行け! せんべろ探検隊。

千円でべろべろに酔える店を彷徨う、せんべろ探検隊ストーリーです。探検隊だから、時には、危険なまんべろも。いざ、せんべろ劇場へ! まぐまぐで、メールマガジンを発行してます。ほぼ週末に人気記事を発送してます。

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2015年09月

浅草『浅草ちゃんこ場』(東京)お相撲さんとちゃんこ。

「お相撲さんが料理すると、なんでもちゃんこなんです」12047519_902815579810974_2041892429_n

 と、セッキーが云った。セッキーはもと力士で、いまは、いろいろあって親方をやっている。
 久しぶりに浅草で会って、飲もうとなった。
「なんでもいいっす」とセッキーが云うから、
「じゃぁちゃんこ場へ」と僕が誘ったのである。
「え、ちゃんこ屋ですか」
 セッキーは、そんな顔を一瞬したけど、すぐに納得してついてきた。身長が185センチもあり、体もでかい。赤いジャージにセッタをはいてる姿は、見るからにお相撲さんだ。髷はもはや結っていないけど。
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 店に着くと、もと力士のタッシーが迎えてくれた。ちゃんこ場はタッシーが料理長なのである。タッシーとかセッキーとか、ややこしやだけど・・・。
 畳の座敷に座り、まずは、ビールで乾杯!! セッキーと会うのは数年ぶりだった。
「お相撲さんって何が大変?」と、僕が訊いた。
「股割ですね。あれができなくて、やめちゃう人がいます」と、セッキーが云った。
「やってみせましょうか」
 セッキーはそう云うと、股を180度広げて座り、ビールを飲んだ。体が軟らかい女の子がやるのは見たことがあるけど、おじさんは珍しい。セッキーはなんてことないらしく、そのままの格好で座っていた。
「横綱と相撲とるのってどんな感じなの?」
「動きません」
「動かない?」
「そうです。でも、弱い力士と相撲をとるのもダメなんです。ちゃんとした相撲がとれなくなります」
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 ちゃんこ鍋をタッシーが持ってきた。
「ここで相撲とりましょうか?」と、タッシーが冗談ぽく云った。
 大男が狭い部屋で相撲なんか取られたら大変である。しかも、ふたりとも元力士である。
「大阪で食べた当たりつきのたこ焼き覚えてる?」と、僕はセッキーに訊いた。
「ひとつだけ辛いのが入ってるやつですね。覚えてます」
 難波の居酒屋でセッキーと飲んだ時のことだ。メニューにたこ焼きがあって、ひとつだけカラシがいっぱい詰まっている。それを食べたら負け、というゲームをふたりでしたのだ。
 4回やって、僕が4回とも負けた。
「勝負事なら、負けません」と、セッキーが胸を張って云ったのを覚えている。
 僕とは違う世界で生きているんだな、とその時、僕は思った。でも、現役じゃなくなったから、今なら勝てるかも知れない。どうだろう?
 そんなことを考えていたら、
「今でも負けませんよ」と、セッキーが云った。
 なんだか可笑しくなって、僕は笑った。
「僕が考えてること分かったんだ」
「なんとなくです」
 そういうと、セッキーはビールをお代わりした。

「大阪場所で、また、勝負しましょう」と、セッキーが云った。
 たこ焼き勝負である。
「確率で云うと、今度こそ勝てると思うよ」
「勝負は確率じゃないんですよ」
 そう云うと、セッキーは笑った。不適な笑いだった。
 どれくらい飲んだだろうか? もう、食べられないと思ったくらいに、
「次の店に行きましょう」と、セッキーが云った。
 もはやくるしいけど、浅草せんべろ探検は続く。
<取材 ジュンイチ@八木商店 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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トンテキ元気×浅草ちゃんこ場
住所 東京都台東区西浅草2ー27ー10
交通 つくばエクスプレス浅草駅より徒歩3分
   銀座線田原町駅よろ徒歩8分
定休日 無休
ひとり三千円くらいでした。飲み過ぎ。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@元女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

千人の月見の宴

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「千人で飲もう」と、始まった『千人の月見の宴』プロジェクトが無事終わりました。当日、1100人ご来場いただき、本当に、千人で宴会です。
 能楽師・辰巳満次郎による『薪能』と、ジプシー・スィング・ジャズ『山本佳史トリオ』も、素晴らしかったです。

 みなさん、ありがとう!! 来年もやります。
 今夜は、枚方公園たくちゃんを貸し切って、打ち上げです。

 もちろん、せんべろ探検も続けます!!




せんべろ探検隊員エマが受けつけ。

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薪能は川風で、大きく揺れていました。
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舞台の様子です。
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ジャズ、山本佳史トリオ。
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会場はこんな感じです。桟敷席で宴会です。
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ご来場、ありがとうございました。

<大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>

祇園四条『元祖 大四畳半酒場ポン』(京都)おもちゃ箱のような四畳半。

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 アライは仕事を終えると、ヤマモトと四条袂にある『東華菜館』の前で待ち合わせをした。日も暮れようとする6時頃だ。
 少しばかり早く着いたアライは、四条大橋の上から鴨川を眺めた。川岸には、等間隔でカップルが並んでいる。アオサギが、川の浅瀬に2匹立っていた。
 しばらくすると、カメラを首から下げたヤマモトがやってきた。赤いディバックに、ジーンズ、ブルーのシャツにスニーカーだ。どっちが観光客なのか分からない格好である。
 
