨い。
「私も樽酒をもらおうかな」と、男が云った。
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「子どもと映画を見に行ったんですよ」と、男が云った。
「何の映画です?」
「まだ、小学校に上がったばかりの男の子とふたりでね、ウルトラマンの五本立てですよ。大変でした」
 どこかで昭和の懐かしい映画特集でもやっているのだろうか。でも五本立てはきついな。と、僕も思う。
「全部見たんですか?」
「いや、3本くらいは見たんですが、もう眠たくてね。子どもも飽きたようなのでレストランで一緒に飯を食べて家に帰しました。で、私はここで飲み直してるところですよ」
 いささか疲れました。と男は云うと、ポケットからハイライトを出し火をつけ、ふぅっと旨そうに吸った。
「奥さんに吸うの止められててね。こうやって、こっそり吸ってるんです」
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 僕も子どもの頃、父とウルトラマンの映画を見に行ったことがある。やはり、五本立てだった。その時、最後まで見たかどうかは覚えていないけど、暗い映画館で父がスクリーンを凝視しているのを不思議に思っていたのを覚えている。大人がウルトラマン見て、面白いのだろうかと。
 で、その後、父と食事をして帰ったと思う。
「僕も男の子がひとりいます。幼稚園の頃は、ポケモンとかよく映画館で見てました。最近だと、宮崎駿の『風立ちぬ』とか。もう、大きいですから」
「昔は、子ども向けの映画がなかったねぇ」
 男は、受け皿の枡に溜まった酒を美味しそうに飲んだ。コップをひとつ、と店員に云い、まぁ、いっぱい。と、僕に注いでくれた。
「いま、子どもはいくつ?」と、男が訊いた。
「中学3年です。この間、幼稚園だったのに、驚いてます」
「なら受験だ。大変だ。私のところは、男の子と下に女の子だね。年子だ。でも、まだ小学生だよ」
 そう云うと、男はさえずりをひとくち食べて、酒を飲んだ。
「子どもはいつの間にか大きくなるからねぇ」と、男は呟くように云った。
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「相撲は好きかい?」と、男が訊いた。
 僕がどちらでもない。と、答えると、男は残念そうな顔をした。
「そうか。じゃぁ、野球か?」
「それも、あまり」
「なんだ、つまらないヤツだな。相撲は面白いよ。麒麟児とか好きだね」
「父が昔よく見ていました。僕は、裏番組のアニメが見たかったんですが」
 升酒をお代わりをした。店主が、また、溢れるように酒を注ぐ。
 少し酔ったらしい。
 店内は、いつの間にか、サラリーマンでいっぱいになっていた。
「すみません」と、若いカップルが僕の隣に入ってきた。
 どうも、と僕が体を斜めにして間を開ける。
 後から入って来た女の子が、すみませんと微笑んで頭を下げた。

 隣で飲んでいた男が、いなくなっていた。
 くしゃっと丸められた、空のハイライトがひとつ置いてある。
 父が、よくこうやってハイライトを丸めていたなぁ。男は、どこか亡くなった父に似ているような気がする。服装も髪型も、そういえば男の額にあった傷も、父そっくりだ。
 僕は慌てて店を出、男を捜した。迷路のような食堂街に、男の姿は見当たらなかった。もう、子どもが待っているあの頃の家に、帰ったのかもしれない。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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住所 大阪府大阪市北区角田町9−26 新梅田食堂街1F
電話 06ー6312ー6703
交通 阪急梅田駅、JR大阪駅、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅から徒歩2分
営業 11時から23時
定休日 日曜日

せんべろ屋です。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
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下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
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全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

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撮影 田原慎一

梅田『みうら屋』(大阪)空心菜とシンハービール。

「初めてのビール、覚えてる?」IMG_4500

 シンハービールを僕のコップに注ぎながら、佐々木が云った。
 晩秋の夕暮れ、僕たちはタイ料理屋にいた。佐々木は、北海道大学からの帰りで「大阪は、街中に暖房を入れてるんか?」と、ここに来るまで繰り返していた。
 むわっと大気が湯気っぽく、暑いらしい。体が、寒さに慣れてしまったのだろう。
 僕には、震えるほどじゃないけど十分寒いのだけど。
「初めて飲んだビールはひどい味だった」と、僕が答えた。

「だろう。最初は、ビールの飲み方が分からへんねん」
 佐々木はビールをひとくち飲んで云った。
「特に、子どもにはね」とも。
 僕もシンハービールを飲む。ほどよく苦い濃厚なビールだ。
 タイ料理には、タイのお酒がいい。
「甘い味は、舌先で感じる。苦味は、舌の奥や。僕たち大人は、食べ物を上手に舌先でコントロールをして食べてるんや。舌で転がすって云うやろ」
「そんな風に思って食べてないけど」
 そうかも知れないと思っていた。
 空心菜の炒め物が来た。僕も佐々木も食べるのが初めてだ。もうひとつ頼んだのは、バナナ・ピーナツクリームで食べるポークステーキだ。バナナピーナツクリームも初めてだった。
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「子どもは美味しく感じる舌の場所に、ビールを運んで飲むことができへん。自転車に乗れないようにや」
 空心菜を食べてみた。塩加減も丁度良く、食欲をそそる味だった。ビールにも合う。
「子どもや外国人が、ワサビが苦手なのも同じ理屈や」と、佐々木が続けた。
「パクチーはどう?」と、僕が訊いた。
 独特の香りと味がする野菜。苦手な人と、なんでもパクチーを入れたがる人がいるように思う。僕のまわりだけかも知れないけど。
 そう云えば浦和のかおりんは、いつもてんこ盛りにして食べる。
 佐々木は、そのどちらでもないと答えた。ただ、ちょっと苦手かもとも。
「パクチーは、僕の舌がまだ対応できてへん」と、佐々木が云った。
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 ポークステーキが運ばれてきた。バナナ・ピーナツクリームがどっさり添えてある。
 箸でクリームをひとくち食べてみると(甘いから舌先で味わってみた)、ココナッツミルクの味がほんのりとして、旨い。肉につけて食べるのは、意表をついているけどね。
「甘さは、俺たちのエネルギーや。子どもの頃からみんな好きな味やろう。苦味とか、酸味は、学習しないと食べられない。酸味なんて、腐っていると脳は判断するし、苦味は毒と判断する」
「パクチーも、僕には複雑だ」
「肉と、甘いソースは誰でも旨い。でも、大人になると、こればっかり出てこられるとうんざりするで」
「北大には何をしに行ったんだ?」
「あそこの学食は旨いからね」
 佐々木は、チャーンビールを注文した。飲んでみると、シンハーより薄く感じた。僕たちは、シンハーが旨いに2票だ。