ヤマモトは、三代続く江戸っ子だった。ところがカメラを持ってしょっちゅう京都で舞妓さんを撮りに行くほどの、舞妓オタクだ。京都に転勤が決まると、大喜びで京都に住み、もう3年になる。

「お待たせさんどす」と、ヤマモトが云った。
「すっかり京都人だな」
「ありがとさんどす。あ、ちょい待って」
 ヤマモトはそう云うと、コマコはーん! と、手を振って首から提げていたカメラで舞妓さんを連写した。プロが使うような望遠レンズをつけたカメラだ。
 四条通を挟んだ歩道を歩いている舞妓さんが、こっちを見て会釈をした。
「コマコはん、ええわぁ。ええわぁ」と、独り言を呟きながらヤマモトは後ろ姿まで連写していた。もはや、盗撮である。
「知り合いなの?」と、アライが訊いた。
「コマコはんは、祇園で有名な舞妓はんなんどす。ちょっとの、知り合いどすな」
 
大学生が落研に入って「するってぇと」と、妙な話し方になってしまった友だちを思い出していた。ヤマモトもその類だな、とアライは思った。
そのうち、元の話し方に戻るだろう・・・。
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「これから、舞妓さんが居る店に案内してくれるの?」
 舞妓さんのいる店で一杯飲みたい。アライはそう思っていた。
「一見さんが何云うてはるんどすか。今から行くのんは、アライはんが好きなせんべろ屋どすえ」
 ヤマモトが案内してくれたのは、木屋町にある居酒屋だった。
 看板に『大四畳半酒場 ポン』と書いてある。
 入り口が、茶室のように狭い造りだった。しゃがんで、入る感じだ。
「いらっしゃい」と、人なつこそうな店主が云った。
「東京から来た、私の古い友人どす」と、ヤマモトが云った。
 馴染みの店らしい。
 店の中は、おもちゃ箱のようだ。壁にはギターが掛けてあり、古いポスターや何やら分からない看板や旗なんかが、ごちゃっと飾ってある。でも、どこか落ち着くな。と、アライは思った。
 とりあえず、ビールで乾杯!!
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「ライブやったり、賑やかなお店なんどす」と、ヤマモトが云った。
「舞妓さんは、どこにいるの?」
「河原町を歩いてたら、置屋はんから移動してはる舞妓はんには会えますえ」と、カメラのレンズに手を掛けながらヤマモトが云った。
「東京には戻れないの?」
「何云わはるかと思えば、京都がええに決まってますやろ」
「健二のエサって?」
「ここの名物どす。卵かけごはんやねぇ」と、ヤマモトが云った。
 名物のエサを頼んでみた。
 
「仕事は忙しいのか」
「ぼちぼち、どすなぁ。明日、舞妓はんの撮影会があるんどすけど、一緒に行きまへんか?」と、ヤマモトが云った。
 アライは時間が無いからと適当に断る。ヤマモトが残念そうな顔をした。祇園で一番の舞妓さんを見せたかったらしい。
 健二のエサが意外と旨い。ビールが進む卵かけご飯だ。

「年末に帰りますよって、八木はんたちによろしゅう」
 そう云うと、ヤマモトはカメラの液晶をアライに向けて、今日獲った舞妓さんの写真の説明をした。コマコはん、コアキはん、これはカツエ姉さん・・・。
 ヤマモトは相変わらずだったけど、情熱を傾けるモノがあるのが羨ましい。
 そえRから小一時間ばかり飲んで、次の店にハシゴである。京都探検は、始まったばかり。楽しくなってきた。
<取材 アラピー@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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元祖 大四畳半ポン
住所 京都府京都市中京区木屋町通三条下ル材木町都会館1F
電話 090ー9112ー4197
交通 京阪三条駅 阪急四条駅
営業 20時から翌6時
定休日 無休
サクッとせんべろでした。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
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大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@元女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
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全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

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撮影 田原慎一

祇園四条『すいしん』(京都)京都の月。もうすぐ、満月だ。

京都の夜のこと。IMG_3234

 雨が降っていた。
 僕は、みーやんと『すいしん』で待ち合わせていた。『千人の月見の宴』の打ち合わせである。みーやんから少し遅れる。と、メールが入り、僕はひとり飲んでいた。
 客は、僕のほか誰もいない。静かな夜だった。

 そう云えば、幕末の『池田屋』で、会合に遅れた長州の桂小五郎が命拾いをしたんだな。と、ふと思った。みーやんみたいに・・・
 『池田屋』は、ここから歩いてすぐのところだ。
 しばらく飲んでいると、新撰組のダンダラ模様を着た男たちが入って来た。京都によくいるコスプレイヤーだろう。大学生くらいだろうか?
「酒!」と、がっしりとした背の低い男が叫んだ。
 雰囲気もでている。薄汚れたダンダラ模様の着物に、二本差し。お揃いのように、隊士たちは草履を履いていた。
 僕は、みーやんにメールを送ろうとしたけど、圏外になっていた。あんなに降っていた雨もやみ、秋だというのに夏に戻ったような蒸し暑さだ。

「祇園の井筒屋に集まるらしい」
「祇園かいな、生意気なやつらや。俺らを『みぼろ』て、いうてるらしいで。ぼろぼろ貧乏や」
「寄り合いは、今夜なんは、確かなんか」
「そうやけん」
「かたっぱしから、探索するしかねぇな」
 新撰組の男たちの会話が後ろから聞こえていた。どうやら、これから『池田屋』を襲撃するようだった。
「平助は、どこなんだ」
「近藤さんと一緒だよ」
「腹ごしらえが先や」
 密かに探索しているには声の大きすぎだろう。でも、これくらい大声じゃないと、パフォーマンスにはならないだろう。浪士たちのコスプレもいるのだろうか?
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「池田屋や」と、突然、入り口からパフォーマンスの仲間が駆け込んできた。
 大汗をかいて、はぁはぁと息が荒かった。
「吉田と宮部は?」
「知らんて! 早うこんかい」と、男が云うと新撰組の一団は、店から慌ただしく出て行った。勘定も払わずに・・・。
 ことによると、店のパフォーマンスなのかもしれない。
 
 また、雨が降り出した。
 携帯にみーやんからのメールが着信した。と、同時にみーやんが店に入ってきた。
「いましがた、コスプレがおらへんかった?」と、僕はみーやんの顔を見るなり尋ねた。
「芸子はんなら、いましたけどね」
 番傘をさした、いい女だったらしい。思わずついて行こうかと思ったくらい。
「また、雨が降ってきたなぁ」
 開け放った扉から、雨の匂いが侵入してくる。さっきとは違う涼しい秋の風だ。
「ずっと、降ってましたよ。俺は、日曜日の『千人の月見の宴』が心配や」
 そう云うと、みーやんは生ビールを頼んだ。
「天気どう?」と、僕が訊くと、
「晴れるみたいです」と、みーやんが答えた。
「新撰組がいたんだ」
 僕は、みーやんにさっきいた男たちのことを話した。
 みーやんはビールを半分ほど飲み干し、しばらく黙っていた。
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「それ、幽霊ちゃいますか?」
 僕は、コスプレーヤーたちと思いたい。幻のような新撰組だったけど。
「京都はオバケだらけやから、それ幽霊ですわ。雨の夜の怪談話は、祇園ではよう聞きます」
 みーやんがだし巻きタマゴを注文した。それと、イカの焚いたん。
「ええ、経験ですやん。新撰組やし」
 みーやんは、そう云いビールも続けてお代わりした。
 幽霊が出たと云っても、さほど驚かないみーやんに驚く。
「産経新聞と朝日新聞と読売新聞が、『千人の月見の宴』を取材してくれました」
と、みーやんが嬉しそうに云った。
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 何人来るのだろうか?
 不安だった。多くても、少なくても・・・。
「薪能の演目『融(とおる)』も、光源氏の幽霊が出てくる話だ」と、僕が云った。
「河川敷で『融』やったら、光源氏の幽霊も来るんちゃいますか? きっと、新撰組の幽霊も応援してくれますよ」と、みーやんが云った。
 そうは思えないけど・・・。
 日曜日は晴れそうである。ああ、晴れたらいいなぁ。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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酒房 すいしん
住所 京都府京都市中京区河原町通四条上ル一筋目東入ル米屋町384
電話 075ー221ー1135
交通 阪急河原町駅より徒歩3分
営業 17時から24時
定休日 無休
千円ちょっとでした。
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撮影 田原慎一

枚方光善寺『八』(大阪)テビチとラグビー。スコットランド戦。

「焼き鳥屋やりたいねんけど」IMG_2437

 と、ナオちゃんに聞いてから、たちまち数年経った。沖縄出身のご主人とやるこだわりの焼き鳥屋だ。
 今では、光善寺の定番焼き鳥屋になっている。

 夜遅く『八』に行った。
 表の電気はとっくに消えている。僕が入ると「もう、終わってんで」と、ナオちゃんに云われるけど、一杯は飲ませてくれるのだ。
 なので店に入る。もう、お客さんはいない。珍しいことに、夫婦でラグビー観戦をしていた。日本対スコットランドである。
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「今日は、店じまい早くない?」と僕が訊くと、
「ラグビーがありますから」と、店主が云った。
「何飲む?」と、ナオちゃんが云う。
 僕は麦のロックを頼んだ。あいよーと、いつもの調子でナオちゃんは麦ロックを作ってくれる。
 ラグビーは、日本が押しているように見えた。画面の中でスコットランドのゴール直前の攻防が続いている。
「いま、なんで笛吹かれたん?」と、ナオちゃんが云った。
「ノッコンや。ボールを前に、落としたらアカンねん」と、客席座りながら店主が云った。顔が真剣である。日本のノッコンだった。
「南アフリカに勝って、日本が11位や。スコットランドは12位。勝ちたいなぁ」と、腕組みをした店主が云った。カウンターには生ビールがふたつ、仲良く並んでいた。ふたりの生ビールだ。
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「なにか食べる?」と、ナオちゃんが云った。
「火を落としたから、焼き鳥はできへんけど」と、店主がすまなさそうに云った。
「何ができる?」
「ポテサラとか」と、ナオちゃんが云った。
「テビチは?」
「テビチはできるわ」
 そう云うと、店主は席を立ってカウンターの中に戻った。テビチは沖縄料理で、豚足を軟らかく煮て味つけしたものだ。沖縄出身の店主が作るテビチだから、本場である。
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 僕は、テビチとこころのこりをよく注文した。こころのこりとは、焼き鳥のこころにある部位で、沢山は取れないらしい。だから、いつも少しだけしかない。早い者勝ちである。
「こころのこりを敷き詰めて、こころのこり丼が食いたい」と僕が云うと、
「それは贅沢やな。こころのこり好きの西やんが、怒りそう」と、店主がふふふと笑った。
「へんなとこにこだわるねん」と、なおちゃんが云う。
「俺は、こだわりなんかないで」
「いや、むっちゃある」
「うるさいな」と、店主が鳥を焼きながら云うと、
 なおちゃんがプイっと横を向いた。『八』で、よく見る風景である。