 余談だけど、子どもの頃、祖母の家に遊びに行ったとき、喉が渇いて冷蔵庫にある水を飲んだことがある。コップに冷えた水がいっぱいあったからだ(いかにも飲んでくれってばかりに)。あー水だ。と、僕が飲んだら、日本酒だった。すぐさま僕ははき出した。
 腐った水だと感じたからだ。
 子どもには、酒は毒だったり、腐った水だったりするのだと、今でも思っている。それきり、確かめずに、何かを飲むことはしなくなった。
 僕は、学習したのである。
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「オヤジになっても、初めて食べるものは多い。とはいえ、俺たちは経験で乗り越えられる」
 佐々木は、ポークステーキにバナナ・ピーナツクリームをたっぷり乗せて食べ、チャーンビールを飲んだ。
「チャーンビールはいまひとるかな」
「高校の時、ラジオのクイズで当たった高級中華覚えているか?」と、僕が云った。
 ホテルの中華料理10人前が当たったのだ。ひとり2万円のコースだったと思う。腹を減らせた17才の男子高校生が10人、ジュースを飲みながら食べたのである。
「最初の前菜で、俺たちは腹一杯になって食えなくなった」と、佐々木が遠い目をして云った。
「そうそう、檜垣くんが、dの料理もラーメンの十倍美味しいって、美人の店員に云ってなんだか恥ずかしかったことも」
 僕たちは食べきれなかった料理を持ち帰るという知恵も無かった、だから必死に食べた。もうダメだ死ぬ。と思ったら、最後にデザートで大学芋が出たんだ。
「あれは、きつかったな」と、佐々木が云った。
「でも、旨かった」
 なんて店だったのか。後で聞いても誰も覚えていなかった。
「あの時は、初めて食べる料理ばかりだったけど、どれも素敵に旨かったな」と、佐々木が云った。
 僕たちの記憶の中にしか残っていない料理をいつか探し出したいと、いまもで思っている。
<記事 大阪せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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タイ食堂 みうら屋
住所 大阪府大阪市北区角田町9−25 新梅田食道街1F
電話 06ー6361ー0081
交通 阪急梅田駅、JR大阪駅、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅から徒歩2分
営業 11時30分から23時30分
定休日 無休
ひとり2千円くらいでした。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
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      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
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下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
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浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
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※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

枚方市『パン・デ・トール』飲み放題なの? ランチなの?

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 居候のススムを連れてランチに行くことになった。
 たまには、昼飯じゃなくて、小洒落た店でランチに行きたかったからだ。
「さなちゃん、ここがいいよ」と、助手席のススムが云った。
 つぶれそうな小汚いラーメン屋だった。傾斜のついた狭い駐車場がひとつ。クルマの運転が苦手なので気が進まなかった。
「もっと、小ぎれいな店を見つけろよ」
「そーかなぁ、ラーメンにチャーハンにビールって魅力的だよ」
 母親と喧嘩して一文無しで家出をしてきたヤツが何を云ってるんだ。と思った。 服もいま着てるジャージだけ。帰りにユニクロにでも寄らないと、不潔で部屋に置いておくわけにはいかない。
「バイトくらいしろ」
「あ、ここは?」
 スルーかよ。
 パン・デ・トールというレストランだった。サナエが想像した素敵さに、いまひとつだけど、まぁ、いいか安そうだし、と駐車場にハンドルを切ることにした。
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「隣がパン屋さんだ。この洋食屋は、きっと旨いよ」と、ススムが適当なことを云う。確かに隣はパン屋さんだ。『ぱんの蔵』という看板が出ている。
 ファミレス風のパン・デ・トールに入ると、若い女性店員が案内をしてくれ、四人がけのテーブルに座った。広いテーブルが嬉しい。
「飲み放題があるよ」
「あるね」
「僕はそれ」
「ランチに来て、なんで飲み放題なんだよ」
「ランチも頼むよ。当たり前だろ。僕は、オムライスだ。さなちゃんは?」
 カツカレーにした。自分だけかよと思ったが、飲み放題の値段が1200円で安い。夜、飲まれるよりいいか、とススムの分だけ頼んだ。
 赤ワインから。面倒だからどんどん飲んでくれ! と、思う。
「俺、日本で五本の指に入るくらい不味いカツカレーを食べたことあるんだ」
 東京の渋谷のガード下にある食堂らしい。ああ、あの暗い通りか、と昔の記憶を辿っていた。
「カツカレーってさ、揚げたカツにカレーかけるだけじゃん。どうやったら、不味いカツカレーができるのか不思議なんだ。で、次云ったとき、カツ丼を頼んだんだよ」
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「なんで、不味い店に通うんだよ」
「なんとなく、入っちゃったんだよ。研究ってやつかな。そしたら、これが日本で三本の指に入るくらい不味い」
「なんで、三本なの?」
「だって、残したんだよ。この俺がさ。ハラ減ってるのにカツ丼残したのは生まれて初めてだよ。どうしたら、あんなに不味いカツカレーとかカツ丼とか作れるんだろう? カツとタマゴで不味いものなんて作れないよ」
 ススムは腕組みをして黙ってしまった。何を考えてるのかは不明だ。
 店員がカツカレーを運んできた。話しを聞かれたようで、怪訝な顔をしている。
 この店のカツカレーじゃないです。と、云いかけたけどやめとく。
 説明がややこしいし。
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「カツカレーちょっとくれよ」と、ススムがスプーンですくって食べた。
 旨い。旨い。と、笑ってる。40過ぎのおっさんがやることじゃない。
 オムライスも来た。ホワイトクリームのかかったオムライスだ。ずいぶん大きい。カツカレーもだけど、ここは全体的に大盛りなのかもしれない。
「さなちゃん、俺ができそうなバイトない? 楽でさ」
「ねーよ。あんたの母さんが迷惑かけるに決まってっから、さっさと長崎に追い返してくれって、手紙が来たよ」
「心配性なんだよ」
 ススムは、旨そうにオムライスを食べてワインをお代わりした。
 こいつ、馬鹿なの? 死ぬの?
「居候がいたら、彼氏ができないんだよ」
 従兄弟のススムは『居候』と呼んでいた。
「バンドのオーディション頑張るからさ。年内にバイトも探すよ」
 こいつ、来年までいる気かよ。