 テビチが来た。
「大盛りだ」と僕が云うと、
「店は終わってるからサービスや」と、店主が云った。
「スコットランドの選手多くない?」と、なおちゃんが云った。
「スコットランドも大盛り」と、僕が云った。
「集散が早いから、選手が多いように見えるんや。日本、疲れてるんちゃうか」と、店主が云った。
「ああああああ」と、なおちゃんが叫んだ。
 スコットランドにトライを決められたのだ。キックも入る。
「ワントライ返したらなんとかなるで」と、店主が云った。
「あああああああああああ」と、なおちゃんが叫んだ。
 また、スコットランドにトライを決められてしまった。ゴールも決まる。
「負けだな」と、店主が文字通り肩を落ちして云った。そして、ビールを飲み干すと席を立ってビールサーバーからグラスに注いだ。
「ラグビーって初めて見たけど、おもろいな。完敗やけど乾杯や」と、なおちゃんが云った。10対45である。
 乾杯!!
 しばらく話をして、僕は麦ロックを飲み干すと店をでた。空には半月が上がってる。もうすぐ、満月。『千人の月見の宴』まで、後、二日。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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炭火や 八
住所 大阪府枚方市北中振3ー21ー13
電話 072ー833ー1688
交通 京阪本線光善寺駅より徒歩2分
営業 17時30分から24時
定休日 木曜日
千円くらいでした。いつもは二千円くらいです。
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土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

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撮影 田原慎一

四万十『誠道』(高知)四万十のうなぎ、旨いぜよ。

12030743_830320403732047_1833848466_n「売るだけやのうて、たまには食おう」

 川漁師のリョウさんが、タバコを一服しながらエツコに云った。
 作業ズボンに紺色のシャツを着て、いつもの頭巾を巻いている。
 そういえば四万十のうなぎを獲ってばかりで、ずいぶん食べていない。白焼きにタレ、お寿司、うなぎ、うなぎ、考えるとよだれが出そうだった。
「うなぎかえ?」と、エツコが訊いた。
「友だち連れてきいや」
 リョウさん、女の子に囲まれて飲みたいらしい。
「男の友だちでもええの?」と、わざと云ってみる。
 エツコは、リョウさんの横に座って顔をのぞき込んだ。
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「近いき。女の子の友だちや。おっさん連れてきなや。女の子やったあら四万十の、ざまなうなぎくわしちゃるけん」
 リョウさんはそう云うと、タバコを地面でもみ消しコーヒー缶に吸い殻を入れた。
「やったぁ」と、エツコは子どものようにはしゃいだ。
「高い店は無理や」と、リョウさんは云った。
「ほなら『誠道』がえいな」
 エツコが四万十に着たお客さんを連れて行く店だった。あそこなら、安く美味しいうなぎを食べさせてくれる。
 仕事を早く切り上げて、うなぎ三昧だ。ゆうちゃんを呼ぼう、とエツコは思った
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「漁師さんは、毎日、うなぎとか川魚食べてるのかと思った。アオサとか」と、ゆうちゃんが云った。
「そんなわけないやろう」と、リョウさんが云った。
「テレビで漁師のまかないって、料理番組見たことあるんだ。大きな鍋でぐつぐつとアンコウとかメヒカリとかいうサカナを食べてた。なめろうとか」
「それは、千葉の漁師やろ。千葉の漁師も毎日食うてないと思うで」と、エツコが云った。
「俺は、普通に、唐揚げとか天ぷらとか食ってるけん」
「アブラもんばっかりやんか」と、エツコが云った。
 ビールで乾杯。
 リョウさんが嬉しそうにスマホで、エツコとゆうちゃんの写真を撮ってくれた。
「写真、ちゃんと送ってや」
 云わないと、リョウさんは写真を撮るだけである。
「送った?」
「後でや」
「送れ!」
「献杯するぞ!」と、エツコが云った。
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 献杯と返杯は、土佐のしきたりだった。目下の者から杯を差し出し、挨拶をする。杯を受けたら飲み干して返し、今度は返された方が飲み干す。これを延々繰り返すのである。一度、献杯されたら、大変なのだった。

 お銚子の注ぎ口からではなくて、ちょっとずらして注ぐ。お酒の切れが悪くてこぼれそうになるけど『縁が切れる』と、土佐では注ぎ口を使わない。
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 うなぎの白焼きと寿司がきた。
「豪華や。今夜はせんべろ探検やなくて、冒険や」と、エツコが云った。
「まだ、せんべろやってるんか?」と、リョウさんが訊いた。
 リョウさんはうなぎの白焼きを旨そうに食べ、酒を飲んだ。
「やっちょる」とエツコが云うと、
「うちも仲間に入れてよ」と、ゆうちゃんが云った。
「返杯や」と、リョウさんが云った。
 今度は、エツコが受ける番だ。飲み干すと、献杯。返杯。献杯・・・。
「献杯や」
 ゆうちゃんの杯に、エツコがお酒を注いだ。
「味わって飲もうよ」と、ゆうちゃんが云った。
「酒は、味おうて飲むもんやないき」と、リョウさんが云った。
「倒れるまで飲むもんや」と、エツコが云った。
 横浜から移住してきたゆうちゃんは、たまに、ついて行けなくなる。でも、楽しい。と、ゆうちゃんは思っていた。ここの人たちは、本当に陽気なのだ。
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「川漁師って、面白い?」と、ゆうちゃんはえっちゃんに訊いた。
「仕事やで」と、リョウさんが云う。
「おまさんに、訊いちょらん」と、ゆうちゃんが云った。
「自然が好きやけん。答えにならんかもしれんけど」
「返杯や」と、リョウさんがえっちゃんの杯に注ぐ。
 リョウさんは、酒に強いのか、そんなに酔っている風には見えなかった。えっちゃんの方が、むしろ怪しい。

「ねぇ、せんべろ探検隊に入れてよ」と、ゆうちゃんが云った。
「入れたる。入れたる」と、リョウさんが笑う。
「なんかやらしいわ」と、ゆうちゃんが云った。
「献杯!」と、えっちゃんがゆうちゃんに注ぐ。
 こうして土佐の酒盛りは続くのだった。ゆうちゃんは、せんべろ隊に入るのか?
<取材 エツコ@パラダイス 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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誠道(まさみち)
住所 高知県四万十市中村栄町24
電話 050ー5871ー0377
交通 中村駅出口2から徒歩18分
営業 17時から23時
定休日 木曜日
おごっていただきました。ありがとうございます。飲み過ぎの食べ過ぎ。ひとり5千円くらい?
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
年齢・経験不問。お酒が飲めなくても安心して活動できます。
【全国で活躍するせんべろ隊員たち】
大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
      隊員 サナエ@元女優 みーやん@ギタリスト エマ@野菜ソムリエ c@ab
         かおりん@シャンボール ハラタク@じもてぃ ホソカネーゼ@らふぃね
東京せんべろ隊長 にしやん@上々颱風
      隊員 ひろみ@デザイナー
下町せんべろ隊長 ジュンイチ@八木商店
      隊員 アラピー@キャンプ命
掛川せんべろ隊長 川人拓也@伝える人
会津せんべろ隊長 吉川@ジュニエコ100開催地だ!
浦和せんべろ隊長 かおりん@もつ命
      隊員 サヨコ@ピアノ命 まゆゆ@ピンク命 弓子@キャベツ千切り
全米せんべろ隊長 としゆき@カマス・ワシントン
盛岡せんべろ隊長 アキ@盛岡美人
土佐せんべろ隊長 エツコ@パラダイス

※行け! って感じのせんべろモデルはmaiちゃんです。感謝!!!
撮影 田原慎一

天満『七福神』(大阪)初めてのせんべろ。

やすい、うまい、ちかい。IMG_3518

「なんや、座って飲めるやん」と、マイが云った。
 天満の『七福神』である。
「一応、椅子がある店や」と、僕が云った。
「でも、ほぼ立ち飲みやな」
 確かに、立ち飲みカウンターに椅子を取ってつけたような感じである。客同士の距離も近い。
 一杯目の生ビール100円とある。
 なので、生ビールを2つ頼んだ。ほい、っとカウンター越しに店員が冷え冷えのジョッキを渡してくれる。まずは乾杯!!

「やっぱ、大阪はええなぁ」と、マイが云った。
「仙台はどうだったの?」と、僕が訊いた。
 ずいぶん前だけど、仙台で仕事をするとマイが云っていたの思い出した。
 牛タンも笹かまぼこくらいしか思いつかないけど、せんべろ屋だってありそうだ。マイのことだから、飲んでるに決まっている。

「3日しか住んでへんから分からんわ」
「何年か前に、民間の研究所に行くって話してたのは覚えてるけど」
「話してへんかった?」
 そう云うと、マイはぐいっとビールを飲んだ。
「どて焼きください」と、隣の大学生が頼んだ。
 まだ、顔に幼さを残した二人組だ。ひとりはビールじゃなくて、一杯目からチューハイを飲んでいる。ビールが苦手なのかもしれないな、と思った。普通、100円ビールから行く。
「うちもどて焼き」と、マイが真似をして注文した。
「こっちもどて焼き」と、左隣のおじさんが頼んだ。
「こっちも」と、OL風の二人組も。
 どて焼き連鎖反応である。
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「仙台に着いて3日目に、震災が来てん」
「それは、ついてねぇな」
「だから、仕事はなしや」
「住んでたところは大丈夫だったん?」
「怪我はなかったけど、アパートはつぶれた。途方に暮れながら、食料をリュックに詰め込んだんやで。それから、むっちゃ歩いたで、山形までや」