 友だちの広告屋からメールが来た。なんだろう。と、読むと、急ぎで選挙ポスターを貼るバイトを探しているという。
「誰かいない?」 
 目の前にいる。と、返事をした。

「何杯目?」
「わかんない。美味しいよワイン」
「叔母さん家で、何してたの?」
「引きこもりってやつだよ」
「引きこもってないじゃん。あたしの家に来てるし」
「じゃ、ニート」
「どうすんだよ。これから」
「自立しないとダメだね。だから家出なんだ」
 ススムは、自慢げに云うと、ワインのお代わりをした。
<記事 大阪せんべろ探検隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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パン・デ・トール
住所 大阪府枚方市田口山2ー31ー1
電話 072ー836ー5522
交通 JR東西線長尾駅から京阪バス『春日山』から徒歩3分
営業 9時から22時 9時から11時30分(モーニング)
   11時から15時(ランチ)
定休日 不定休
ひとり千円くらい。飲み放題は1200円でした。
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両国『花の舞』(東京)土俵のある飲み屋。

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 アメリカのポートランドに20年以上出張しているトシと、マレーシアの10年以上出張しているマサユキと、上海にもう何年いるか分からなくなったユウジが、同時に日本に帰ってきた。
 四半世紀会っていない友人たちだ。学生の頃は、毎日のように会っていたのにね。
 どこに行こう? とトシにメールで訊くと、
 日本らしい場所に行こう。となり、両国で飲むことになった。
 両国駅で懐かしいトシの顔を見つけ「よう」と云うと、
「ハロハロ」と、手を差し伸べ握手をした。ぐっとくる力強い握手は、海外生活の長さを感じさせる。チノパンにグレーのセーターを着ている。見かけは25年前と変わらないように思えた。でも、どこか異国の香りを漂わせていた。
「ハンバーガーとかステーキは、やめてくれ」と、トシが云う。
「あえて、日本のを食べてみるとか?」
「よせよ」