 マイはビールを飲み干して、お代わりをした。
 そして、遠くを見るような目で二杯目を飲んだ。当時を思い出しているのかもしれない。
「死んだ人がほったらかしにされてた。そんな道を難民みたいに、黙ってぐったりしながら歩いたんや」
「ぞろぞろ?」
「ぞろぞろぞろや」
 マイは、キャベツにソースをつけて食べた。続けて、また、一枚食べる。
「で、仙台は3日しかいてなかったってことや」
 ほい、とビールがカウンター越しに渡された。すぐさま、マイはひとくち飲んだ。
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 どて焼きが来た。
 ささっと七味をさっとかける。甘辛い味がビールに合うのだ。
「大阪も揺れたん?」
「震度3だったらしけど、僕は気づかなかった。場所によるのかもしれない」
 大阪には、すぐには情報が来なかった。僕は、たまたまツイッターを見ていたから、ツイッターから生の情報が流れていたんだ。溢れるようなツイートだったのを覚えている。
「生きてたらいろいろあるなぁ」
 自分に話しかけるように云うと、マイは麦ロックを注文した。
「何にしますか?」と店員が訊くと、
「安くて旨いヤツ」と、マイは云った。
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「俺、中学生でしたよ」と、隣の男の子がマイに話しかけた。
 白っぽい半袖のシャツにジーンズをはいている。チューハイを飲んでいる方の男の子だ。
「あたし、中学生に理科教えてるねんで」と、マイが云った。
「中学の先生は大変やないですか」と、もうひとりの男の子が云った。
 こちらは先輩なのか、ちょい大人びている。猫のイラストが描かれたTシャツにジーンズ。黒縁の眼鏡をかけていた。
「いま、文化祭の準備が大変なの」と、マイが云った。なんだか、急に先生口調である。
「学祭って、合唱ですか?」と、黒縁眼鏡が云った。
「ちょっと、前まで中学生だった気がする」と、白シャツが云った。
「高校は三年しかないから、中学生が三年たったら大学生やからね。ちょっと会わへんかったら見違えるねん」と、マイが云った。
「先生も飲むんですね」と、白シャツが云った。
「当たり前やろう」
 マイは威勢良くそう云うと、麦ロックをお代わりした。

「カミ、これ飲んだら次探検行こう」と、マイが云った。
 マイは飲む気まんまんである。
 なにしろ『七福神』は、せんべろ聖地天満の入り口である。ここからどんどん奥地へ突き進もう。そこにせんべろ屋があるから、飲みに行く! のである。
 せんべろ探検は続く。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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七福神
住所 大阪府大阪市北区天神橋4ー12ー1
電話 06ー6353ー5060
交通 JR天満駅から徒歩30秒
営業 12時から23時
定休日 無休
せんべろ屋です。
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大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター
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撮影 田原慎一

枚方光善寺『おかえり』(大阪)立ち飲み屋にただいま。

「せんべろってなんや」IMG_3448

 と、マイが云うので光善寺にある『おかえり』に行った。
 立ち飲みも初めてだと云う。
 マイは、中学校の先生である。担当は理科。だけど子どもの頃から大学まで水泳ばかりやってたから、頭の中は体育系だと思う。ジュニア・オリンピック平泳ぎで優勝したらしいから、筋金入りの体育会系だ。
 でもなぜ、理科の先生なんだろう?

「ほんまや、みんな立って飲んでる」
 店に入るなりマイが云った。
 サラリーマンが3人と、ヤンキー風の女の子のふたり組が飲んでいた。10人も入ったらイッパイの小さな立ち飲み屋である。
「いらっしゃいませ」と、若い女将が云った。
「立ち飲み初めてなんです」と、マイが云った。
「いちいち説明せんでもええねん」
 僕がそういうと、女将が笑った。

「せんべろってのは、千円でべろべろに酔うってことや」と僕が説明すると、
「なるほど、でもあたしは、もっと飲むで」と、マイが云った。
「せんべろ探検隊ってのをやってるんだ」と、僕が云った。
「それ知ってます」と、女将が云った。
 なぜか、たまに読んでいるらしい。ということは、この記事も読まれるのか・・・。まずいこと書かなければいいけど。
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「ジュニアで日本一ってすごいと思うよ」と、マイに云った。
 本当にそう思う。
「ところが、ジュニアで強いと成長すると勝てなくなるねん」
「なんで?」
「体型が変わるし、理由はよう分からん。だいたい、そうや。中学くらいで強いやつが、オリンピックまで行くねん」
「小学校の頃、どれくらい練習したの?」
「朝、昼休み、夕方から夜で、水泳しかしてへん。休みはなしや」
 そう云うと、マイはイモロックを飲み干してお代わりをした。おでんも注文する。
「ずっと平泳ぎやってた?」
「大学で、飛び込みに転向したんや」
「なんで?」
「なんでって、もう、平泳ぎでは勝たれへんもん」
 そう云うと、芋ロックをひとくち飲んで、しばらく黙っていた。
「飛び込みで勝てたの?」と、僕は訊いた。
「それが、大変やったんや。飛び込むのってちょっと角度が悪いと、鎖骨が折れたり歯が折れたりするんや。おかんが、女の子がそんなんやめとけ。って、怒るんやで。青筋立てて・・・。飛び込んで、歯、折れたわ。って、笑って云うくらいやないとあかんねん。うちの前歯は、全部、差し歯や」
 云われてみないと分からなかった。マイは綺麗な歯を見せて笑うから。
「なんかすごいですね」と、女将が云った。
「おかんがうるさいから、家を出て中国の大学に水泳留学してんで」
 やはり筋金入りである。飛び込みでオリンピックを目指してたが、結局、難しかったという。オリンピックは、マイにとって特別なものなんだと思う。
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「立ち飲みってええねぇ」と、マイは云うと今度は冷酒を頼んだ。
「なんで理科の先生なの?」
「理系やったからやな。前は市内の科学館で働いててんけど、最近は先生に転向やな。家から近いし」
 おでんが来ると、マイはたちまち平らげてしまった。お腹が空いているらしい。体育会的食べっぷりである。
「水泳やったら、ビシッと教えたるで」
 マイにビシッと教わると大変そうだから、遠慮したい。25メートル泳いでも息が切れると思う。ぜんぜん、ダメ。
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「中学の先生苦手やったわ」と、隣で飲んでいたヤンキー風の女の子が云った。
「あら、うちもやで」と、マイも云った。
 乾杯! と、ヤンキーふたりとマイがグラスを合わせた。
「いまでも、実は、苦手や」と、マイが独り言のように呟いた。
「せんべろの基本はハシゴや」と、僕が云った。
「ハシゴってなんや」
「何軒も、飲み屋をまわるのをハシゴっていうんや」
「業界用語やな」と、マイが云った。
 ジャガイモ、揚げ、すじ肉をマイは頼んだ。それと、麦ロックをお代わり。
「市内で飲もう!! 会社が市内やから」と、マイが云った。
「学校だろう?」
「学校のことを会社って云うねん。業界用語や」

 マイとは、せんべろの聖地天満で飲むことになった。
 こうやって、せんべろ探検隊は増えていく。というわけで、続きは今夜の天満で。
 せんべろ探検は続く。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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おかえり
住所 大阪府枚方市北中振3ー21ー2 光善寺駅前ビル2F
電話 072ー833ー5599
交通 京阪本線光善寺駅から徒歩1分
定休日 日曜日
ひとり二千円くらいでべろべろ。
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両国『ニュー鳥正』(東京)こんにちはギャングたち。

ニューがつく、昭和な店で。12032404_901585166600682_283463571_n

 『鳥正』の肉豆腐を食べに行こう。と、アライは思った。
 焼き鳥のタレで煮込んだ豆腐料理で、時々、無性に食べたくなる。丁度、両国界隈の用向きが終わり、そろそろ日暮れ時だった。
「ちょいと、兄さん、寄ってかない」と、キャバ嬢にはとうが立ったオンナに声をかけられた。白いハイヒールと体にぴったりとした花柄のボディコンを着ていた。
 それが、妙に似合うオンナだった。

「すまない。これから友だちと飲むんだよ」
「じゃ、そのお友だちとお寄りよ」
 オンナはそう云うと、店の地図が入った名刺をくれた。『青い城』という店らしい。
「後で寄るかも」と、アライは適当な返事をした。
「お待ちしてます。あたしはレイコだよ」と、オンナは軽くお辞儀をしながら行った。案外、礼儀正しい。青い城には行くことはなさそうだが、いい店なのかもしれないな。と、アライは思った。
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 生ビールを、と鳥正の女将に注文する。
「いつもの?」と、女将が云うと
「腹が減ってるんだ」と、アライが云った。
「じゃぁ、精のつくものね」
 女将がいなくなると、アライは手帳に挟んだ手紙の封を開けた。住所のないオクムラからの手紙だ。手紙と一緒に鍵がひとつ入っていた。
『すまない。新宿西口にあるコインロッカーの荷物を預かって欲しい。必ず、取りに行くから』
 手紙にはそう書かれていた。10万円の小切手と一緒に・・・
 ポルシェの鍵の次は、コインロッカーの鍵か、俺はホテルのフロントじゃないんだがな。と、アライは思った。
 肉豆腐と焼き鳥が来た。アライはビールを飲んで、肉豆腐に七味をたっぷりかけた。辛くて旨い。
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「オンナからの手紙じゃなさそうだな」
 白い帽子を被ったサングラスのオトコがアライの横に座った。もう一人は、腕に入れ墨をした青白い顔をした若い男だ。サングラスの横に黙って立っている。
「人違いだろう」と、アライが云った。
 サングラスがタバコをくわえると、入れ墨が両手でライターを持って火をつけた。その筋の人たちらしい。
 入れ墨がアライから手紙を奪って、サングラスに渡した。
「住所はなし。ほう、10万か、鍵は貰っとく」
 そう云うと、サングラスは小切手と鍵をジャケットのポケットに入れた。
「オクムラのことに首を突っ込むな」と、サングラスが云った。
 入れ墨が、ビールをひとつ注文した。サングラスのだろう。
「一杯飲んだら。一緒に来て貰おうか」と、サングラスが云った。
「ごめんだね」と、アライが云うと
「なんだと、この野郎!」と、入れ墨が凄んだ。
 入れ墨がジャケットのポケットから、ナイフをチラッと見せた。脅しだと思ったが、何かの弾みで刺されてもつまらない。喧嘩など、活きのいいやつがするもんだ。ビールが来た。サングラスがビールを一気に飲むと、
「どうするよ」と、云った。
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「分かった」と、仕方なくアライは云った。
 ビールを飲み干し、アライはレジで勘定を払った。と、同時に、スルリとふたりを避け、店から走り出た。入れ墨がアライのベルトを掴もうとした瞬間だ。拘束されたら、逃げられない。
 大通りから、暗い細い道を走り抜けた。心臓がバクバクとしていた。どこを走っているのか分からなかった。入れ墨が、追いかけてくる足音が聞こえる。どこまでも追いかけてくる気がした。次第に息が切れてくる。限界だった。
 どこでもいい。隠れないと・・・。