「Hai!」と、マサユキが合流し(今度はハイタッチだった。僕のハイタッチは、どこかぎこちないのだ)、ユウジもほどなくやって来た。
「ずいぶん会ってないけど、久しぶりって感じでもないな」と、ユウジが云った。
 さっきまで、出社していたユウジはスーツを着ていた。ネクタイは落ち着いたブルーだ。マサユキは、ジーンズにチェックのエンジっぽいシャツ。工学部の学生だった頃と、ほぼ、同じ格好である。
「水泳は続けてるのか」と、僕がユウジに訊くと
「平泳ぎを続けてるよ」と、ユウジが答えた。
 平泳ぎの選手で、結構、いい線いってたんだ。平泳ぎは、足の形と足首の柔らかさで決まる。早いヤツは、平泳ぎ用のカラダを持って生まれくるんだよ。と、ユウジが云っていたのを、いまもで覚えている。
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「国技館みたいな店だな」と、マサユキが云った。
 予約していた居酒屋『花の舞』に入ると、中央に土俵が据えつけてあった。僕たちは枡席に座る。
「子どもは、いくつになった?」と、僕はトシに訊いた。
「高校生と大学生だ。アメリカは入試もないし、授業料も無料なんだ。のびのびやってるよ。問題は、下の子が、日本語を忘れてきていることだな」
「家では日本語?」
「そうだけど、子どもたちは英語の方が話しやすい」
 母親が寂しがっていると云う。そりゃそうだろう。と、思う。

 ビールが来て乾杯をした。
「土俵の前で飲むと、日本に来たって思うよ。日本人だって、土俵の前で飲まないだろうけどね」と、ユウジが云った。
 トシが刺し身の盛り合わせを頼んだ。と、ちゃんこ鍋。
「ハンバーガーは?」
「よしてくれ」
「中華もなしだ」と、上海帰りのユウジが云った。
「カレーも」と、マレーシアのマサユキも続けた。
「ワシントンに寿司を食べさせる店があるけど、ネタが違うんだ。どこまでもアメリカ風」と、トシが云った。
「マレーシアも似たようなもんだよ」と、マサユキが云った。
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 するとテーブルの前に、お相撲さんがやってきて、
「楽しんでますか?」と、笑顔で云った。
 いっぱいいかがですか? と僕たちがすすめると、これから一番取りますから、後でごっちゃんになります。とお相撲さんの田代が云った。
「タッシーと読んでください」
 トシと握手をして、タッシーは戻っていった。

「女の子たちは、どうしてるかな」と、ユウジが云った。
「おばさんになってるよ」と、トシが云った。
「俺たちだっておじさんだ」と、僕が云った。
 相撲が始まった。ぴしゃっとカラダがぶつかる大きな音がした。本格的なので驚く。だけど応援していたタッシーは、寄り切られて負けてしまった。
「タッシーずいぶん悔しそうだね」と、トシが不思議そうに云った。
「ショーなのになぁ」と、ユウジがビールをひとくち飲んで云った。
 案外、本気なんじゃないか。と、僕は思った。元関取らしいし。
 不思議な空気と、不思議な時間が流れていた。
 僕たちは中見は変わっていないし、声もあの頃と同じだけど、みんな歳を取ってる。肩書きも、学生ではなく部長だったり。ここは国技館に似せているだけど、居酒屋だ。お相撲さんも元関取だ。
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 トリックアートの中にいるような気がしていた。ぜんぶ、幻なのかもしれない。 酔っていた。
「次は、いつ会える?」とは、誰も訊かない。
 次は、何年後か分からないからだ。
「アメリカに、いつ戻る?」と、僕はトシに訊いた。
「来週の火曜日だよ」
 25年前と同じ声が、テーブルを飛び交っていた。
「いつみんなで飲める?」
 そう云いかけ、僕はビールのお代わりをした。
<取材 アライ@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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大江戸八百八町 花の舞
住所 東京都墨田区横綱1ー3ー20
電話 03ー5619ー4488
交通 JR総武線両国駅西口すぐ
   都営大江戸線両国駅よろ徒歩6分
営業 11時30分から14時 16時から24時
定休日 無休
ひとり3千円くらいでした。飲んだー。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab なるみ@おかえり
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
         沙也加@すくもー 乾@八尾YEG トモコ@吹田YEG
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー ナホ@バイオリニスト
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
土浦せんべろ隊長 ススム@ミック
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ! ユウシ@会津YEG
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

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