 店の扉を開けた。
「あら、来てくれたのね」
 薄暗い店の奥からオンナの声がした。
 花柄のボディコンを着たレイコだった。とすると、ここは青い城らしい。
「お友だちもご一緒?」
「お友だちは、帰ったよ。たぶん」
 息を整えながら云うとアライは、ポケットから鍵を出した。サングラスに渡したのは、原付のスペアキーだ。
 鍵を手のひらで転がしながら、
「ほら、面倒なことに巻き込まれてるじゃないか」と、アライは呟いた。
<取材 アラピー@キャンプ命 記事 紙本櫻士@コピーライター>
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ニュー鳥正
住所 東京都墨田区両国3ー24ー6
電話 03ー3631ー5984
交通 JR両国駅より徒歩2分
定休日 日曜日
二千円とちょいでした。
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撮影 田原慎一

枚方光善寺『よりみち』(大阪)猫客もいるせんべろ屋。

「兄ちゃん、どれでも二百円やで」IMG_3444

 光善寺の裏通りに立ち飲み屋を見つけた。
 いつの間に出現したんだろう? と入ると、お客さんが5人ほど立って飲んでいた。おばちゃん二人できりもりしているようだ。
 生ください、というと
「初めて?」と、愛想のいいおばちゃん店長が訊いてきた。そうです。と答えると、嬉しそうに「いらっしゃい」と、云い笑顔になった。
 生ビールをサーバーから注ごうとしたけど、プシュっと音がして泡ばかりが出た。

「なくなったわ。ケイちゃん悪いけど、樽もってきてや」とおばさんが云うと、隣で飲んでい赤ら顔のおっさんが、奥からビールの樽を黙って持ってきた。
「重いで」と、おっさんがよたよたと樽を運びながら云う。
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「阪神タイガース勝ってほしいよなぁ。後、0.5ゲーム差やろ」
 店内で流れている阪神の試合を見ながら、やしきたかじんに似たおじさんが云った。年齢不詳だけどたかじん世代(たぶん)、派手なTシャツに色眼鏡をしている。髪は茶髪でサンダルばきだ。職業はなんだろう?
「阪神勝ってほしいです。ヤクルトファンやけど」と、ひょろっと背の高い若いサラリーマンが云った。パナソニックあたりに勤めていそうな兄さんである。
「俺は、巨人ファンやで。おばちゃん、ビールお代わりや」と、たかじんが云った。その風貌で、巨人かい!!
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「猫の客が来てるで」と、樽を運んだおじさんが云った。
「ちょー待ってていうといて」と、おばちゃんがおばんざいの海老を電子レンジで温めながら云った。
 猫も、ここの常連らしい。奥の開いた扉から、ちょこんと座った猫が見えた。
「三振かいな」と、たかじんが云った。
「雨が降ってきましたね」と、パナソニックが云った。
「6回コールドで、阪神勝ったらええねん」と、たかじんが云った。
 阪神タイガースが、1回に1点取っているのだ。今は、3回で中日ドラゴンズの攻撃だった。
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 麦ロックが来た。僕は、イワシと海老を頼んだ。どれでも200円だ。
「オムレツもおいしいで」と、おばちゃんにすすめられ、オムレツも頼む。今日は、カレー味らしい。
「おばちゃん、まだかいな」と、外の猫が催促をした。
「すぐできるから、待っててや。しゃーないなぁ」
 目の前に、はえ取り紙がぶら下がっているのに気づいた。まだ、残ってたんだ、これ。一気に、昭和にタイムトリップした気分になる。
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「来週の日曜日に『千人の月見の宴』というイベントやるんです」
 僕はそう云うと、チラシをおばちゃんに渡した。
「能とジャズやるんかいな。ええやんか」と、チラシを眺めながらおばちゃんが云った。
「俺、それ行くで、ジャズとか好きやねん」と、たかじんが云った。
 お、たかじんいいやつである。
「俺の店にも貼ったるで。チラシあるか?」と、たかじんが云った。
 近所で、ヘア・サロンをやっているという。なるほど・・・。
「『薪能』いうたら、火焚くんかいな。ごっつい、ええイベントやんけ」と、たかじんが云った。
「許可が取れたんですか?」と、パナソニックが訊いた。
 もちろん取れている。
「せんべろ屋という、安い飲み屋も出します」と、僕が云った。
「行くわ。飲みながら、そういうの見るの、好きやねん」
 たかじんは、台詞までたかじん風である。
 それから小一時間ほど飲んで、僕はいささか酔って帰った。支払も、せんべろ屋だ。
 不思議な温もりのある人たちが集まっているせんべろ屋だと思う。
 光善寺探検は、面白い。
<記事 大阪せんべろ隊長 紙本櫻士@コピーライター>
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よりみち
住所 大阪府枚方市中振3ー22ー9
交通 京阪本線光善寺駅より徒歩3分くらい
営業 12時から22時30分
せんべろ屋です。
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「ええ体してるやん。せんべろ隊に入らへんか?」
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